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【3分コラム】敬意を込めて

卒園式の朝、娘がリビングで何か書いていた。
どうやら担任の先生に渡すための
手紙を書いているらしく、
えんぴつをぎゅっと握りしめ
ひとり黙々と書き綴っている。

ぼくが身支度を済ませている間に
ついに手紙を書き終えた娘が、
じゃじゃーん、と得意げに見せてくれたので
じっくりとそれを読ませてもらったのだけど
はっきり言ってぼくはとても驚いた。
たどたどしい筆跡で書かれたその手紙には
「はなれててもずっとおうえんしてます!」
と書いてあったのである。
この一文に、ぼくは大いに感動してしまった。

個人的な仮説ではあるけれど、
子どもの感情や心理は
きっと人間の本質的な姿を表すのだろうと
ぼくは考えている。
喜怒哀楽も
わがままもいじわるも
そして愛情や優しさも、
子どもは包み隠さない。
だからこそ、娘の手紙は、
誰かに寄り添い支える感性が
人間には本来備わっていることの
証明のようにも感じられて
なんとも誇らしかった。
にんげん、あっぱれだ。

もし仮に、心に抱く素直な感性を
何層ものフィルターにくるんで表現することを
社会性と言うのであれば、
これから彼女が身につけていくであろう
そのフィルターの中にある感性の原色を
しっかり目に焼きつけておきたい。
ぼくはそう強く願った。
それこそが、きっと親の務めというやつなのだ。

そんな大げさなことも
書いてしまえる程の敬意をいま、
彼女に送りたいと思う。

卒園、おめでとう。

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今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。



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