新生活に知っておきたい「イライラ・怒りをとる技術」
こんにちは。世界中の働くママを笑顔にしたい!
広島から発信する美月です。
もうすぐ始まる新生活。お勧めの本を紹介します。
前者の本は難解で、後者の本はサクッと読みやすかったので、良いとこどりをしてまとめてみます。
「怒りは自分に盛る毒」
古今東西、古の時代から、私達は怒りを悪しきものとみなしてきました。
ロンドン大学の研究では1時間怒り続けた時に消耗する、体力・精神力は、6時間以上免疫力がダウンするという研究報告があったそうです。更にその研究では、他者へのいたわり、慈しみといった感情を抱くと、24時間以上免疫力が高まるとのこと。
またある実験では健康状態の良い男女を集め、戦争のシーンなど怒りを喚起させやすい映像を見てもらったところ、IGA(免疫グロブリンA)など消化器系や尿路の病原体と深く関係を持つ免疫が下がり、心理テストでも気分障害系の点数が増えてしまったそうです。
「怒りのモードには三段階」
そもそも私たちはなぜダウンしてしまうのでしょう?
私達には理性と感情の2つのコンピュータがあります。
慢性的なストレスを抱えてしまうと、脳の司令塔である前頭葉が働かなくなり、論理よりも疲労や感情で動いてしまうようになります。そしてその疲労は段階を追って進み、早いうちに対応しないと大変なことになります。
1段階目(通常の疲労)感情20%・理性80%
1日や1週間の終わりに「疲れたー」と思っても、1晩熟睡したり、週末にゆっくりすれば、ほぼ回復します。これが通常モードで、実はこの状態であることはとてもありがたいことです。
2段階(2倍モード)感情50%・理性50%
さらに疲労がたまると、これまでと同じ出来事でも2倍ショックを受けやすく、疲労感も2倍、回復にも2倍の時間がかかります。
3段階目(3倍モード)感情80%・理性20%
うつ的性格となるため、これまでの本人とは別人のようになってしまいます。ただ、性格の変化は蓄積疲労がもたらしているもの。風邪が治れば熱が引くのと同じように、疲労が1段階に回復すれば、その人本来の性格に戻っていきます。
「理性で抑え込めるのは小さな不安だけ」
例えば、怒りを消すためには、「怒りの原因を分析する」ことが大切だと言われています。
しかし既に2倍や3倍モードになってしまっている、理性が吹っ飛んでいる状態で「自分の受け取り方を変えましょう」「感謝しましょう」と言われてもそう簡単にできるものではありません。
また強い怒りを6秒でやり過ごす、有名な「6秒ルール」。
現実は6秒数えても、目の前にその相手がいて、不服そうな顔で文句を言ってきたら、怒りはまたすぐに再爆発するのは目に見えています。
大切なことは、まずその場を離れること。自分をいたわること。警備隊長(怒り)のケアをすること。ノートに書きだすなど第三者の視点で物事を眺め、適切なケアをすることが大切。アンガーマネジメントは怒りの初期には有効ですが、誰でも簡単に一発で心を変える魔法はないのです。
「KEEP CONTACT(敵と接触し、目を離すな)」
考え方や価値観を変えるのは、怒りを発生させないためには、とても重要なことです。
ただ、怒りには1段階の人でも、かなりの努力と時間がかかる、とても厳しい課題であることを忘れてはいけません。やろうと思っても、普通はできないものなのです。
ましてや、今イライラを何とかしなければと思っている2倍や3倍モードの人には、無理な課題です。
「KEEP CONTACT(敵と接触し、目を離すな)」は、元自衛隊の心理カウンセラー下園さんが幹部時代に、実戦豊富な米軍の将校から何度も聞かされた言葉で「忘れる対処」(我慢して、なかったことにする、あえて無視する)をしていると、情報収集をしないことになってしまいます。
するとある程度の時間が経っても、「もしかしたら、敵は着々と悪意を増幅し、攻撃準備を整えているだけかもしれない。なのに自分はそれを確認していない」と、心の奥底の警戒心を解けない状態が続きます。
「私たちはスーツを着た原始人」
警備隊長が落ち着くために手っ取り早い作業が味方工作。平たく言うと、相手の悪口や愚痴を他者に言うこと。
1980年代ベルナール・リメ(ベルギーの心理学者)が、過去の嫌な経験について研究したところ、年齢や教育レベル・性差・地理・文化を越えて、人間は嫌な経験について、他者に話さずにいられない法則を発見。
これは普通のことで、害は無いように見えるものの。否定的な内なる行為を繰り返し、他人に伝えると、自分が最も必要とする人を遠ざける結果になってしまう。くよくよ考えれば考えるほど、周りにまき散らせばまき散らすほど負の感情はますます鮮明になり、結果として孤独と孤立という悪循環に陥る可能性が高くなる。また、頭の中のおしゃべりは攻撃対象にふさわしくない相手に攻撃の矛先を向けるよう(やつあたり)に私たちを導く。
私たちが共感の能力を進化させたのは、それが人類を生き延びる助けとなってきたからだ。しかし、昨今のオンラインでは微妙な情報が欠けていて、残酷さや反社会的行為の抑制という重要な社会的機能を果たす情報が、脳から奪われてしまう。共感力が低下、ネットいじめ多発、それが深刻な結果を招く。
「その気持ちシェアしよう」
2020年フェイスブックとTwitterの利用は25億人。世界の人口の三分の一がのキャッチコピー通りに投稿する。
2012年ハーバード大学の研究。人間はお金をもらうより自分に関する情報共有を好む。ソーシャルハイは、恋愛やコカインを摂取した時に活性化する脳回路と同じ場所が使われる。「つながりやすさ」のお陰で、内なる激情を抑えられない時代。内なる声は資産にも負債にもなりうる。
感情をコントロールするのには時間が必要だが、SNSではピークの状態でまき散らすことになる。
セラピストやカウンセラーは対価として料金を請求するが、友人や家族が対価を得られない場合は、社会的つながりは擦り切れてしまう。
「詳細な対処6つのステップ」
いわゆるアンガーマネジメントは理性で感情コントロールするアプローチ。6秒ルールを取るよりは、次の6つのステップで対処する。
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