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若者の音楽を聴く私

高校生の息子が好きなバンドがある。
ロックバンドらしい。

電車通学の時間を、英語のリスニングを聴く時間に充てているはずだったけれど、最近は、英語なんて聴かずに、そのバンドを聴いているに違いない。

日に日にそのバンドの曲に詳しくなっているし、お風呂から聞こえてくる鼻歌にも、バリエーションが増えてきているもの。

私も昔はいろいろ聴いていたけれど、最近は、運転中しか聴かない。
しかも、歌詞が耳に入ってくると、言葉や意味に気を取られて運転が危ないから、邪魔にならない洋楽ばかり聴くようになった。

ある日、息子が、塾の送迎の車中でそのバンドを聴きたいからと言って、CDをレンタルしてきた。

しぶしぶ車でそのCDをかけてはみたものの、実にやかましい。
そして、全部同じ曲に聞こえる。

息子にそう言うと、息子は、ダメだこりゃ、と頭を振って、
「若い感性を失ったな。」
と言った。

その言葉が癪に触ったので、自分の中にかすかに残る若い感性をフル稼働させて、車の中ではそのバンドを流し続けてみることにした。

1週間も聴いていると、旋律を口ずさめる曲が出てくる。

「あら、バラードは、なかなかいいわね。」

なんて思うようにもなる。

どんな若者たちなのか、ちょっと顔を見てみたくなり、ググってみた。

「あら、結構イケメンなのね。」

だんだん楽しくなってきて、彼らをググりまくった。
車中でも、これまでよりずっと熱心に聴いた。

息子と共通の話題ができるかも、なんて、もはやそんなことは思っていない。
私の中の若い感性がカムバックしたのだ。
息子が聴こうが聴くまいが、私が彼らを聴きたいのだ。

ちょっとおかしいだろうか?
痛いオバハンかな?

最近、息子が言った。

「もしかして、俺よりハマってね?」

「何言ってんの?あんなやかましいシャウト、聴くに堪えないわ。」

「いやいや、俺に隠れてインスタみてるべ。」

「みてねーし!」


…いかん、息子にバレている。

ハマっていることを息子に知られるのは癪に触る。

知り合いのママさんは、息子さんと同じアーティストのファンで、一緒にライブにに行くそうだ。
ライブ会場で息子と待ち合わせて…なんて話を聞くと、いいなぁ、と思わなくもない。

いつか、息子と私にも、そんな日が来るだろうか。
来て欲しいような、来てほしくないような…。

娘とショッピングに行くのとはまた違う楽しさがありそうだな、とちょっと想像してみたりするけれど、うちの息子は、私とだけは行きたくないと言いそうだなσ(^_^;)。


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#息子と母

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