「ブラックパンサー」ワカンダフォーエバー!
ふんわり情報
2018年公開、ライアン・クーグラー監督、主演チャドウィック・ボーズマン
キャッチコピーは「国王とヒーロー…2つの顔をもつ男。」「国王として守るか? ヒーローとして戦うか?」
スーパーヒーロー映画として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされた。
感想
MCUの他の作品と比べても単体映画としての完成度がとても高い。というのも、他のアベンジャーズメンバーは一切関わってこないのだ(ポストクレジットで一瞬出てくるけど、その程度)。=他の作品を見ていない人でも楽しめるようになっている。
ではそんな今作では一体どんなことが描かれているかと言うと、MCU内で最強の金属として扱われているヴィブラニウムが唯一採掘されるワカンダというアフリカの小国におけるストーリーである。
基本的には世襲制(一応他の者たちにも挑戦権はある)の政治体制をとっていて「前時代的だなぁ」と思った矢先に、豊富なヴィブラニウムの利用・開発による超近未来的なワカンダの都市を見せつけてくる、このアンバランスなバランス!しかしワカンダはヴィブラニウムの存在を世界に知られないようにするため、表向きは貧しい農業国のフリをしている。いかんせん技術力がとても高いので、その街並みすらも立体ホログラムで覆いただのジャングルに見えるようにしているという徹底ぶり。そう、ワカンダは超絶保守的な国だったのだ。過去形にしておく。
エリック・キルモンガーは一応敵として現れるんだけど、果たして本当に一方的な悪なのか?と問われると返答が難しい。もとはと言えば、ティ・チャラの父親ティ・チャカがエリックの父親であるウンジョブを殺害した事実があるからで、なぜティ・チャカが実弟ウンジョブを殺したかと言うと伝統通り保守的でいるか、それとも自国の利益のみではなく他国にもその恩恵を分けて救う革新的な行動を起こすか、という政治的思想の相違から。実弟を殺してしまうほどに保守的なのか…まぁでも一国のリーダーともなれば何を優先すべきか、そしてその優先度合いはどの程度か、というのを選択するのは大変なんだろうなぁ(と、思う平民)。
復讐心に燃えるエリックがワカンダを脅かす存在であることは間違いないのだけど、彼の境遇を考えるとなんとも…。『ジョーカー』を見た時も思ったけど、生まれながらの悪人ってそうそういなくて、環境によってそこに転がり落ちていくものなのかなぁと改めて思わされたキャラクターだった。
最終的にティ・チャラは国連の場で自国の知識と資源を世界と共有することを表明。「実際には違いより共通点の方が多いのです」「人類は1つの民族として生きるのです」という彼の言葉は、監督をはじめ出演俳優のほとんどが黒人であるこの映画だからこそ出てきたのだろうし、そして重みもある。
この映画は、衣装やセットなどからもワカンダという架空の国を通してアフリカへのリスペクトが込められている。
2020年8月29日、ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマン急逝のニュースが走った。
癌を患い、撮影の合間に手術や治療を受けていたらしい。まだ43歳…もうあのかっこいいティ・チャラが見られないと思うととても悲しいです。
まとめ
ストーリーがしっかりしてたのはもちろんだけど、ワカンダの発展ぶり&シュリの天才ぶり(なんとトニー・スタークより賢いらしい)にもワクワクさせられたし、ブラックパンサーのビジュアルのかっこよさとその強さにも胸が躍る!!
戦闘の直前にティ・チャラが言う「ワカンダフォーエバー!」が本当にもう、格好良い!
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