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卵巣がん備忘録(1)2021年秋、まさかの病が発覚!?

2022年11月現在、卵巣がん&子宮体がん&大腸がんの治療を終えて経過観察中。
病気の発覚から大学病院での診断、手術、抗がん剤治療、その後・・・までを振り返っていこうと思う。
基本的にゆるい人間なので、病気に対してもゆるーく向き合って現在に至っている。
ゆるっと、お付き合いくださいませ。

コトの発端は『便秘?』だった。

2021年7月、53歳の夏であった。
妊娠歴ナシ、生理が3年ほど止まったことはあれど特にトラブルもナシで、もうすぐ閉経かな~という年代である。

ワタシはこれまで「便秘」というものに縁がなく、常に快便だった。基本は毎日、出なくても2日に1回は必ずお通じがあったのだが、2021年7月頃からどうにも気持ちよく出なくなったのである。
便意はあるのに、一応は出るのに、何だかスッキリしない感じ。
さらに、下腹部が何となく出っ張ってきていて、触ると明らかに何かカタマリのようなモノが居る。
年齢的に更年期ということもあって、そんなもんなのかな~便秘でお腹が張ってるのかな~と呑気に考えていたのだが、この「スッキリしない状態」が2ヶ月も続いているので、さすがに呑気なワタシもおかしいぞ? と思い、意を決して近所の総合病院へ行ってみた。
原因を探るために受診すべきなのが消化器内科なのか婦人科なのかわからないので、受付で両方の科にかかるよう言われ、まずは婦人科へ。

数十年ぶりの内診と経腟超音波検査を行ったあと、医師はこう言った。
「両方の卵巣に腫瘍がありますね・・・大きさと状態からしておそらく悪性だと思います」

腫瘍? 悪性・・・?? ってことは・・・ 
「つまり、卵巣がんの可能性が高いということです」

・・・・・・えっ??
がん!? ワタシが!?
と一瞬思ったのだが、すぐに「ああ、そうなのね、がんなのかあ、なるほどね」という感じで、不思議なほどショックはなかった。
医師は「いきなりがんって言われても・・・って感じですよね」と気をつかって(?)くれたのだが、当の本人は「はあ、そうですか」みたいなホワーンとした感じで。
もちろん「がんです」「ガーン」みたいなひとりツッコミもなく。

悪性の場合、この病院では治療ができない可能性があるので、今後のことも考えて大きな病院に行ってくださいとのこと。
早速、旦那が長年通っている大学病院に紹介状を書いてもらい、4日後に受診することになった。

大学病院での受診結果は・・・

大学病院の産婦人科では問診のあとまたしても内診+超音波検査。
その結果、どうやら右の卵巣に10センチ超くらい、左に8センチくらいの腫瘍があると言われた。
そして両方に腫瘍があるのは結構珍しいらしい。

おそらく同年代と思われる男性ドクターが
「卵巣がんは発見が難しいし、原因もわからないんです。なので、どうしてなっちゃったんだろうと考えても仕方がないんですよ」と言うので、
「まあ、できちゃったもんはしょうがないですからね~」と、のほほーんと言ったら
「そう! ですからどうやって治療をしていくかを一緒に考えていきましょう」と、何だか力強く返されて、ちょっと安心したのを覚えている。

卵巣はサイレントな臓器ゆえ、卵巣腫瘍はある程度大きくなった状態で発見されることが多いそうだ。たとえ子宮がん検診を毎年受けていても、卵巣の異常は見つけにくいらしい。
私自身、便秘+なんか下っ腹が出てきたかな? という自覚しかなく、もともと腹は出ていたので、また肥ったかな? くらいにしか思っていなかった。
なので、気づかなくても仕方がない。
病気になるのは他人のせいでもないし自分のせいでもない。発見できないことも誰のせいでもない。
なってしまったもんは戻せないので、だったら今考えられるベストな治療を選べるよう医療者にサポートしてもらうしかないわけだ。

その後手術についての話をカンタンに聞いたのだが、卵巣腫瘍は悪性か良性かは手術してみないとわからないのだそうだ。
まずは腹腔鏡でみて組織を採って病理に回し、その後がんが散らばってないことが確認できたら開腹手術に移行するとのこと。
その場合、両方の卵巣と卵管、子宮とその周りにある大網という脂肪の膜みたいなものを摘出することになるそうだ。
入院期間は約2週間、もしもほかの臓器に転移していたり傷の治りが遅かったりしたらもう少し延びるかもしれない、とのこと。

手術・・・53年生きてきて初めてのこと。
これまで手術どころか入院の経験すらなかった私。旦那の入院やら手術やらで家族として病院には毎日のように通っていたが、自分自身が患者になるのは初めてである。
しかも腹をかっさばくとなれば大変なことだろう。
さらに、子宮も卵巣もなくなってしまうのだから、女性としては結構大変なことなのかもしれん。
しかし、なぜかショックを受けることも不安になることも恐怖を感じることもなく、バタバタと人生初の入院と手術を受けることが決まってしまった。

検査検査検査の1ヶ月


そして、ここからいろいろな科で検査検査の毎日。腫瘍の状態を調べるため&卵巣が原発なのかを調べるため&他の臓器にがんがあるかどうかを調べるため。2021年10月の約1ヶ月をかけて、実にさまざまな検査を行った。

①造影剤を使って骨盤周りのMRI検査と首から下のCT検査
8ビートのようなリズムが流れているMRI室に入り、検査台に横になる。
「結構大きな音がしますけど耳栓しますか?」と訊かれたがMRIの音には慣れているのでそのままでOK。「検査中、辛かったら強く握ってください」と渡されたグッズも使うことなく終了。
CTの方も造影剤アリ。検査の途中、点滴で造影剤を入れるのだが、カラダが一瞬「ぬるっ」と熱くなる変な感覚。こちらも無事終了。

②婦人科からのオーダーで乳腺外科にて人生初のマンモグラフィ検査と超音波検査
マンモグラフィは周りから「結構痛いよ」と聞いていたとおり、乳をギューッと挟まれるもんでそれなりに痛かったが、何とか終了。
超音波検査の後、ちょっと気になるしこりがあるとのことで念のため針生検をすることになり、
右の乳房に針を刺して組織を採取されて(ちょいと痛い)終了。

③消化器内科にて人生初の胃カメラと大腸カメラと注腸造影検査
思えば、胃カメラ(上部内視鏡)も大腸カメラ(下部内視鏡)も行ったことがなかった。どちらも初体験である。
まずは胃カメラ。検査の飲まされる喉の麻酔ゼリーが、どうにも不味くてキモチワルイ。
検査台に横になり「じゃあ鎮静剤入れますね」と言われてからの記憶が・・・恐ろしいくらいにまったく無い。そして検査終了時に激しくえずいて目が覚めた。
どうやら眠っている間に検査は終わったらしい。リカバリールームで1時間ほど爆睡してから帰宅。
大腸カメラは前日に自宅で下剤を飲み、さらに当日病院でも2リットル近く下剤を飲む。これが、300mlを15分かけて飲むという指示で、飲み切るのに1時間半かかった。おかげで本一冊読了。
なかなか便意がこないものの、何度かトイレに行き、全部出し切れたかな? というところで検査着に着替えて検査室へ。

なんせ初めてのことなので「本当に出きった」のかどうかが心配で、看護師さんに
「あのー・・・出きったかどうか微妙なんですけど出ちゃっても大丈夫ですかね?」と訊いてみたら「あとは吸い出しながら検査するので大丈夫ですよ♪」とのこと。なんとなく安心。

検査着(ガウン)を着て、お尻の部分に穴の開いたパンツを穿き、検査台に横になったらあっという間にカメラが入って数十分で終了。こちらもリカバリールームで爆睡。
全然気づかなかったがポリープがあって切除したらしい。ので、3日間は安静にするようにとの指示が出た。
その後、大腸付近の状態をもう少し詳しく調べたいとのことで、追加で注腸造影検査を行う。肛門から造影剤と空気を注入して検査をするのだが、一連の検査の中でコレがイチバン辛かった。

④入院手術に際して、内分泌内科受診
もともとワタシは糖尿病でクスリによる治療中。血糖値がコントロールできているかの確認と、糖尿病があると傷の治りに影響が出るかもしれないということ、手術前にストップしなければいけない薬があるとの説明を受ける。
入院中は血糖値を細かく見て、必要があればインスリンを一時的に打ちますとのこと。

・・・とまあ、毎週何かしらの検査で病院へ通う1ヶ月であった。
思えば、ずっとフリーランスだったため自ら健診を受けるなどということはなく、健診は派遣社員のバイトをしていた30歳の頃に受けたっきり。
なので、仕方ないっちゃー仕方ないのだ。今までやってこなかったツケが一気に来たのであろう。

その後、改めて子宮体がんの検査を行い、心電図、レントゲン、再度の血液検査などなどを行い、10月末にすべての結果説明と治療方針外来。
ここで入院日と手術日が決まった。

結局、3つのがんが確定


検査の結果、乳腺外科の方は悪性の所見ナシで経過観察、胃はキレイで問題ナシ。
大腸のポリープは、病理検査の結果悪性だったらしいがとりあえず切除したので、今後どうするかを婦人科と相談することになったようだ。
そして子宮体がんの方は、やはりクロ。

検査数値を見ると、腫瘍マーカーのすべての数値が異常に高く、やはりがんなんだな・・・と実感。
というわけで、卵巣がん+子宮体がん+大腸がんであることが確定した。

誰でもそうだと思うが、まさか自分ががんになるなんて考えもしないだろう。
とはいえ今やがんは珍しい病気でもなく、治らないわけでもない。
ま、なっちまったもんはしょうがないので、あとはきちんと切るとこは切って治療をするしかないのだ。
ぐずぐず文句や泣き言を言わずに「しょうがない」と思えた自分を、まずはほめてやろうと思った。
考えてみると「しょうがない」ってスゴイ言葉。とりあえず、これですべてを受け容れることができるのだから。

そして2021年11月アタマにオペ外来。ここで改めて手術の詳しい説明を受ける。
ドクターも途中途中で「何かわからないことや聞きたいことはありますか?」と聞いてくれるのだが「いやー、まあ、やってみなきゃわかんないですよね~」と、相変わらず呑気な答えしかできず、どうしてこんなに他人事のようにショックも受けず落ち込むこともなく、初めての開腹手術への不安もなかったのだろう・・・。

いきなり3つもがんが発覚し、結構な大手術をしなければならないことになったというのに、不思議なくらい動揺することのない自分に自分でビックリしていた。
まあ自分ではどうすることもできないんだし、ただの便秘と思ってこのまま放置していたら、もっと大変なことになっていたかもしれない。
知っている大学病院のお世話になれることをラッキーと思い、現時点でいろいろ見つかったことを良しとしよう。

入院に向けてちょっと興奮しつつ準備

そんなわけで2021年10月末から、人生初の入院に際して準備を始めることとなる。旦那が入院生活を送っていた病院なので、勝手知ったる何とやら・・・でそのへんは楽だった。
パジャマは迷わずレンタル。ココはパジャマレンタルするとバスタオルやフェイスタオル、あったかいおしぼりも使い放題なのでありがたい。
あとは病院のパンフレットを見て、


 洗面道具 割れないコップ 
 シャンプー・リンス ボディシャンプー 
 履きなれた靴 下着類
 プラス婦人科手術を受ける場合は 
 生理用ナプキン ショーツ 曲がるストロー 
 Tパンツ 飲む用&うがい用の水2、3本
 →手術室に持っていくためコレを名前を書いた袋にまとめておくらしい 


などなどを準備。
それに加えてブラシや化粧水、コットン、汗拭きシート、ハンドクリーム、リップクリームなどの美容系グッズ、パジャマの上に羽織るカーディガン、ボサボサ髪をカバーするための帽子、筆記用具、現金ちょこっと。病院内のコンビニではスマホ決済を利用することにした。
箱ティッシュに気分転換用のガムひと瓶、ニコリのパズル雑誌数冊、本数冊の暇つぶしグッズ。
そして今や欠かせないスマホ充電グッズにイヤホン、さらに約2週間の入院ということで動画やネットを見るべくchromebookを持ち込むことに!
あとは、ダンナが入院していた時に学んだ便利グッズ・・・S字フックにクリアファイル、ジッパー袋、クリップ類。
そして・・・ホントはダメなんだろうけどふりかけと梅干し。

というわけで出陣準備を整え、入院前PCR検査を受け、11月アタマの入院日を待つこととなった。


※個人の体験であり、個人的な感想を書いています。診察・治療などについてはワタシの記憶で書いているので正確ではない部分もあります。あくまでも「ワタシの場合は」の話で、すべての人にあてはまるわけではありませんのでご了承の上読んでください。


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