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育休を2回取って、生後3ヵ月の息子と共に職場復帰した話(後編)

前編:きっかけ、実際に職場復帰するためにしたこと
後編:早期&短期の職場復帰のメリット・デメリット  ←本編ではココを解説します。

前編は以下よりご覧ください。


職場復帰で大変だったこと(デメリット)

ここまで、実際に職場復帰した際に工夫したことを書きましたが、リアルな復帰中の大変だったことも添えておきます。笑

ほんとに寝れない

事前に聞いてはいたものの、本当に寝れませんでした。笑 完母で夜間授乳もゴリゴリしていたので、夜中は1~4時間おきに息子の泣き声で起こされて、正直、職場復帰した2週間くらいは、日中起きているので精一杯(白目)。同僚と雑談している内容が2秒前くらいに聞いたのにソッコーで思い出せなくなり、すぐ脳が停止して記憶喪失していました・・笑 とにかく、脳が停止してしまうのを防ぐために手を動かしていました。笑 タイピングしてないと忘れちゃう・・みたいな・・笑

そもそもプロジェクトが忙しいタイミングで戻っているので業務量も多く、夜中2時に授乳で起こされて、「ああプレスリリースの続き作らなきゃ・・」と次の授乳タイミングまで夜中そのまま仕事することもしばしば。意外とそういうときって次の授乳タイミングが2時間後にやってきたりして、4時頃また体力と睡魔の限界を迎えて寝落ち・・みたいな感じでした。授乳をして体力も奪われるので寝れない✖️体力なくなるのダブルパンチは今思い出しても大変だったな…

慣らし仕事期間は記憶喪失で体力的にも辛かったのですが、徐々に生活に慣れて体力がついてきて、後半は同じようにはなりませんでした。また9月のピーク時は正直アドレナリンも出ていたので無理ができたところもあり、10月再びお休みに入った際には1ヵ月くらい、無気力でなにも出来ない状態が続きました。

搾乳が大変

私が完母で育てていたことが大きな要因ですが、胸が張ってしまうので搾乳機を外出時は会社に持っていって、4~6時間くらい授乳できないときはトイレで搾乳していました。
撮影で外出した際は一刻も早く帰らねばならなかったので、帰りの電車のトイレの中で搾乳したり・・これを逃すと本当に胸が痛くて・・・(授乳室みたいに搾乳できる場所がもっといろんなところにあるといいのになあとこのとき思いました)

しかも夏だったので、搾乳を捨ててしまえばよかったのですが息子に少しでも離れている間に飲めるものを・・・と思っていたので保冷バックと保冷剤を持ち歩いて保存したり。毎度荷物が多すぎて、「これから旅行にでも行くんですか?笑」みたいな感じでした。笑

余談ですが、9月は忙しすぎたのもあってか、母乳の量が減ってしまい、搾乳が不要になったタイミングも実はありました。

復職に向けて海外の搾乳機を新たに購入しました。両胸同時にハンズフリーで搾乳できるというもので、結構お値段もしましたが、そのまま搾乳ボトルを保存できたし、すごい良かった。

出社業務や外出時間が毎日シンデレラタイム


哺乳瓶が嫌でミルクが飲めない息子が私と離れているときにどうしていたかというと、ひたすら泣き続け、とりあえず抱っこして寝るか、我慢の限界を迎えて諦めてミルクを飲むか、の戦いでした。笑(この時期を乗り越えた夫は本当にすごいと思う・・笑)

そのため、できる限り早く帰ってきてほしい・・!というのが息子と夫の切実な願いであり、「◯時までに帰るから・・!」と汗だくになりながら会社と自宅を往復する日々でした(もちろん毎日出社していたわけでもないのですが)

幸い、自宅から会社までは片道30分と近い距離に住んでいたので、午前中だけ出社して帰宅、ということが出来ていたので、なんとか完母でもやっていけたのかもしれません。

ダッシュで帰宅していると自宅から夫と息子の自撮り写真が送られてきたりして、「ご機嫌で2人で遊んでるから気をつけて帰ってきてね」と連絡をもらって安堵したり。夫、息子との自撮り写真多めです。笑

短期間でも職場復帰したことのメリット

大変だったことは思い出せばあれもこれも・・・とはなるのですが、仕事ができたことで達成できたこともあります。また副次的なメリットだと思うことも記載してみます。

産後うつになりかけていたところから脱出

実は産後、里帰りせずに夫と2人で育児を奮闘していたこともあり、産後のホルモンバランスの変化も激しかったのか、産後うつに片足を突っ込んでいたな、と思うことが多々ありました。

子どもが可愛いと思えなくなり、夫が仕事に出かけて1人になると不安で動悸が激しくなったり、泣いている我が子を見ても何もできなくなってしまったり・・・育児を楽しそうにやっている友人を見て、どうして同じようにできないんだろう、と悲しくなったり。突然理由もなく涙が止まらなくなったり、助けてくれるはずの母が憎くて腹が立って仕方なかったり・・・エピソードを思い出せば出すほど、やっぱりあのときの自分はおかしかったよなーと思うことが沢山あります。

正直なところ、生後3ヵ月での職場復帰は育児の全責任を担っている今の状況から逃げたいという動機が1番大きかったです。そして自分でコントロールすることはできない他人=息子ではなく、自分がコントロールできる仕事にパワーを割くことが出来たほうが圧倒的に自分も楽しく、外の刺激が良いリフレッシュにもなりました。また逆に、仕事の難題も多く、行き詰まるときや大変な局面での息子の存在は癒やしでしかなくて、育児と仕事の両方あったほうが、自分には合っているかも、と思えた瞬間でした。

母も水曜日は家に手伝いに来てくれたり。どうしても上手く頼れなかった私は仕事が良い言い訳になって母にお願いできるようになった気がします。

夫が育児をなんでもできるようになった

個人的にこれが1番のメリットで(笑)、夫に育児をすべて任せることができるようになったのが本当によかったなと思っています。

元々、子どもが生まれる前から育児の方針として「2人の子どもだから、どちらが育児を負担するのではなく、一緒に2人3脚でやりたい」と話していて、病院での立会いも、産後一緒に病院に宿泊してくれたり、産後1ヵ月自宅にいてくれたり、積極的に育児に参加してくれていました。

ただ、それは同じ目線で、同じ立場で進めるというよりどうしても「どうやってやったらいいか教えて」「手伝う」「参加する」といったような、どこか主体性のない育児の協力体制だったことに不満もありました。(きっとこれはどのご家庭でもあるあるなのではないでしょうか)

私が仕事に復帰したことで育児の主導権を握る時間が夫にもでき、仕事をしながら育児をするというチャレンジを夫も一緒に挑戦してくれました。自分で会社を経営しているので、ここまで振り切らない限りもしかすると育児に対して積極的に関わってもらえなかったかもしれないなと思っています。

実際には、平日夫も仕事を完全に休めたわけではないので、息子を抱っこしながらミーティングに出てくれたり、バウンサーをひたすら揺らして息子を寝かせている間にできる仕事は終わらせたり、私が息子を授乳している間にメールを返したり、とても大変だったと思うのですが、いろんな工夫をしてくれていました。夫とこのnoteを書くにあたり、当時を思い出して色々と話してもらったのですが、子供を見ながら何かをしようと思ってもメール一本すら返信ができなくて、本当に大変だった、と話してくれました。

結果、息子と一緒に過ごす時間が私と夫と同じくらいになり、夫でも寝かしつけができたり、夫の抱っこで泣いてしまうこともなく、私でないとできない育児が母乳をあげることくらいで、育児の負担が気持ち的にも以前よりも減りました。

まだ寝返りもできない頃の写真。ソファに置いてご機嫌がいいのは10分もありませんでしたが、仕事をしている横で見つめている息子がとにかく可愛すぎる。(親バカ)

育休からスムーズに復帰できた

保育園に入り、本格的に仕事に復帰してから感じたことですが、短期間でも仕事に復帰していたことで、久しぶりの仕事となるよりも記憶的にも心理的にもハードルが低く、仕事と育児を短期間でもやっていた経験が今に生きているなと思うことが多々あります。

例えば、3ヵ月間の復帰の時は仕事をしていた自分から、育児をする自分に脳みそや役割を切り替えたりすることに最初はとても疲れたり、戸惑ったりしていました。また我が家は土日も夫が仕事でいないので、息子と2人きりだと平日の仕事の疲れが土日リセットされない前回の復帰時の教訓を活かして、土日は積極的に実家にお世話になったり。

子供の成長とともに増えていく新たな壁やトラブルは、いつになっても最初は大変だなと思いますが、今回本復帰したときは以前の経験値があったので事前に予測がつき、保育園の送り迎えや保育園の洗礼(体調不良)、新生活の家事役割分担という新しい課題を、夫婦で事前にかなり具体的に作戦を立ててクリアしていけました。これは3ヵ月の復帰期間を夫婦共に(そして息子も共に)乗り越えられたことが経験値だけでなく自信にもなっていたのかもしれません。

4月、週末に夫の実家に帰った時の写真。いつのまにか歩くようになった息子とみんなで公園に遊びに行きました。

やりたかった仕事を諦めない選択肢ができた

そして何より、やはり妊娠がわかってもやりたいと思っていた仕事を諦めない選択肢ができたことが、1番のメリットでした。仕事に対する自分のモチベーションを1番保てた方法でした。もしかしたら産後早々に仕事には復帰しない、という選択もしていたかもしれない。ただ、仕事に復帰できる選択肢がそもそもなかったら、途中でプロジェクトも投げ出したくなるような、悔しい気持ちでいっぱいだったかもしれません。

私の働き方が実現できたのは職場の理解と協力のおかげ

私の今回の働き方は、職場でも異例の、初めてのケースでした。そして事前にいろんな方からお話を伺っていただいた「職場に迷惑だと思う、そうすべきではない」という意見もごもっともだと思っています。

ただ、私がその方法を検討していたときに、声をかけていただいてすごく嬉しかったのが、すでに高校生くらいのお子さんを育ててらっしゃる、ずっと育児と仕事を戦ってきた職場の先輩ママさんからの温かい応援メッセージでした。「制度はどんどん活用していかなきゃ!」と前向きな言葉をかけてくださったり、他の方も「時に厳しいことを言われることもあるかもしれないけど、自分が頑張りすぎたらダメよ」「周りにちゃんと頼って協力してやるのよ」「とにかく寝ること!」とか、いつも気にかけてくださる方もいらっしゃいました。

そして在宅勤務をメインにさせていただいてたので、出社業務を代わってくれたチームメンバーや、私の状況をいつも心配してくださった上長、社長、チームメンバー、私の復帰を喜んで迎え入れてくれた会社の同僚たちの理解があってこそ実現できたこと強く感じています。「短期間での復帰がみんなの迷惑になってしまったら・・・」と不安に思っていたのも事実です。

正直なところ、今思い返してみても生後3ヵ月の息子と一緒に、寝る時間も惜しんで無我夢中で働いたこの期間は本当に大変なことも多かったです。3ヵ月という短い期間の復帰だったから無理できたことも多く、決して同じように働いてほしい、とは私は思いません。私のケースがみんなに当てはまるわけではないと思います。もし、同じ職場の方で迷っている方がいらしたら、家庭の状況や子育ての方法は子・人それぞれ異なると思うので、個人の考え方を強要せず、ぜひそれぞれの考え方を尊重してあげて欲しいなと私は思います。

終わりに

復帰の結果は、プロジェクトは成功し、無事にローンチを迎え、PRでも期待以上の成果を残すことができました。プロジェクトを共にした前任マネージャーにも「戻ってきてくれなかったらプロジェクトは無事に終えることができなかったと思う、本当にありがとう」と言っていただけて、みんなの迷惑にならなくて良かった、と心の底から嬉しく思いました。やりたかった仕事を悔いなく、自信を持ってやり切った!と言えるような結果を出せて、この選択をして私は良かったなと思うことができました。

大変だったけれど、家族3人(息子と夫)で乗り越えたこの期間は家族の絆もより深めることができたと思うし、仕事復帰を応援してくれて、協力してくれた両家の祖父母との距離も近くなり、2度目の育休に入ってからも、本復帰した後も頻繁に会うことができるようになりました。

新居に遊びに来てくれた夫の母、叔母、姉、従兄弟と姪っ子甥っ子。改めていつもサポートしてくれる家族に本当に感謝しています。

子育ても仕事も決して1人ではできない、チームワークだからこその大変さもあるけれども、チームワークだからこその楽しさも味わえた3ヵ月の短期復帰でした。

私が先輩の経験談に背中を押してもらったように、この記録がまた誰かの背中を押してくれたら嬉しいなと思います。私に関わってくださった全ての人に感謝の気持ちを込めて、ここに記します。

本当にありがとうございました!

チームのみんなから最終日にいただいたメッセージとプレゼント。こちらの方こそ、感謝の気持ちでいっぱいでした。

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