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5歳男児 つい口に指を入れてしまう/Neo発達外来 #008

発達専門の小児科医ママ友ドクター®にしむらゆみがこれまで担当してきたオンライン子育て相談の内容を匿名化し、ママたちに話しかけるような形で解決策や成功エピソードを紹介していきます。

5歳、年中の男の子です。
 最近ぼーっとしてることが多いです。発表会練習が始まり、不安を感じたり自信がない時や、自我を通した時など、口の中に指を4本または全部突っ込むようになりました。もし何か手に持っていれば、それを口に入れようとします。
 そっと口から離すように対応していますが、最近は手に持った未購入の商品など、無意識に口に持っていく傾向があり「支払いしてない物を口の中に入れません」と伝えています。本人はその都度「あ、ごめん」と言います。どう伝えるのが効果的でしょうか?

Question.

口に手を入れてしまいます、どう対応したら良いですか?

→不安を感じた時に、指を口の中に物を入れるというのは、赤ちゃんの時からみんなが持っている本能的な反応です。お母さんのお乳を吸ってるときのような安心感やリラックスする感覚が得られるからのようです。しかし、少しずつ指をくわえる以外の方法で気持ちを落ち着かせることを学んでいくので、消えていく行為でもあります。

 口に物を入れたたらその都度出すように促し、手を入れたら「手が口の中に入ってるよ」と伝えるだけでいいと思います。
あとは、お母さんが分析されるように、指をくわえる行為の背景、何かきっかけやストレス要因などがないか、確認してそちらの対応もしていきましょう。

 無意識に手を入れる姿を見ると、みっともないし癖になってないかと心配になりますよね。けれど、伝え方のポイントとしては、「それはやってはいけないよ」と注意するのではなく、淡々と「口に入ってるよ」と事実を伝えることを意識してみるといいでしょう。
また可能な限り、その行為の背景に、例えば緊張感が隠れてそうなら「緊張するよね、安心したくて指をしゃぶりたくなるよね」と話しかけ、ストレッチさせてみるなど別の代替行為を提案していくと良いと思います。

 不安で落ち着かないので「口に手を持っていきたい」という場合、まずはその不安感を別の方法で解消する方法を考えます。例えばハンカチやタオルを持たせる、握っていいものを持たせるなど、本人とも話し合いながら代替えしていくと良いと思います。(話し合うときは、機嫌の良いときに事前に決めておくこと。その場で決めようとしても難しいことがあります。)

 代替案が成功したとして、手の代わりにタオルしゃぶりが始まりそうな時は、ハンカチを握りしめるとかハンカチで口を押さえるといった、少し違う方法をまた教えてみましょう。「口の中に入れる」とは別の方法を一緒に考えてあげることが優先です。

 服をしゃぶる子もいますが、そういう場合もまずはハンカチで代替えも可能です。
ただ、しゃぶる行為自体は変わらないため、直すことが難しくなる場合もあります。

他にも、手への刺激を欲してるようであれば、ハンドマッサージをやってあげる、ネイルオイルやハンドクリームを塗りママがお子さんの手を大事に思ってることを教えつつ匂いで口に入れなくなくなるようにしてみる、
「指くわえ」だけじゃなく「指しゃぶり」が酷い場合は、ネイルサロンが取り扱うような、舐めると苦いマニキュアを塗るなどの対応もあります。

 質問者さんのお子さんは、今は口に手を入れているだけで指をしつこくしゃぶっているわけじゃないので、ハンカチ握り締めるとかハンカチで口を押さえるという代替方法で対応できると思います。

ぜひ、色々とやってみてください。


続く…



ママ友ドクター®にしむらゆみ
小児科専門医・子どものこころ専門医
子育てと療育の専門家
乳幼児メディアアドバイザー
KidsDevelopReach代表
子ども発達相談アカデミーVARY主宰

子ども発達相談アカデミーVARY(西村佑美事務局公式LINE)

西村佑美SNS


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