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詩集・小瓶の蝙蝠

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2017年8月の記事一覧

未来心中

未来心中

白い靄に包まれて 彼女は帰らなかった
無残に滅びた そのお母さんは あなたのお母さん
ねえ そういう時 どういう風に私を見てた?
そこから反対方向に 歩き出した 私達は
過呼吸の痛みの中で お互いを離したくはないと
必死に 縋りついて 痛みを舐めあって 死を恐れた
お母さんは弱かった あなたも弱かった
でももっと わたしは 弱かった
紐をほどいても あなたは蘇らなかった
冷たくなった あなたの裸体

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不器用な旅立ち

不器用な旅立ち

誰かの犠牲のもとに成り立っている わたしの欲望は
声が届かない あなたのその腕を求め
旅立ちを 不可能にしてしまいたくて
ただ 奇跡とか 青天の霹靂とか そんなのが起きるのを
いつもと同じようにして つっ立って待つだけ
あなたは 置いていくの 大切なものを 人を 夢を 未来を
その寂しい横顔だけで 何十光年もの愛で満たしたくなった
触れると 壊れてしまいそうで かわいそう
意味のない雑音までが そ

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肉体に埋もれた栄光

肉体に埋もれた栄光

ねえ しってた? あなたがわたしを救ったってこと
ねえ どうしてそんなに 寂しい瞳をしているの
あの時のあなたは ずっと輝いていたし
あっけらかんとした 暖かさがあった
なのに いまのあなたは 水浸しのドブネズミみたい
みじめで 肉体に群がる脂肪に支配された 悲しい玩具
誰も遊ぼうなんて思わないから あなたは安心して一人になれるの
ひどいじゃないの いつもひとりで 助けてって言えばいいのに
あな

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