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①『私の遺品お願いします』


長編小説の参考文献、記念すべき1冊目です。

タイトル『私の遺品お願いします』 著者:吉田太一
出版年:2011 出版社:株式会社幻冬舎

こちらは実は、すでに半分ほど目を通している文献ですが、おさらいです。
(すでに執筆した分に結構活きてます)

まずは、何を調べなきゃならないかですね…
これを先に整理しておかないと、読む意味あんまないです。
もちろん、新しい発見・知見を欲して読んでいるという面もありますが、小説の構成において足りない部分は適宜補完していかなければ、永遠に骨組みはガタガタのままです。

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調査項目は以下です。
・生前にどんな契約を交わすか(生前、老人ホームに入る場合は?)
・遺族の方にどのようにお伝えするか?
 契約自体、生前に遺族の方に話が通っていないイレギュラーな場合の伝え方は?
・見積もりの仕方は?(想像で補ってもいいけどもうちょい参考ががほしい…)
★実際の作業内容は?(ここがまだ補完できてないとこ!!)

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今回、実際の作業内容が補完箇所のメインどころですね。
契約・見積もりについてのシーンはすでに執筆済みなので、さらに加筆するべきか否かの観点で検討すべきでしょう。

ただ、見積もりについてのシーンもあんまり気に入ってないんですよね…
割とド頭のシーンなのに、なんかテンポが悪いしつまんない!!!
なにが悪いんだ……っ! 

自分で分析してみてますが、内容云々の前にキャラクターの深堀ができてない感あります。大人なキャラクターほど、動かすのって難しいです。
特に「両親」っていう存在ってめちゃめちゃ書きにくいんですよね……「親」っていうものの共通イメージというか、プロトタイプ的なものに、安易に当てはめてしまいたくなります。


無駄話はさておき、本編に入りましょう。

まずは、この本の著者について。
実は吉田太一さんの著書は、参考文献としてこれ以外にも購入しています。『遺品整理屋は見た!』シリーズの著者でもあり、前回の参考文献リストの後ろの方に2冊ほど記載したと思います。

著者の吉田さんは、遺品整理業のサービスを先駆けて始めた方として、テレビ放送など、メディアにも出ていらっしゃいます。
まったく前例もノウハウもない状態から、この業種を確立していったいわばパイオニア的な人なんです。

遺品整理業は、近年どんどん増えているのですが※、案外業種の歴史としては浅いみたいなんですよね。
※(私が実際に取材に行った際に業者の方がおっしゃっていたこと。実際にブラウザで調べてみると、身近な場所でもかなりの数の業者がヒットするはずです)

本書は、遺品整理業のなかのさらに事前相談の部分にフォーカスしたルポルタージュです。
数々の依頼を受けてきた吉田さんが、なかでも印象的だった依頼者とのエピソードを、32つ紹介しています。私はその中から厳選して記していきます。


まずはこの章。
『身内がいるのになぜ予約をするのか?』

核心すぎる……。そこです、私が知りたいのは。
小説では、主人公の祖母が亡くなって遺品整理業者から電話がかかってくるところから話が始まります。そして、家族(遺族)はその依頼を知らなかった、という前提がありうるかを調べたいのです!

ここで私にとって、重要な言質がいくつかとれました。

●身内に内緒で、生前に遺品整理を依頼されたい方は意外と多い。
●できれば身内の方に同席いただいた上での契約を推奨しているが、それがかなわない(依頼者側がしたくないとおっしゃる)場合がままある。
●事前相談後、遺族側から(もしくは遺族側の合意が取れなかった依頼者本人から)キャンセル依頼が入ることもままある。
が、たとえサインしてても見積もり後のキャンセルは全面的に承っている。

あくまで吉田さんの会社のお話ですけどね。
ですが、この事実はしっかり執筆に活かさせていただきました。

そしてなぜ、身内がいるのに依頼するのか、という話ですが。
理由は様々でしたね……。ですが一番近いのは、

●身内に面倒をかけたくないと気を遣ってしまい、頼みづらい

あたりですかね。うーん、まあ死人に口なしですし、主軸にはそこまでかかわらないので、ここはそこまで詰めなくてもよい部分ではあります。あとは生きてる側の人間にうまくしゃべらせておきましょう。


次に参考になったのは
『姉弟で申し込んでもいいのでしょうか…』の章です。

ここでいくつかわかった事実。

●葬儀屋さんから依頼がくることがある。(これはたぶん使える!)
●生前整理の場合、「見積り」というより、暫定的な目安の提示(そうだったのか…)

ふむふむ。エピソードはともかく、この事実はメモっておこうと思いました。おそらく2章以降にも活かせそうな予感がします。


次です。
『老人ホームの入居者からの依頼』

きた!!! 私が想定しているパターンがこれです。
老人ホーム伝手に依頼がきて、死亡通知も老人ホームから業者へ入る経路を想定しています。まあ、ある程度想像で補っていいのでしょうが、実際どういった事例があるかは知りたいところです。

まず、老人ホーム関連の依頼では3つパターンがあるということ。

①老人ホーム入居時の自宅の事前整理
②老人ホームにいらした方の遺品整理の依頼(つまり亡くなられたあと?)
③老人ホームに入居中の方からの依頼

私が想定しているのは3つ目のパターンですね。

事例を見ると、老人ホームの施設長から「××さんが予約をされたいそうですが、こちらまできていただけますか?」というような電話が入り、吉田さんが実際に老人ホームへ足を運んでらっしゃいました。

そしてここで、私も見落としていた部分がありました。
依頼者がお金を先に渡しておきたい場合、です。
そうですよね……身内に迷惑をかけずに整理しておきたい場合、予約・見積もりだけでなく、お金に関しても遺族に負担かけさせたくないはずです。
身内に内緒で予約した場合、死後お金は丸投げの形になりますからね…

ですが、肝心の答えはNOのようです。
法律上、業者が先にお金をあずかることができないとか。
うーん、これも重要なところですね。
この事例の対処としては、その金額ぶん封筒に入れて施設のとあるところにしまっておき、施設長にだけその場所を伝えておく。なるほど。少しグレーめなやりとりではありますが、妙案です。
主人公の祖母の場合はどうするだろう……見積もり分のお金をどこかに預けているパターンもありだな。少し検討です。


次。『遺言書はお書きになりましたか?』

なるほど……これは、生前整理において欠かせない項目でありましょう。

事前に遺品整理の相談をされる方で意外と多いのが、葬儀の手配を済ませ、墓地や納骨堂への申し込みを完了されている方

この話は、少しメモしておきましょう。
P108に相続について詳しくのっていたので、念のためそれもメモしておきましょう。相続系のドロドロ話はあまり扱いたくないですが、切り離せる問題ではないとも思います。

あと、気になったのが、依頼される方は圧倒的に女性が多いという話。
これ面白いですね。依頼者の男女比は1:9くらいなのだとか。
以前、遺品整理業者に取材にいったとき、やはり現場は男ばかりなようでしたが、「女手が欲しい」という話をされていました。
現場作業というと、力仕事で体力が要りそうなイメージですが、案外こまごまとした仕分け作業も多いのだとか。それに加え、女性の依頼者が多いなら、正直男だらけの現場より女性がいる方が安心できますよね。
遺品には、下着などの衣類の仕分けも含まれるわけですからね…

主人公(女)が遺品整理の作業を手伝うシーンを入れる予定ですが、ここらへんの話は動機付けとして足しておくのはありな気がしています。


さて。今回参考になった箇所は、こんなところです。
これだけしっかり記しておけば、今日読み込んだ本も時間も無駄にはならないでしょう。

今回のルポは、内容についてかなりかみ砕いて書いてある感じでした。
つまり、わかりやすく書いてありはしますが、ディティールの補強に関しては弱いということです……。

しかも、期待していた「実際の作業についての詳細」についてはほとんど書かれていなかったんですよね。様々な依頼者とのやりとりやエピソードに重点をおいているようだったので。

遺品整理のなかでも、「生前整理」に関する文献はあと2つです。
そのふたつからなにか得られるといいなと期待しています。

いやー、まさにカメの歩み。知識は増えこそすれ本文は一切進まず!!
じれったいですね。
しかし、こうやってnoteにまとめていると、かなり内容が頭に入ってきます。なにかに記すってやはり大事ですね。

では! これにて。


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