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卵巣がん備忘録(8)退院から2週間、抗がん剤治療の説明を受ける。

2021年、53歳の秋。卵巣がんが発覚し1ヶ月をかけての検査によってさらに子宮体がん、大腸がんが見つかった。
11月11日に両側の卵巣、子宮、卵管などの摘出手術を受け、約10日で退院となった。
卵巣がん発覚から退院までは過去記事で♪

さて退院してから2週間後。
改めて今後の「治療方針外来」があった。
まずはその後の体調などなどの問診、そして手術の経過説明。パソコンのカルテ上で摘出した臓器を見せてもらった。それぞれ切り刻んで病理検査をしたそうだ。
そして腹水と大網にはがん細胞は確認できなかったようなので、どうやらがんは骨盤内に収まっていたらしい。これはラッキー、ということなのだろう。

本来は翌週に第1回目の抗がん剤治療を始める予定だったのだが、どのがんがオリジナル(原発)かを調べるための病理検査の結果がまだ出ていないので、確実を期すため治療を一週間延ばしたいとのこと。

その後、経膣超音波を行い問題ナシ。傷もキレイなのでお風呂OKとなった。

そして抗がん剤治療についての説明を受ける。
私の場合、おそらくはクラスⅡとの見解なので、卵巣がんではスタンダードな治療で大丈夫らしい。

抗がん剤治療「TC療法」はRPGの中ボスみたいな名前

私が行う治療は「TC療法」と呼ばれ「パクリタキセル」と「カルボプラチン」の2種類の薬剤を使う。
目的は「手術後のがんの再発を防ぐ」ことと「完治をめざす」こと。


初めて聞いた時は「パクリとカルボ・・・なんか、ドラクエに出てくる中ボス(しかも弱いヤツ)みたいな名前だなあ」と思ったが・・・、
卵巣がんの治療では標準的な薬なのだそうだ。
12月中旬から6回行う予定で、静脈注射(点滴)で行う。点滴自体は約4時間、点滴前に抗アレルギー剤や吐き気止めの投与などの準備や点滴後のケアなどでトータル5~6時間かかるそうな。
長い! そんなにベッドの上に居なきゃならんのか!!

1回目と2回目は2泊3日の入院で行う。
副作用についての説明もあった。
 吐き気、末梢神経障害(手足のしびれ、ピリピ   
 リ感)、関節痛・筋肉痛、脱毛、白血球減少、 
 血小板減少、貧血、口内炎、便秘、下痢、
 肝障害、腎障害
などなど、まあ実にいろいろな副作用が考えられるらしい。いわゆる抗がん剤のイメージどおりの副作用たち。
人間初めてのことは何でも不安なものである。私もそれなりに
「やっぱり吐き気があるのかー」
「やっぱり毛は抜けるのかー」
「家のことができないくらい弱ったらヤダなあ」

などと心配に思うことはあったのだが、あーだこーだ言ってても仕方がない。
もうやるしかないので腹をくくった。
ま、初めてのことなので実際のところ「やってみないとわからない」わけだ。
患者としてできることは、まずは第1回目を無事に終えること。で、その後の自分のカラダを細かく観察していこう♪ 
元来のノー天気さに加え、昔から崖っぷちになると開き直るというおかしな性格ゆえ、説明の最後の方には面白くなってきてしまって。

翌週にも外来があり、血液検査の結果をみると腫瘍マーカーの数値はほぼ正常レベルまで下がった。臓器を取って即、数値に反映されるのも面白いなあと思った。
ドクターいわく、原発はほぼ卵巣で間違いないようで、それが子宮に転移した可能性が高いそうな。卵巣にあったがんと子宮にあったがんが似たタイプなのでそう判断できるとのこと。
治療に向けて「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」という漢方薬が処方された。体力回復を助ける働きがあるそうな。初めての漢方!
そんなこんなで、予定どおり次の週に入院して抗がん剤治療を行うこととなった。

これでまた「人生の経験値」がちょこっと増えるかもしれないんだなあと考えると、カラダの中に残っているかもしれない「がん」を退治するための入院も、それはそれで楽しめるような気がしてきちゃって。いやはや、どこまでもノー天気である。
「よし、カルボとパクリ、来るなら来い!」てな気分で、1週間後の入院に備えることとなった。


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