見出し画像

きょうだい児の合理的配慮×受験。

中学3年生の娘が利用している通級指導教室から、支援に関するプリントをもらった。
得意なこと、集中して取り組めるもの、苦手なこと、学習面の願い、生活面の願い、それ以外で気になっていること(合理的配慮を含む)、それぞれ感じていることを記入していった。
最後の気になること(合理的配慮)の欄で、手が止まった。

通級指導教室のプリントに、気になっていることを書いた。
小さい頃から少食で、最近やっと食べる量が増えてきたが、給食の量が多いため朝食をわざと少なく食べて登校するので、気になっていることを書いた。
気合いで食べろなんて、今どき無いでしょう。
娘に対する配慮といったらこれくらいだと思う。あとは、自分で出来るから……。


我が家には、配慮が必要な息子がいる。
軽度知的障がいとASD+ADHDと診断ありの特別支援学級に在籍する6年生だ。

国語と算数は、支援学級の先生とマンツーマン授業。
それ以外の教科は、通常学級で授業を受けている。
色んな先生が関わってくれて、療育支援センター、放課後デイサービスなどを利用して、クラスのみんなとコミニュケーションがうまく取れるようになり、みんなと同じように勉強がそこそこ出来るようになっていった。
それでも読み書きが苦手なのと、情緒不安定なところがあり、宿題の量が通常学級よりも少なく、宿題用のドリルもやろうと思えば5分で済ませてしまえるくらいの少ない量。


息子は、その簡単なことを終わらせるまでに、すごく時間がかかる。


一問でも良いから自宅で解いて、毎日提出することを目標にしている。
宿題の量が少ないので、調子がいい時は、5分でササっと宿題を終わらせることが出来る。そんな時は、物足りないと感じて「もう少し進めてみたら?」と息子に宿題をすすめてみても「ここまでって言われたから」と、頑なに気持ちは動かない。

そんな息子の姿を3つ年上の娘は、ずっとそばで見てきた。
「ずるい」と何度も思っただろう。


それでも娘は、コツコツと与えられた宿題を解いている。
中学生になると、宿題の量が増えた。特に夏休みなどの長期休みの期間に出る宿題の量はすごかった。
おまけに、夏休み明けには実力テストが控えていて、勉強内容も難しくなり覚えることも盛りだくさん!

息子が宿題をササっと5分で済ませて、自分の好きなことをして楽しんでいる横で、黙々とひたすら1人で勉強に励んでいる娘の姿が、なんとも言えなくて堪らなくなった。
我が家は子供2人の4人家族、ただ1人だけ一生懸命勉強をしているのは、娘だけ。

娘は、学校の宿題だけでなく公文にも小学校低学年から通い、引越しのタイミングで小学校5年生の終わり頃に公文を辞めた。
辞めた後、娘は好きなこと、夢中なれることに没頭した。
1年間、娘はのびのびと好きなことをして過ごした。


娘が夢中になって樹脂粘土で作ったミニチュアたち。



が、しかし!中学生になると、勉強が複雑になり自分の力だけで勉強するのが難しくなってきて、私は悩んだ。
また公文を再開するべきか、一度解放されるとなかなか戻りにくいのはすごくわかっていた。娘も成績は落ち気味で気になっているけど、またあの頃に戻すことを躊躇っていた。


また1人でせっせと勉強させてしまうのは、見ていて良いものではないと感じていたので、私はハッ!と、とんでもない事を閃いた!


今度は、私が公文に通ってみよう!!と。

私は、中学の時に英語が好きだったけど、途中で先生が変わってしまってから調子が狂ってしまい、好きじゃなくなってしまった。
先生のせいではないけど、好きじゃなくなってしまってもずっと英語の勉強が気になっていた。
この機会に、やり直してみよう!
ちょうど娘が学校で習っている中1レベルからやってみよう!!と思い、以前娘が通っていた公文の教室に入会を申し込んだ。

当時、私は39歳!
ちびっ子と一緒に混じって公文の教室へ通い続けた。
最初の頃は、教室にいる子供たちが珍しい生き物がいるかのようにガン見していた。それもそうだ、大人が子供たちと一緒に混じって勉強している姿は彼らには初めてことかもしれない。
見られていたのは、最初だけでみんなだんだんと慣れてくれて、私も子供たちが集中が途切れないように遅めの夜の時間に通った。

勉強し始めて感じたのは、音読で口が回らない、覚えが悪い、耳の聞こえが子供達よりも遥かに衰えていること。
特に、音読は全然スムーズにいかず、何度も聴いて、何度も口に出して読んだ。私は苦戦しながらも勉強している姿を娘はそばで見ていた。
時々、発音が聞き取れずに困っていると、娘が聞き取ってくれて教えてくれたりした。


しばらく私だけ公文に通い続けていると、だんだん娘も興味を持ってくれるようになっていった。
中1の夏休みに、一緒に通うわない?と誘ってみた。
1人で頑張るより、2人で頑張った方がお互い心強いし、私より娘の方が遥かに英語が得意でもあったので、一緒に勉強できたら私もめげずに続けられそうだと思った。

そして、公文に通うのを辞めていた娘が再び入会して、一緒に通うことになった。

一緒に勉強し始めて良かったことは、娘との会話が増えた、学校の英語のテスト問題を解いてみて、よく分かったね!とか、ここ惜しい!悔しかったね〜!とか、一緒に共感できること。私もテスト問題に挑戦してみたり、英語学習を通じてたくさん娘との関わりが増えたこと!

そして、公文に私が通う始めて2年経とうとしている頃、ようやく私は娘に追いついて、英検3級を娘と一緒に本会場まで受けに行くことが出来た!!


英検3級の受験対策に自作した英単語帳

娘は今年の2学期に、学校で英検3級を受ける予定が入っていたが、チャンスは2度あった方が良いだろうと、受験生でもあるので高校入試の練習に、学校以外の場所で受けるのも勉強になるからと、娘を誘って一緒に挑戦した。


一次試験は、6月。
それまで、春先からずっと英検3級の勉強を2人で頑張った。

試験当日、神社に神頼みをして会場へ向かった。
一次試験の結果が出るまで、完全に落ちたと母子ともに英作文の問題がうまく書けなかったし、リスニング問題は普段練習問題を解いている時よりも間違いが多かった気がして、受かる自信が無かった。


が、見事、母子ともに一次試験合格!!!!!
やっぱり、1人で頑張るより、2人の方がより頑張れる!!!!!


合格の文字を見て、2人で叫んだ!!
高校入試は、まだだというのに、志望校に受かったくらいの勢いで歓喜した!

あの合格の喜びを娘と一緒に共感出来たのは、本当に良い経験になった!!
一緒に頑張ってくれた娘に感謝。

娘は2学期に学校でも英検を受けることになっているので、一緒に同じ級を受験するのは、今回が最初で最後の経験でした。

娘にとって3級の受験は、少し背伸びして頑張らないといけない範囲だったけど、最後まで諦めずに解いたことが結果として合格に結びついたので、大変だったは思うけど本当に良かった!!

私は自前のなんとかなる!なんとかする!精神で、二次試験の面接を受けて、ギリギリ合格〜!!

やったぁ~!!!

そして先ほど、娘も無事に二次試験を合格したことを確認!!!!

やったぁ〜!!!!!!!

ダメだ!!神頼みしかない!!って時に、見守ってくれる神社の楠木。


そんな娘と私のドタバタ受験劇をずっと見ていた息子が、漢字に興味持ち始めて、1学期に習った6年生の漢字は、ほぼコピー。
今まで全く興味が無かった漢字を書けるようになって、漢字テストもほぼ満点。今年は、漢字検定を受けてみようかなと意気込んでいる!!
1年生から5年生まで、漢字の読み書きに興味が無かったので、息子は6年生の漢字しか書けないのが、なんとも言えないけど、テストを受けることに挑戦してみたいと思ってくれてとても嬉しい!

「ママ、俺の時も一緒に漢字検定受けに行こうね!」と、言われ、私は漢字の勉強もしなくてはいけなくなった……。
嬉しい悲鳴。

子供と一緒に勉強をしてみると、子供の吸収力の早さに驚いたり、学校と習い事を両立しながらの大変さ、どんなところでつまづくのか、分からない部分には共感できるし、親から言われてどんな言葉で腹が立つのか、自分が出来なかった事を子供には出来るようになって欲しいと、きつい言葉で頑張らせる親に対して湧き上がる気持ちとか、子供がうまく言葉にできない感情が、たくさん色んな場所で溢れているのを感じ取れるようになった。

また、親が子を応援したい気持ちもよく分かる。
私の子育ての仕方が、絶対正しいというわけではない。

「合理的配慮」という言葉を見て、ハッとした。

一般的な正しい子育てではなく、よその家庭には当てはまらない、我が家だからできる子育ての仕方なのかなと思う。

私が英語の勉強を始めたのは、1人で頑張って勉強している娘の手助けになればという理由と、自分自身の学び直し、頭の体操にもなる、「勉強しなさい!!」が子供達の心に響かないし納得しない、息子が中学生になった時に英語で絶対つまずくと思い、私と娘の2人で息子に英語を教えることが出来る、海外旅行で困らないように、いつかホストファミリーをやってみたい、色んな理由がある。

とにかく、私が学び直しを始めてから家族の会話が増えて、娘が息子に対して優しくなった、きょうだい同士が仲良くなった、勉強に対して前向きになって、それぞれが目標に向かって頑張る事が増えた!!

良いことしかない!


娘と2人でカフェへ行くと、進路の話をたくさんしてくれる。

私が一緒に勉強することで、娘にとっての合理的配慮になっているのかもしれない。娘と息子の間に「ずるい」という溝を作らずに済んだと思う。

今まで登場してこなかった旦那は、私が自分自身の勉強のためにお金を使っていることを何も言わずに好きにさせてくれている。
決して安い金額ではないのに。

家族みんな私の勉強に巻き込まれて、なんか良い感じに成長してる!

これからも、私らしい生き方と子育ての仕方を楽しむ!


サポートしていただいたものは子供達の活動費として使わせていただきます、活動内容は記事にして報告させていただきます。