朝散歩をしたら、満たされた話

1日一つ、新しいことをすると決めている。

朝の空気が気持ちよくなってきた。朝、なんとなく身体がだるくて、いつも通りの時間に起きられなかった。休みの日だし睡眠は大事なので、そんな日もあると受け止める。

家族の朝御飯を用意して、片付けをして、洗濯物を干す。家事を減らすために乾燥機付きの洗濯機を使っている。夜お風呂の後にスイッチを入れて、朝起きたら乾燥まで終わっている洗濯物をたたむ。

一回の洗濯で終えることができなかった洗濯物は、天気がよければ、朝洗って干すことにしている。

今日は雨だと思っていたら、思いの外澄んだ空。洗濯物を干すためにベランダにでると、運動会の朝のようなひんやりして気持ちのよい、明るくて晴々とした空気に触れ、前向きな気持ちになる。

朝の散歩をしてみよう。

朝の散歩といえば、大学時代にカナダにホームステイに行ったとき。新しい世界にワクワクして冒険に繰り出したくて、じっとしているのがもったいなくて、あてもなく知らない土地を散歩して回った記憶。

そんなことをふと思い出しながら、いつもより前向きな気持ちで洗濯物を干すのを終えて、早く家をでないともったいないような気持ちで急いで家事を澄ませて外にでたのが午前9時30分。

少し陽が登って、影のないところを歩くと、暑くて皮膚が少し痛いけど、風はまだひんやりとして気持ちよかった。数日前の夏とは違う風。

風が気持ちよくてそこから色々感じれたことで、1日特をしたような満足な気分。子供達は歩いて外にでると、いつもは家から5分の公園に向かうけど、今日の目的は散歩と言い聞かせて理解して違う道を歩いてくれた。散歩は近所にある大きな公園(調べるとなんと東京ドーム30個分近くあるらしい)をいつもとは違うルートで歩くことに。

外にでると情報が溢れていて、感じるのに忙しく、それだけで刺激的。子供達も歩いているだけで満足げで、その表情を見て「散歩に連れてきてよかった」と思う。

公園には、散歩やジョギング、サイクリングをする人など、朝から活動する人たちの多さに驚きながらも活力をもらう。

鳥や虫の声や、木々や草や空の色、目に入ってくる景色から季節が移り変わる様子を感じることができた。

「つくつくぼうしがまだ鳴いている」

「あの綺麗な可愛い鳴き声は秋の虫の声」

「池の近くにシオカラトンボが飛んでる」

「あの木の葉の裏に、せみの脱け殻がまだ2つ仲良くならんでいる」

田舎育ちの私は、自分が意外と虫に詳しいと、この前田舎育ちでない旦那と話していて気付いた。当たり前のように知っている、父や兄から聞いた昆虫に関する情報を、虫の気配を感じる度に子供達に伝える。

この年で自分の中に眠っていた新たな才能を発見し、それを活かす機会が目の前にあり、その情報をそのまま受け取る息子の姿を見て、少し誇らしいような嬉しいような、過去の経験が価値のあるものと肯定されたような気になる。

子供達は家にいるとテレビばかり見て、暴れたり喧嘩をしたりしては怒られる。でも今は、主体的に自然や景色を受け止めようといきいきしている。いつもより子供たちが仲良く、手を繋いだでみたりしている。家の中で手を繋いでいる様子は一度もみたことがない。互いを気遣いあったりする様子もあり、どこで何をするかでこんなに様子が違うものかと驚く。

沢山の驚きや発見がありいつもと違う経験をして、家に戻る頃には家を出てから55分が経過していた。

たった55分の朝の散歩。非日常を感じる体験。

家に帰った後の子供たちを見守る自分自身が、いつもより穏やかだった。

散歩をするなら、断然朝をお勧めしたい。

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