受け取ったものは、人の優しさのチカラでした。
わたしはたぶん、日本人のなかで1、2を争うくらい日本史を知らなくて、なぜかというと、歴史というものに全く興味が持てない体質だからなんです。
大好きな俳優が主役をしてても、大河ドラマは全然観れない。すぐ眠くなる。
マンガでもアニメでも観れないし、そもそも名前が覚えられない。
そして、地理も同じくだめで、どこに何県があるとかわからんし、観光地にも興味がないので、旅行も好きじゃない。
観光地に興味がないのは、歴史に興味がないのと深く関係してると思う。
つまり、歴史も地理も政治経済も、社会科ぽいものは苦手なのです。
なんでこんなにダメなところをカミングアウトしてるのかというと。
こんなわたしですら、ハマった小説のことをお話したいからなんです。これです。
こぼーろさんこと、拝啓あんこぼーろさんが書かれた大作、ドラッグストア昔話です。
全35話の超大作で、毎日毎日ドキドキワクワクしながら読みました。
たぶんね、入り口がよかったんだと思います。身近にどこにでもあるドラッグストア。そこに大昔からおばあさんがタイムスリップしてやってくる。
もしもそんなことがあったら、まわりの反応はこうなるよね。って感じ。
優しく接してくれるひともいるし、冷たいひともいる。
おばあさん目線からしたら、ガラスの自動ドアも商品もエレベーターも、こう見えるよね。って、ちゃんと想像されてる。
炊飯器のご飯炊けた音を、おばあさんが「鹿の子でも飼うとるんかね?」って言うのがすごく好き。
その後、おばあさんは、突然帰っちゃって、歴史を変える大偉業を成し遂げるわけなんだけど、すべてはスカイツリーの下で出会った、みちちゃんのためなんですよ。
一緒に過ごしたほんの1日がきっかけで、みちちゃんだけでなく、村の飢饉まで救っちゃうなんて、ひとがひとを思う気持ちのチカラって、ほんとにすごいなあって思いました。
全部を読み終えて、気づいたことはたくさんあって、教えられたこともたくさんあって、毎日の生活のあちこちで、思い出すんだろうと思いますけど、やっぱりいちばん大好きなのは、おばあさんとみちが東京で過ごした時間です。
一緒に「すたばあ」にいって、桃のお菓子を食べるとこなんて、スタバの前を通るたびに思い出して、ついつい覗いてしまったりしてます。
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このお話しを読み終わってから、感想を書きたくて、もう一回読み直そうかなーでも長いしどうしようかなーと思っていたら、なんと!
シモーヌさんによる、朗読が始まったんです!!
聴き始めた瞬間。
そう、タイトルを読むお声で、もう、これは、わたしの頭の中に浮かんでいたあの世界とおんなじ!って思いました。
言葉と言葉の間とか、ナレーションのトーンとか、すごく心地よくて、毎日湯船に浸かりながら聴くのが日課になりました。
「朗読」というよりも、わたしにとっては「読み聞かせ」で、お風呂で一度聴いたお話を、またふとんの中で聴きながら寝る(秒で眠れるのであんまり聴けてないけど)。
母親に読み聞かせなんてしてもらったことないけど、なんか懐かしくて、とってもあったかかったです。
シモーヌさんありがとうございました。
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この感想文を発表するために、そうだ!わたしもなにか作っちゃおう!と、思いついて、これをチクチクしましたよ。
スカイツリーを挟んで、子どものみちと、東京のみちとキヨ。
子どものみちが、スカイツリーを見たら、どんな顔するかなあーって想像してました。
こぼーろさん、シモーヌさん、素晴らしいお話をありがとうございました。
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