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外出自粛・在宅が続いて睡眠が気になる人たちへ(③睡眠ハック・チェックポイント)

睡眠概要・導入編 では
1.睡眠の種類
2.睡眠の効果
3.眠れないとどうなるのか
4.どれくらい問題なのか
睡眠の悩み・原因編 では
5.よくある悩みの種類とその背景
①寝付きの悪さ(入眠困難)②途中で目が覚める(中途覚醒)③目覚めが早い

に触れてきました。ここでは気をつけること(チェックポイント)とその方法(睡眠ハック)を書いてきます。今回はだらだらと長くなってしまったので、「長すぎるぞ!」という人は一番下のまとめリストだけでも大丈夫です◎

6.日中の覚醒状態を保つ(ONモード)

キーワード1:セロトニン促進とメラトニン抑制

朝スイッチをしっかり入れることが、夜スイッチをオフにしていくために必要なので、覚醒状態をしっかりつくることも睡眠のためになります。人間それぞれの個体がもつリズムと地球のリズム(24時間)は一致していないため、地球のリズムに合わせるための機能として、

朝日を浴びる☀️ = スタートボタンを押す = メラトニンを抑制

が大事です。梅雨シーズンや在宅ワークが増えると、どうしても日を浴びるタイミングを失いがち。足りない分を浴びるための方法としては、日照が不足しがちな北欧の人たちが使っていたり、季節性うつ病に効果があるといわれていたりするのが高照度ライトです。値段はピンキリですが、比較的安いこれを睡眠ハックに詳しい知人からおすすめしてもらって、2年ほど使っています。

キーワード2:体温を上げる朝ルーティーン

①温かい飲み物
「朝白湯を飲む」というのが美容意識高い人の常識みたいになりつつありますが、美容じゃなくても、普通に体のスイッチを押すのにもいいです。スープや味噌汁、お茶でもいいので温かいものを飲む習慣を付けてみてください。

②朝ごはんを食べる
食べものを摂取することも、噛むことも効果があります。逆に朝ごはんを抜いてしまうことは肥満にもつながります。睡眠だけでなく体型維持のためにも、ちょっとでもいいので朝ごはんを摂ることはおすすめです。

③ちょっとだけ散歩する
これは通勤していた頃は勝手にできていたのですが、在宅が増えると意識しないと家から出ないので、「コーヒー豆を買いに行く」「スーパーに牛乳買いに行く」とか小さなことでも近くでもいいので、外出の予定がこまめに生まれるようにしています。

私は低血圧すぎて朝から張り切っていけないタイプなので、白湯(電気ポット)→沸かしてる間にカーテンを開けてみて、晴れじゃなかったら代わりに高照度ライトの光を浴びる→目玉焼きトーストor豆腐をチンして湯豆腐して食べる→ちょっと散歩or買い出しするみたいな感じでゆるゆるやっています。

キーワード3:カフェインのタイミングと量

カフェインは半減するまでに4時間要するという意味では、午後の飲み方は注意が必要ではあるものの、基本的には覚醒モードにしながら基礎代謝を上げてくれるので、午前中〜昼過ぎにはリズムよく休憩の同僚との談笑などにカフェ時間を活用することで、覚醒の質を保ちながら日中を過ごすことができるかもしれません。私はコーヒー好きだけど飲みすぎると動悸がするタイプなので、午前に1杯と午後に1杯くらいを目処にしています。

7.深く眠れる準備をする(OFFモード)

キーワード1:メラトニン促進

しっかり日中(特に午前)に太陽の光を多く浴びると、夜間に「メラトニン」という睡眠物質が分泌されます。このメラトニンの働きにより、寝つきを楽にし、睡眠を深められます。なので、午前〜お昼頃に光をたくさん浴びておくことを上に記しました。今度は、反対に夜に近づくに従って、浴びる光の量をコントロールしていく(減らしていく)必要があります。

ブルーライトを軽減するスマホ用のシートやパソコンの設定などがありますし、眼鏡などでもカットしてくれるものがありますが、根本的に浴びないようにしていくことも必要です。なので、パソコンをゴリゴリ使うアウトプット作業は日中にしっかりやって、夕方や夜は本を読むなどしてみたり、段階的に部屋の明るさを落としていくことが効果的です。(寝る前に読んだものは記憶の定着にもなるので、本でのインプットに切り替えていくのは合理的でもあります。)

どうしても深夜にパソコン作業をしてしまう場合は、デザインなど色味の確認がなければ夜用メガネを使うといいかもしれません。テレワークキャンペーンで安くなってたので買ってしまいました。

キーワード2:体温を下げて眠りを準備していく夜ルーティーン

起きる際は体温を上げていきましたが、眠るときヒトの身体は体温が下がるようにできています。体温が高いままではスムーズに深い眠りに入っていけないので、体温が下がりやすいような工夫が必要です。「スタンフォード式最高の睡眠」西野先生は体温を上げて→下げて→深部と末端の温度差を縮めるという流れを提唱されています。

①空腹では寝られないので、軽めの食べもの
空腹だと飢餓状態=覚醒になってしまうので、子どもの睡眠研究でも「夜のおやつ」という項目がしばしば出てきます。大人もしかり、消化に時間やエネルギーがかかってしまうものではなく、ちょっとつまめる簡単なものがおすすめです。
メラトニンの材料になると言われているトリプトファンを意識して「はちみつバナナヨーグルト」とかでもいいんですが、すぐに変換されるわけでもないし、メラトニンにして!とこちらが選べるわけでもないので、程々に好きなものとかプロテインとかでいいかと思います。

②就寝1時間半前にお風呂に!(直前ならシャワー)
夜間に運動を取り入れると、寝つきを楽にし、熟睡感を高められます。が、寝る直前に激しすぎる運動をすると興奮してしまうので逆効果です。銭湯・温泉・サウナが近くにある人は活用してもいいし、おうちのお風呂に浸かって、体を温めてから入眠モードに切り替えていきましょう。

③室温・湿度の調整
寝具にめちゃくちゃこだわりが強い方が多い印象がありますが、寝具に塔敷いているなら是非ともこの辺も調整してみて欲しいのが、部屋の温度と湿度。これが鍵を握るといわれています。ただ、夏だからと冷房ガンガンにしてしまうとそれはそれで体の自然な体温の変化が阻害されてしまうので、オンタイマー・オフタイマーを活用しながら除湿や適度な冷房を意識してみてください。

④アイマスクと耳栓とスッとする香り(視覚・聴覚・嗅覚)
これは元々飛行機などの長距離移動で使っていたところから常用するようになったのですが、「カーテンが遮光じゃない」「家族が豆電球つけて寝る派」など環境を変えられない時、しっかり暗くて静かなところで睡眠を取るために有効なのがアイマスクと耳栓です。

目の状態によって温める冷やすなどもできると一石二鳥なので、素材やつけ心地などの好みに合わせたり、家用・折りたためる移動用など使い分けて見るのもおすすめです。

また、近隣の騒音や時計・冷蔵庫などの小さな音が気になってしまうときは耳栓もあった方がいいです。耳栓も同じく硬さや大きさが気になると逆に眠れなくなることもあるので、自分に合ったものに出会えるまで探してみてください。

光・音に加え、香りも整えておきたいという場合は、リラックス効果のあるものを選んで、枕などに少し吹きかけておくのもいいかもしれません。私は海士町のクロモジ水や北海道ではまったハッカ油をかけて寝ています。(マスクの中にもこれ吹きかけて使ってます)

キーワード3:アルコールのタイミングと量

アルコール・カフェインは眠る前の摂取に気をつける必要があります。タイミングや量を間違えると、作用により睡眠の質が大きく低下します。カフェインは18時ごろ、アルコールは眠る2〜3時間前までにしましょう。

一方で、アルコールはリラックスできたり入眠作用もあったりするので、利尿効果で起きてしまうような量はダメですが、適量なら活用してもいいですし、ナイトキャップ(寝酒)に少しだけウォッカやウイスキーを飲んでからそのまま寝ることを奨励している場合もあります。(私もたまにやりますw)

8.どうしてもイレギュラーな睡眠になるときは…

朝イチでミーティングが!早朝の飛行機が!など、普段の時間通りに過ごせないこともあります。睡眠は遅らせることは簡単・早めることは難しいので、この特徴を捉えておくことが大切です。早めるとしても前後1時間程度が調整の限界なので、数日前から予定がわかっている場合は、段階的に早めるなどして、狂わないように準備していくことが大事です。

それもできない場合は「無理やり起きれる強制ボタン」をつくっておくこと。朝冷水を浴びるのがいいといわれていますが、私は冷水嫌いなので旅行のお土産などでもらった小包装のシートマスクを冷蔵庫に入れておいて、朝パックをするのをおすすめします(寝不足で肌が乱れていることもカバーできるはずw)

9.適切に睡眠のために便利なアプリ3つ

①睡眠測定:AutoSleep
本気で睡眠の計測をするとなると、無呼吸症候群の方がよく使うポリソムノグラフィー(PSG)のような感じになってしまうので

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普段使える睡眠測定は、fitbitやAppleWatchが現実的な方法となります。私が使っているのは、AutoSleepです。

睡眠のログが取れることだけでなく、最近は睡眠の波が浅いところ(不快感が少ないタイミング)で起こすという、なんとも素敵な機能が追加されました。Watchの振動は起きやすいので物凄く助かります。

②運動量の確認:iOSのデフォルト「アクティビティー」
運動が足りない=疲れていない=眠れなくなる可能性が出てくるので、適度な運動ができているかの確認もします。これに関しては、運動専用のアプリもあると思いますが、元々入ってるやつでカロリー消費と運動量がわかるので、これをこのまま使っています。

③カフェイン摂取と血中濃度の推定:TrackCaffeine
カフェインは、在宅になってからはコントロールできていますが、オフィスにいるとついつい飲んでしまうのでこのアプリを同じくAppleWatchと携帯で入れていました。

10.まとめ

-朝編-
①朝日を浴びる(ダメだったら高照度ライトで代用)
②温かい飲みものを飲む(白湯・スープ・味噌汁・お茶など)
③朝ごはんを食べる
④ちょっとだけ散歩してみる(軽めの運動)
⑤カフェインを摂るなら18時ごろまで
-夜編-
①夕方以降は浴びる光の量を減らしていく(照明を落としていく・PCやスマホを使いすぎない)
②軽めに夕食を摂っておく(空腹で寝ようとしない)
③就寝1時間半前にお風呂or直前ならシャワー
④室温と湿度を調整
⑤アイマスク・耳栓・リラックスの香りで視覚・聴覚・嗅覚を遮断
⑥アルコールを摂るなら2−3時間前までか、少量のナイトキャップ 
-アプリ編-
①睡眠測定:AutoSleep
②運動量の確認:iOSのデフォルト「アクティビティー」
③カフェイン摂取と血中濃度の推定:TrackCaffeine
- 困りごと編 (前回記事含む)-
①眠れないときは、眠ろうとしないで、寝床から離れてみるのもあり!
②睡眠困難は脳の疲れ不足かもしれないので、新しいことにチャレンジしたりして、脳を使い倒してみよう!
③どうしても急な早起きをする時は、無理やり起きるための工夫がおすすめ!(e.g.朝冷蔵シートマスク)

思いの外長くなってしまいました…!そしてまとめてみるとめちゃくちゃ普通のことを羅列しているようにも感じます。

脳の睡眠としては、最初の3時間睡眠の「質」が修理と回復に大きく影響するのでこだわるべき部分、身体の睡眠として(運動能力を伸ばしたい場合など)は睡眠の「質」ではなく睡眠の「量」(=睡眠時間を伸ばす)がこだわるべき部分です。

休みの日に多めに寝ている=普段の睡眠が足りていないという信号なので、基本的には睡眠時間を自分に合った量(=休みの日でも平日と同じ時間に自然に起きれるリズム)確保することを前提として、睡眠の質向上をご活用ください:)

いい眠りの一助となれたら幸いです。気になることや疑問があれば、お気軽にコメントください!




シビックテックのCode for Japanで働きながら、小児発達領域の大学院生をしながら、たまにデザインチームを組んで遊んでいます。いただいたサポートは研究や開発の費用に充てさせていただきます。