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(1)ティーバッグ

ティーバックと空目したエロい皆様こんばんわ。
私はIHオール電化よりもガスコンロが大好きだ。料理をするのは絶対ガスでなくちゃ嫌な派だ。電力で調理した食い物なんて偽物だと思うほど嫌だ。ガスならマッチがあれば停電した時でも使えるではないか。
アメリカで一年滞在したホストファミリーの家はクルクルの電気コンロだった。でもホストマザーのつくる料理はとてもおいしかったのできっと私の思い込みだと思うが、とにかく自分の住む家は絶対にガスでなくてはならない。ガスならさっと弱火に出来るし、火を消した後は五徳は熱いかもしれないがオレンジ色ではない。


実家ではみんなお茶やコーヒーをよく飲んだ。おばあちゃんの家には保温が出来るポットがあってそれがいつも茶の間に置いてあり、さっと温かいお湯を急須に注ぎすぐにおいしい玄米茶が飲めた。しかし我が家にはポットが無かった。だから自分の飲みたいぶんだけやかんに水を入れさっと沸かすのだ。コーヒーを水のように飲む母と紅茶命の私。毎朝毎晩誰かしらやかんで湯を沸かしておった。
そんなガス一筋の私にも揺らぐ出来事が起きた。
我が家には私が18で留学から戻るまで電子レンジという物が無かった。1999年の事だ。オーブントースターはあったのに、オーブントースターは電気なのに、さっき電気で調理した食い物は偽物だと言っておきながらトースターで焼いたハムチーズのトーストは大好物だったくせに。まあ、とにかく我が家にはずっと電子レンジが無かったのだ。もっと小さい頃はレンジでチンするだけ!と言う冷凍食品にどこか憧れたものだ。しかし留学中お世話になった家庭にはどこも電子レンジがあり私はその便利な道具に感心してしまったのである。
まず朝起きで皆コップに水を注ぎそれをティーバッグと共にレンジでチンするのだ。そしたら約一分で暖かいお茶が飲めるの。しかしお茶は皆殆どティーバッグなのに、コーヒーとなったら挽いたコーヒー豆とコーヒーメーカーを使うのだからアメリカ人というのは本当によくわからない。とにかく紅茶命の私は気軽に飲みたいときに飲みたいだけ紅茶が作れる電子レンジを画期的だと思った。やかんを火にかけて忘れて空焚きしてしまうという事がない。一分経ったらチン!それで忘れても家は丸焼けにならない、ただマグカップのお湯が冷たくなるだけだ。


他にもたくさんレンジの思い出があるが長くなるので二つだけ。
私がホストマザーの料理を手伝うときは決まってベイクドポテトだった。日本だと茹でたジャガイモだろうがアメリカでは洗ったジャガイモを皮を剥かず、フォークで何度がぶっ刺して小さな穴を幾つか開ける。そしてそのままレンジに放り込み五分。裏返してさらに五分。そうすればホクホクのベイクド?ポテトの出来上がりだ。半分に切って中にも切り目を入れ、そこにバターを落とし塩こしょうでいただくのだが病みつきになるおいしさだ。
そして毎週火曜日、ホストマザーとホストファザーはボーリングのトーナメントに出かけていない。最初の頃は私もついて行き隣接されておるチャイニーズレストランで夕飯を食べておったのだが、それからが長い。宿題も沢山あったし、退屈だった。だからある時から私は一人で留守番をするようになった。それからは毎週火曜日だけレンジで作るラザニアという物が私の夕飯になった。毎週同じ赤い箱に入ったレンジでチンするラザニア。私はそのラザニアを見るのが一時期嫌になった。しかしおかしいもんで日本に帰るとそのアメリカでしか食べれない赤い箱のまずいラザニアが無性に食べたくなったりするのだから人間は不思議だ。
さて、日本に帰った私はやかんで湯を沸かすのが面倒なので母に電子レンジをねだった。そしたらすんなり我が家にも電子レンジが導入されたのだ。それからは我が家でもみんな電子レンジで茶を淹れるようになった。母もインスタントコーヒーをレンジでたまにいれるようになったが、大概はやかんで湯を沸かしておった。前回実家に帰った時はウォーターサーバーなるものが登場しており、なんと赤いボタンを押すと熱い湯が出てくるという!母はそれでコーヒーを淹れておった。変な進歩の仕方である。田舎の年寄特有の変な健康器具や健康食品がわんさか置いてあった。


紅茶も好きだが人種のるつぼアメリカには色々な国の変なお茶がこれでもか!と言うほどあり、殆どがティーバッグになっている。だから面白そうなお茶を見つけては次から次へと買ってしまうので置く場所が無くよく叱られる。おいしいものは何度もリピートするが死ぬほどまずいものもたまにありそういうのがどんどん溜まるので、最近は成分表示をよく見て買うようにしておる。リコリスルートが含まれ過ぎなのは絶対だめだし、日本の物では甜茶入りの物は変な甘さが嫌なので買わないようにしておる。私はどちらかと言うとさっぱりした苦みが好きなので、甘さが入るといただけないのだ。
少し前までは緑茶にパッションフルーツのフレーバーとか言う類のものは好きではなかったのだが、まあまあ飲めるようになってきた。緑茶は連れが沢山飲むのでまずくてもいつの間にかなくなっておる。最近のお気に入りは緑茶にショウガとピーチのドライフルーツが入っておるものだ。桃の香りってすごく好きで、それにショウガが加わる事でパンチの利いた味になるので砂糖を入れずに飲めるところが良い。
韓国系のマーケットに行くと不思議なティーバッグがこれでもかというほど置いてあり、韓国語が読めない私は絵を頼りに行くたびに片っ端から買っていき、いくつかお気に入りが出来た。私のお勧めはゴボウ茶と桑の葉茶だ。どちらも砂糖を入れずにぐびぐび飲める。私はどくだみ茶とか癖のあるお茶も大好きなんだが、モリンガ茶やネトルリーフのお茶もおいしかった。
中華系マーケットでは断然ジャスミンティーを買う。こっちの中華料理屋ではウーロン茶ではなくジャスミンティーが出てくるのだがこれがまたいい香りで癖になる。
そしてアメリカのスーパーに多く置いてあるのはハーブティーやフレーバーティー。
フレーバーティーはちょっと苦手だがさっき書いた緑茶系は最近飲めるようになってきた。ハーブティーもリコリスや甘い系のハーブが入って無ければ大抵は飲める。特にエルダーフラワーの香りが好きで、目につけば買っておる。
カモミールやリンデン、ラベンダーは飲んだらすごく眠くなるので、好きだがあまり飲まない。ミントティーはセレスティアルというブランドの物が目の覚めるような強烈ミントなので大好きだ。マテ茶やルイボスティーもよく見かけるようになった。
甘いお茶はあまり好きではないがたまーにミルクのたっぷり入ったロイヤルミルクティーやスパイスのきいたチャイミルクティーを飲む。そしてバラのジャムかアプリコットのジャムを入れた紅茶は好きだ。
書けばきりがないが、手軽に気軽にさっと入れられるティーバッグと電子レンジを作った人は天才だな、と思う。というか何でも発明して作ってしまい世の中の人間を楽にしてきた人たちはみんな天才だ!
ミニコラムと言っておきながらいつもの調子で書いてしまいそうなのでこの辺にしておく。

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