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【禅寺紹介その1】ド定番の観光スポットの中にあるほとんど誰も来ない穴場〜京都東福寺〜

こんにちは、くんくんです。趣味はお寺巡りです。文化財マニアです。
文化財マニアがド定番の観光スポットの穴場を紹介します。
今日は東福寺のいつ行ってもだれもいない穴場を紹介します。

◆東福寺とは

・京都の超有名な観光スポット
・奈良の大寺と興寺から一文字ずつとって東福寺
・とにかく建築物がデカい!
・国宝の山門は、奈良の大仏様式と禅宗様式がミックスされた珍しいもの
・本堂は、明治に焼失し昭和に再建
・日本最大最古の禅宗式の東司(トイレ)が現存。最古のトイレ。
・紅葉の名所 絶景。


ド定番の観光名所でございますね。
行かれたかたも多いかと思います。
特に、紅葉シーズンは本当にキレイです、絶景ですね。

ですが、東福寺にある月下門ってご存知でしょうか?
本日は、意外と知られていない東福寺月下門についてご紹介します。

◆東福寺月下門の場所

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赤色で囲っているところです。

明らかにメインどころからは、少し離れています。
さらに、中から見ようとすると有料でお金が必要です。

上記の2つの理由からほとんど誰も見に来ません。

でも実は、この月下門、国の重要文化財に指定されているとても貴重な建物なのです。

おススメは、外に一旦出て、道沿いから眺めるのが良いです。外からが超穴場。

◆東福寺月下門は全体がめちゃシンプル

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東福寺月下門の特徴
・なんと御所の月下門を移築したもの

・鎌倉時代に建った。東福寺の中で最古の建物
禅宗様式ではない和様の四脚門
・繊細で優しくたたずまい。超おしゃれなデザイン
・装飾がほぼないのに格式高く見せる当時の大工さんの技術とセンス


鎌倉時代の御所の住宅風の建築物なので、この月下門自体には禅宗の要素が一切ない。まず、ここが面白い。移築されたので当然ではありますが。

先にメインの仏殿を見た後にこの月下門を見ると、小さいながらもものすごい美しさを感じます。対比できておもしろいですよ。

小さいんですけど圧倒的な存在感があるんです。
やさしく美しい。極限まで無駄をそぎ落としていった美。

シンプル イズ ベスト。

質素なのに格式高く見えるから不思議。


◆東福寺月下門は細部がめちゃヤバい

ここから先はよりマニアックになりますが、よろしければお付き合いください。

●細部①軒先に垂木がなく、板軒であること。

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普通は、垂木が何本もでて、屋根を支えています。垂木がなくて、板で軒を貼っています。板軒という形式で、貴族の邸宅の門などにはこういう軒の形式を採用しておりました。ほかに板軒ですばらしい建築物は、奈良の十輪院(国宝)ですね。


●細部②中央の蟇股のインパクト大

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この蟇股。おしゃれ。かっこいい。かっこよくないすか?
これほんとやばいんです。建築史の教科書にでてくるレベルのものなんです。

蟇股(かえるまた)とは、写真中央のうねうねしている部分。

このうねうね感のあるデザインがたまらん。脚立持ってきて30分ぐらい眺めていたい。(やっちゃダメですが)

この門は、全体的に質素に設計した中で、どこかで格の高さを表現したかったのだと思うんです。それがこの蟇股でしっかり表現されています。鎌倉時代からいまに残る数少ない貴重なものの一つです。


ご一読いただきありがとうございました。明日もこんな感じで書きます。


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