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選択肢などいらぬ

宅の7才の娘。
これが私が言うのもなんですが、かなりの自由人で個性的です。
子供だから?それとも性格だから?
ともかく娘と会話しているとおもろく、
それでいて色々…気づかされたり、考えさせられることもあります。
今回はそんな娘の話。というか、観察日記に近いお話。

ある日のやり取り。

ふと娘に「AとBどっちにする?」と聞いたところ、娘から秒で
「どっちもイヤ」と返されました。
その時は我が子ながらめんどくさい奴だなーと思ったのですが、後から素で第三の選択肢を出してくる娘ってちょっと凄いな、と思ったのです。


少し説明から入りますが「二分法の誤謬」ってご存じでしょうか。
簡単に説明すると、極端な2つの例を挙げて相手にその限られた選択肢しかないと思わせて正常な判断をさせにくくする、または提示した側に有利な判断をするように誘導してしまうという方法です。

「AとBどちらがいい?」と尋ねた場合、無意識にどちらか一方を選ばなければいけないという意味を踏まえての2択として受け取ってしまいます。
簡単に言うとそれが二分法の誤謬。

実際はA・Bどちらも、またはA・Bどちらでもない、もっと言えばCだのDだのと選択肢は無数にあってもおかしくはないような状況なのに、「AとBどちらがいい?」という質問の仕方は無意識にAかBのどちらかを選ぶことを強要しているのです。
そして多くの場合はそう問われると、AとBのどちらかから選ばなければいけないと思ってしまうので他に選択肢があるということにすら気が付かない、まさに無意識のうちに誘導されているのです。

とはいえ。
多くの人が「そんなうまいこといかへんやろー」と思うのですが、これが交渉相手との情報格差やパワーバランスがある場合は、思いのほか簡単に相手を誘導することができてしまったりするんですよね。

たとえば親子の場合などは顕著で。
毒親という言葉ももうすでに一般化されていますが、親が子を思い通りに誘導したい場合も多くは、この二分法の誤謬を使ったりしています。提示した選択肢のどちらを選んでも提示した側にとっては大差はなく、相手に他に選択肢がないと思わせることが本来の目的だったりもします。
こういうと厄介さが少しは分かるでしょうか。

まぁ、これがいわゆる「普通は」ということなんですけど。

質問に対してナチュラルにしかも親に対して秒で
「どっちもイヤ」と返してくるあたり、我が娘ながら凄いなぁと思いまして。質問したこっちは当然AかBのどちらかで答えてくると思って予測していたので全く裏切られる、さらには他の選択肢をこちらが提示しなければならないという窮地に立たされるなんて。ほんま、予想外でしかなくて。

そこはまぁ、子供なのでそもそも選択肢を聞いていない(深く考えていない)可能性もあるのですが、それでもその場の雰囲気に流されずに自分の結論を出してくるその姿勢は尊重したいと思うのです。

ここぞとばかりに無茶ぶりしてくることもありますけどね!
やっぱり深く考えてないだけかな…

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