札幌出張
コロナの前は結構国内も国外も出張があった。なので、出張がなくなったのが寂しいなぁと常々思っていたのが通じたのか、突然札幌出張の依頼が来た。
北海道にいるからという発想で依頼をしてくれたのだと思うが、浦河から札幌までは130km以上離れている。東京の仕事を静岡とか浜松の人に頼む感じだろうか。しかもこの時期、冬はそう簡単には引き受けられないのだが、今回は条件がマッチし、1泊2日で札幌に来ている。
交通手段
まずは交通手段だ。雪のこの季節、知らないところでの運転(札幌で運転したことはない)や長距離の運転は避けたい。今ニュースでも通り挙げられているが、立ち往生やホワイトアウトなど、何が起こるかわからないからだ。浦河から札幌へは1日に3便だけバスが運行している。ミーティングの時間によっては間に合わないのだが、それがちょうど間に合う時間であり、終了した後に札幌を17時に出発する最終便にも間に合う。札幌往復の交通手段はOK。まず第一関門、クリアだ。
水抜き
バスで行かれそうだとわかった次の心配は水道管凍結だ。2日間の仕事で、エージェントは都内の人が都内で対応するイメージだから、日帰りでお願いします、と軽く言ったのだが、初日の最後の会議が18時までなので、最終バスに間に合わないし、バスに乗っている時間は3時間半だ。7時間もかけて往復してまでやりたい仕事ではないし、第一不可能なので、クライアントに交渉してもらい、1泊2日を了承してもらった。と、そこまでは良かったのだが、はたと、我が家は業者じゃないと水抜きができない構造になっており、泊りがけとなると、水道凍結が怖いという事実に気づいた。すぐに天気予報を調べたところ、なんと札幌行きの2日間、浦河はプラスの気温で雨予報。これなら大丈夫だ。これで第二関門、クリアだ。
服装
いよいよ引き受けられそうだと思ったところで、浦河にビジネスで着られる服を持って来ていないことに気づいた。クライアントによってはスーツは必須だ。念のため、エージェントに服装を確認してほしいと頼んだのだが、回答がないので、仕方なく東京の自宅から一式送ってもらった。宅急便と言えども、翌日に届くわけではないので、早めの行動が必要なのだ。おかげで出発の前々日に届いた(便利な世の中だ)。これで第三関門、クリア。
しかしここに落とし穴があって、用意の段階でスーツの上に着るコートまでは思い至らず、乗馬用のダウンとか、ジャケットしかないことに気づいた。が、もうこれは間に合わないし、ビルの中では脱ぐのであるから、仕方なくまだ乗馬に着て行ったことのない(つまり馬の毛とかはついていない)新しいダウンを着て行くことにした。
靴
全くのビジネス用ではないが、靴は幸い、浦河にあるもので大丈夫。と、安心したのも束の間、浦河ではどこも車で、歩くところがほぼないが、札幌では基本、公共交通機関を使うので、歩くことが避けられない。しかも雪が浦河より降っているはずで、歩道がデコボコツルツルだろう。滑らないブーツはビジネスに履いて行ける代物ではない。
しかも近くのバス停から乗るのに、バス停に駐車場がないので、浦河でも自宅からバス停まで歩いて行かなければならず、ここは滑らない靴が必要であることに気づいた。
結局、滑らないブーツを履いて、現地で履き替えるという作戦を取ることにした。見た目がよろしくないが、どうせ小さなスーツケースを持って行くのだから、自宅からは滑らない万全の対策を講じた格好でバス停まで歩いてバスに乗り、札幌でクライアントのオフィスまでも歩くので、到着後に履き替え、一部着替えもして、すっかりビジネス風に変身すれば良い。これで第四関門もクリアだ。
とまぁ、こんな感じで冬にたかが1泊2日の出張に出るために、チェック項目がたくさんあって、出発前にだいぶエネルギーを使った感じだ。
到着
無事バスに乗れて(結構バスは混んでいた)、時計台前というバス停で降りて集合場所へと向かう(おのぼりさんよろしく撮った写真が上の写真)。足元が危ないので、つい下ばかり見て、標識とかに目が行かないので、何度か道を尋ねてしまった。札幌も0度くらいじゃないかと思う。
午後から雪が降り、気温が高いので、水分を含んだ重たい雪だった。無事1日目の仕事を終え、せっかく札幌という都会まで来たのだから、普段浦河では食べられないものを食べようと意気込むものの、どこに移動するのも大変。しかも土地勘ゼロである。思案の末、市電を降りてすぐ、というトルコ料理を食べに行った。一人だからあまり注文できないのが残念だったが、世界三大料理のトルコ料理、大好き。美味しかった。
雪は降り続き
夜も重たい雪が降り、地表でとけるほどに気温が高く、今朝の道路は大変なことになっていた。これでは小さいスーツケースを引いて歩くのは無理だと思い、タクシーで仕事へ向かった。楽チン。
さぁ、二日目の仕事開始だ。あとは無事浦河に帰還できることを願うばかり。