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コアなイタリア郷土料理とコアな国産唐辛子の話をしよう。
今回は記事にレシピはありません。
イタリアの思い出の郷土料理と、その地域についての記事とおすすめ食材のお話になります。
長文なのでお時間ある時に読むのをおすすめします笑
お久しぶりでございます。
正月明けからあれよあれよと世の中が再びざわつき、職場関係から学校から子どもの習い事からあちこちで陽性者の連絡届き予定がバタバタ変更となり、対応がめまぐるしいこの頃。
我が家はなんとか無事に過ごしておりますが、こうたて続けに報告が届くと、いよいよ身近に迫って来た感じがして心身共に疲弊しますね〜。
皆様もお身体ご自愛くださいませ。
さてさて、毎年の年末年始は大体子供と一緒に帰省して、実家でお正月を過ごす事がほとんどだった我が家ですが、ここ2〜3年帰省できておらず、自宅で年越しをしております。
それで、実家で過ごすにしろ自宅で過ごすにしろ、3が日はあんまり手の込んだご飯を作りたくない(というか、作る習慣が無い?)我が家。
実家では大晦日までに母は数種類の簡単なおせちとぜんざい用に小豆を煮たり、親戚のおばちゃんはモツ煮を作ったり、ある程度の正月準備をして新年を迎え、三が日はお雑煮やその準備した色々をつまみつつ、のんびり過ごすのが常って感じでした。
私もそんな習慣が染みついているようで、帰省しない年は大晦日までには正月用に簡単なおせちや煮込み系等、何かしら仕込んでいます。
昨年仕込んだのはトスカーナの郷土料理リボリータのインゲン豆無し版でした。
何故インゲン豆無しなのか気になる方は記事をご覧下さいませ。
さて、今年は何を仕込もうか。
この頃まだ年明けの三が日過ぎから帰省する予定があり、あんまり色々冷蔵庫に抱えたくなくて食材が少なかったのと、大鍋に大量に仕込むとなると、じっくり煮込む料理の多いイタリア郷土料理って作りやすくて、今年もトスカーナ郷土料理である煮込みにする事に。
今回作った煮込みの名前は scottiglia(スコッティリア)と言いまして、イタリアのトスカーナ州グロッセート県セッジャーノという地区のさらに局所のペシーナと言う地域で作られているお料理です。
当時の写真あったかな?と思ったけど、全く撮っていなかったので(基本的に私は仕事中のお料理は写真に収めないもんで、現役時代の料理の写真ってほぼ無いのです…。)先日私が作った写真のみのせてます。
リアルなスコッティリアが気になる方はscottigliaで検索したら色々出て来るかもしれません。
このPescina(ぺシーナ)って言う発音が、日本人には発音しやすいはずのイタリア語ですが難しいのか、シエナでバスの切符を買うたびにいつも同じ販売員のおばさんに、
「はぁ?Piscina(ピシーナ)⁇そんな地名知らないわ!」
(ピシーナはイタリア語でプールの事)
と、言われて、毎回毎回このヤローって思って帰りのバスチケット買うのが嫌になってた思い出深きトラウマな地名でもあります笑
![](https://assets.st-note.com/img/1642901645274-C3wVJeN2gg.jpg?width=800)
中も珍しい装飾でとても綺麗です。
そんなぺシーナ地区のスコッティリア。
鬱蒼とした山林に囲まれたこの地域では色んなジビエを目にする機会も多く、猟が解禁される時期には夜に獣を追い立てる猟犬の鳴き声と銃声が聞こえて来る事もありました。
そんな土地柄ならではなのか、このお料理には色んな種類の肉を細かくしたものが使われます。
詳しく説明しますと、使う肉は豚、牛、猪、雉、うさぎ、アヒル、羊等。
いろんな種類の肉を細かくしたものや骨つき肉を加えて赤ワインとトマト、唐辛子で辛味を効かせて煮込み、薄切りパンを浸したりして食べるスープっぽい煮込み料理の事を指します。
今思えば、なかなかクレイジーな品数の肉を使っていて、元々は貴重な肉を余す事無く使い切るための工夫から生まれたお料理なんだろうな。
とも思いますが、トスカーナで働き始めて割と直ぐに教わったし、トマトで煮込むお料理が多いこの地域では一般的なお料理のイメージがあって、そんなコアな郷土料理とはつゆ知らず。
しかし、そんな一般的な煮込み料理の印象のあるスコッティリアさえ、こんな小さなコミュニティなのにイタリア郷土料理あるあるがもれなく発動し、作り方は人それぞれ。
レストランでシェフが作っていたのはほぼ上記の感じですが、鶏は骨つきで入れて、煮込んでから骨を外したりしていた気が。
そしてミートソースのようにじっくりコトコト煮込みます。
仕上がりは真っ赤なオイルが表面に浮き上がるくらいオイリーで、じっくり煮込んだ深みのある味わい。
一方、シェフのマンマは肉は骨つきの鶏肉(うさぎだった事もあるかな?)と適当な挽肉少々(多分牛豚合い挽きとか)でトマトを入れたらサラッと煮込むだけでトマト感が強めなかなりあっさりした仕上がり。
どっちもスコッティリアと言われたら初めて見る人は混乱するかもしれませんね。
とは言え、日本で色んな種類の肉を用意するのは大変なので、私が日本で作るのは、材料はマンマ寄り、作り方はシェフ寄りな感じにしています。
骨つき肉は鶏手羽がベストな気がしますが、無ければ手羽元でも。(今回は手羽元を使用しました)
あと、今回は使い切りたいマッシュルームがあったので刻んで入れちゃいましたが、普通は入れません。
マッシュルーム入れたらやっぱりちょっと違う仕上がりになりました笑
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ハーブはローリエ、ローズマリー、サルビアを使用します。
この後赤ワインやトマトなどを入れて煮込む訳ですが、今回スコッティリアにしたのは、試してみたい食材があったからって言うのもありまして…。
それがこちら。
香川県の離島で島旅農園を営まれているからちゃんさんが作った香川本鷹です!
写真だと伝わりにくいかもしれないのですが、普通の唐辛子と比べてぷっくりと大きく、ツヤツヤピカピカ!!
青は爽やかでピリっと来るシャープな辛さが、赤は辛味の中に甘酸っぱいようなフルーティさがありそれぞれ個性が感じられてとっても美味しい!
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唐辛子の説明です。
からちゃんさんの香川本鷹の説明から一部引用させていただきました。
↓
島原産の古来から伝わる作物幻の唐辛子「香川本鷹」
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に拝領したとされる唐辛子は、古くから「さぬき広島」を含む塩飽諸島で栽培されてきました。
他方で、現在は少子高齢化の波に押され、さぬき広島で唐辛子を本格的に栽培しようとしているのは私だけになっています。
この唐辛子の独特の爽快感や涼しげな香りをぜひ一度皆様にも味わってほしい。純粋にそう思います。
この唐辛子もごく限られた地域で、僅かな農家さんが作られている、かなり稀少な農産物なのね…。
届いた唐辛子は早速刻んで餃子に入れたり、刻んで赤青ミックスして酢漬け、オイル漬け2種作って楽しませてもらいました✨
刻んで漬けた写真を撮った筈なのに見つからなかったので、口頭で説明しますと、
半分に割って種を軽く取り、1mm幅程度に刻み、酢、又はオリーブオイルをひたひたに注ぎます。
唐辛子なので刻むときはゴム手袋をして推奨です💡
以下、香川本鷹との素敵な時間を過ごしたお料理達↓
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これに更に刻んで酢漬けにしたのをつけて食べたら程よい辛味で餃子の無限ループの完成よ。
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唐辛子オイルを足してパスタにするところ。
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このソースにもフレッシュなピリ辛感が良く合う。
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甘めなソースに唐辛子オイルの爽やかな辛みが良いアクセントに。
とにかくこの刻みオイルと酢漬けが、辛いお料理作れない我が家には、辛さを個別にプラスするのにドンピシャに重宝して、ほぼこれで使い切ってしまいました!
何にかけても美味しいのです♪
それで、それとは別に赤いのを数本残してスコッティリアに使いたくて冷蔵庫で大事に保管しておりました。
カビたり痛んだりしませんように…と、ドキドキでしたが年末まであのツヤツヤピカピカを保ってくれてました!すごい✨
もちろん乾燥させれば年末まで難なく保つのですが、唐辛子って乾燥させると辛味が強くなるような気がして、そうなると辛いのNGなうちの子が食べられなくなるかな?
でも、唐辛子の香りと辛味はある程度効かせたい。
って考えた時、この生の赤い香川本鷹の、フルーティな辛さは良い塩梅に仕上げてくれるのでは?と、思い至りまして。
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本来なら最初に加熱してオイルに香りと辛味を移すのだけど、辛くなり過ぎたら本末転倒なので、とりあえず2本ほど煮込み段階で入れてみました。
辛味は食べる段階で、大人だけ刻み唐辛子足しても良いし。なんて思って。
結果的に、辛味はほんのり辛味を気持ち感じるかな?くらいな穏やかな仕上がりになったので、子供も美味しく食べられました!
子供も徐々に辛みのあるお料理に慣れてき始めたので、次にまた手に入ったら今度は乾燥唐辛子で試してみたいなぁ。
そんなこんなで、大晦日はこのスコッティリアを味見で少々と蕎麦、申し訳程度に仕込んだおせちでサラッと晩御飯に。
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そして年が明け、元旦早々の晩御飯にスコッティリア。
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因みにこの煮込みにはパーネトスカーノがとても良く合います。
煮汁は結構シャバシャバなので、無塩のパンに吸わせてあげるといい塩梅に。
そんなわけで、思わぬ巡り合わせにより邂逅を果たしたスコッティリアと香川本鷹。
どちらもあまり広くは知られていないものですが、それぞれその土地で古くから愛され続けた良さがあり、その土地に暮らす人々に思いを馳せられるとても魅力的なものだと思いました。
これからも長く受け継がれていって欲しいお料理と食材、皆様も機会があればぜひ。
からちゃんさん、美味しい唐辛子をありがとうございました!
ではでは、お読みいただきありがとうございました~!
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