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おしゃれを怠ったわけではないが、必要性を考え付かなかった自分にがっかり


快晴が続くロンドン。先日、仲の良い友人から、うちの近くまでくるので、ピクニックがてら公園で会わないか、と連絡があった。イギリスでは、5月11日よりロックダウンが一部緩和し、屋外で別家庭の人物と最大1名まで会えることになった。

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緩和後最初のバンクホリデー3連休は、好天に恵まれたが、ビーチは訪問客でイモ洗い状態。ソーシャルディスタンスもなにもあったもんじゃないということで、地元の住民たちからは悲鳴が。(写真はイギリス南部のブライトンビーチ)

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3月23日にイギリスがロックダウンに入ってから、チャットなどで近況報告はしていたものの、対面では会ってなかったので、積もる話もあり、もちろんOKと返答し、サンドイッチやフルーツなどの軽食をバスケットに詰め、待ち合わせの公園入り口まで出かけた。


天気が良いので公園には結構な人がいたが、平日だからか、ほとんどが家族単位でピクニックをしたり、ボール遊びをしたりしている。

そんな中、向こうからさっそうと歩いてきた友人。彼女は目の覚めるような濃いピンクの小花柄のミニ丈ワンピースに大きな麦藁帽を被ってやってきた。
彼女のその姿を目にした途端、「ああああああ、、、」と声にならない声を漏らした。というのも私は、朝エクササイズでサイクリングに出掛けたままの姿、つまり、ジャージにパーカーだったからだ。言い訳をすると、会うといっても家の近くの公園、屋外、ピクニック......、汚れてもいいし、動きやすいし、事実着替える理由が見つからなかった。

ハロー!久しぶり!元気だった?と満面の笑みで正面に立った彼女はこれまたピンクの大きな花のモチーフが付いたカラフルなサンダルを履いていた(ちなみに私はプリムソールのデッキシューズ)。

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そういえば、先月、この写真もロックダウン中のWFH(Work From Home)ファッションとしてずいぶん話題になったな。『VOGUE』のインスタグラムに投稿されたものだが、あの米VOGUE誌の編集長、アナ・ウィンターが真っ赤なトラックスーツを履いている。以前、VOGUEのビデオインタビューで、「今までトラックスーツを履いたことがありますか?」という質問に確固として「NO」と答えていたにもかかわらず(ちなみにトップのボーダーのセーターはニューヨークのブランド「La Ligne」のカシミア&ウールのもので、お値段は£234(約35,000円)。話題ののトラックスーツはなんと無名ブランドだとか)。

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しかし、なぜ私は彼女を見てショックを受けたのだろうか?
誤解のないように言っておくと、くやしい、とか負けたとかではない。彼女は大切な友人。競争しようなんて微塵も思っていない。

それはつまり、大切な友人の一人と会うのに、少しはおめかしをしようという思考が完全に抜け落ちてしまっていた自分に愕然としたのだ。きれいに着飾った彼女を見て、そういえば、去年の夏のセールで買った、あのワンピース着れたな、と今後悔しても遅い。

断っておくが、私はおしゃれが大好きだ。高価な服や靴は持たないが、行く場所や時間帯、TPOによってはいろいろと考えながらコーディネートを楽しむ。それがなんだ、たった8週間の外出禁止期間の間で、その感覚を失ってしまうとは。

そんなこんなで、始まったピクニックだが、まあいろいろと話し込んでいるうちに、自分が何を着ているかなど忘れてしまい(パーカーは実際暑すぎた、汗)、終始笑いながら過ごせたのだが、今回の一件は、どのような状況下でも少しは自分をよく見せる努力をしようと、思い起こさせたよい経験だった。しかも、もうアラフィフだし、最低限の身だしなみは必要だろう。

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自分用のレジャーシートと食べ物持参でしっかり距離をとりつつ雑談。距離があると、ゴシップなどのひそひそ話がしづらいのが難点(笑)。

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と、ここまで書いたところで、ついさっき英ジョンソン首相が本日木曜の官邸報告で、来週月曜(6月1日)より、一緒に住んでいない別家族から最大6人まで屋外に限り会うことができるようになる、と発表した。(注:イングランドでのみ施行予定。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドに関しては、それぞれ個別の規制が適用される)。しっかりソーシャル・ディスタンスを保ち、ちゃんと手を洗う、そして食品衛生を守れば、バーベキューなども可能だという。

おおっ!友達何人かとまとめて会えるのはいいな、と思っていたら、さっそく友人の一人から「家の庭でソーシャル・ディスタンスを守りながらワイン会しましょう。来週の木曜日なんてどうかしら?」という嬉しいお誘い。彼女の家の庭はそこら辺の公園よりも大きく(!)、私たち4人とはいわず50人でも距離は保てそうなので(笑)安心だ。

もうすでに何を着ていくか決めてある。次は化粧もしよう。持っていくワインも買わなきゃな。


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25歳以上も年が違うのは重々承知で、おしゃれの参考にしたいのは、BBC/Hulu製作の『ノーマル・ピープル』のマリアンの服。舞台設定が、2011~2014年のアイルランドなので最新トレンドとは言えないが、着こなしがとにかく可愛い。そろそろどこか翻訳本出してくれないかな。それか、私に翻訳させて。


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