NISA
「NISAに課税」の失言で話題になっているので、NISAについて書いてみようと思う。NISAを人によく勧めている。万人にメリットがあると思うからだ。でもなぜか、食いついてくる人がなかなかいない。
国の政策
NISAは国が、政府が、銀行預金ばかりしていないで、株投資に目覚めましょう、と誘導している制度だと私は理解している。そう大声で呼びかけても誰も聞いてくれないから、非課税という、大胆な、ある意味大判振る舞いとも言えなくもない(国は税収減という痛みを受けるわけだから)、ニンジンを用意してくれた。
合法的な節税
銀行預金の利子が小さすぎて気にしないかもしれないが、定期はもちろん、普通預金の利子にも一律15.315%の税金がかかっている。消費税の10%よりも高い税率だ。NISAではそれよりもさらに高い20.315%の税金が非課税になる。税金は取られるものと思うかもしれないが、節税すれば即時的な収入増と同じこと。収入を20.315%増やすのは非常に難しいが、税金として取られるものを取られないようにするだけで20.315%が浮く、つまり収入増に繋がり、しかもそれが合法的なものなのだから、NISAは利用した方が良いと思う。
世界の金持ちは株でできている
世界のお金持ちランキングを見たことがあるだろうか。最も最近のもので、1位はアマゾン創始者のジェフ・ベゾス、2位はスペースXやテスラの会長を務めるイーロン・マスク 、3位はルイ・ヴィトンやディオールの大株主であり会長も務めるベルナール・アルノー、4位はマイクロソフト創始者のビル・ゲイツ。リストは下のリンクから見ていただきたいのだが、この人たちは会社の給料が高いからここにランクされているのかと言ったら、否である。ではなぜ? それは株を持っているからだ。お金持ちで株と一切関わりがないと言うのは絶滅危惧種に近いのではないかと思う。
株のイメージ
この事実に目を向けずに、株の大暴落で一文無しになった、株が紙切れになった等のイメージ、もしくはデイトレーダーのように複数のモニターに張り付いて、日々売ったり買ったりするイメージを持って、株は怖いと思う人が多いように思う。株は損もするけど、儲かると大きいというのが事実ではないかと思う。
世界の金持ちでデイトレーダーは一人もいないと思う。6位のウォーレン・バフェットは有名な投資家だが、デイトレーダーではない。株を長期保有し、しかも長きにわたり配当金を得て、それをまた投資に回して雪だるま式に増えて行った人だ(だから彼の伝記のような本のタイトルは「スノーボール(雪だるま)」)
経験がないだけでは?
怖いと思う人は経験がないのではないかと思う。そういう人にこそ、NISAはメリットが大きいと私は思う。株は何しろやってみないとその良さがわからない。まずはやってみることが肝要で、早く始めて長く続けるほど恩恵が大きい。
1年に120万の限度額、5年の意味するところ
NISAは1年に120万円を限度に、投資により得た配当金などのインカムゲイン(利子所得)およびキャピタルゲイン(売った儲けである譲渡益)が5年間、非課税になる。その後もロールオーバーという制度があるので、さらに5年、非課税となりうる。もし初年度に投資した株をすぐに売ってしまったら、キャピタルゲインにかかる税金が1度非課税になるが、5年間(ロールオーバーすればさらに5年間)、配当金にかかるインカムゲインの非課税分のメリットを受けられない、棒に振ってしまう。目一杯この恩恵を受けるためには5年間ずっと持っていた方が良い。
年間120万をどう捉えるか。120万円では、例えば任天堂の単位株は買えない(昨日の株価で50,200円なので、単位株を買うには5百万円以上必要)。なんだ、株はやはりお金持ちしか買えないのではないか、と思ったら大間違いだ。株価はピンからキリまである。大企業でも、これも例えばだが、三菱UFJ銀行は622円、単位株を買うのに必要な資金は62200円。しかも120万円を1つの企業にだけどーんと投資(ある意味1本勝負)するより、リスク分散で数種類に投資する方が良いのではないかと思う。120万円全額を使わなくても良いのだから、自分の資金と好みで株を選べばよい。誰にでもメリットがあると思う所以だ。
つみたてNISAもある
企業を知らない、絞りきれないという人には、日経平均に連動するような投資信託もある。ただ、途中の配当金が得られない。経済が落ち込んでも、必ず好調な企業はあるわけで、その企業を見つけられれば良いが、そうでなければ、こうした「平均」に投資しておけば、ジリジリと株価が上がり、売ったときには結構良いかもしれない。投資信託は少額ならば、つみたてNISAが40万円の別枠であるので、そちらでやると良いかもしれない。
NISA口座を証券会社に開く
NISAをやってみたいと思ったら、まずは証券会社でNISAの口座を開く必要がある。今や全てオンラインでできる。浦河には証券会社はないが、そんなことは全く問題にならない。ただ、国の合法の節税を利用するため、住民票の提出が必要で、ここが面倒だと思う人が多いようだ(マイナンバーカードがあれば、住民票はコンビニで取り寄せられる)。銀行では株は買えないので、必ず証券会社にNISA口座を開設する。
余裕資金を用意する
次に必要なのは投資をする資金。これは少なくとも5年間、凍結できる余裕資金を用意する。名の知れた大企業でも5万円くらいで単位株が買えるので、まずは自分の予算で買える株を調べると良いと思う。
ただ、あまり安い株価のものでは、値上がりが期待できなかったり、配当金が出なかったりするので、この会社はどうかと思ったら、配当金が出ているかは確認した方が良い。
便利な世の中で、ネットでなんでも調べられる。株は奥が深いし、歴史が長い分、いろいろな指数やら用語があって、よくわからないと思う。正直、私もよくわからない。でも最初に全部を学んでから投資したのではいつまでも始められないし、NISAは永遠にある制度ではないだろうから、まずは始めてみることだと思う。気になる企業もしくは業界をまず思い浮かべ、ネットで調べて、投資してみることだ。
寝ているうちに
株に投資したら、毎日株価をチェックしてもいいし、しなくても良い(1週間に1度くらいはチェックするのがおすすめ)。いつが売り時かなんて、あまり考えず、5年間、保有し、どんなメリットがあるのかを身を以て体験すると、色々とわかってくると思うし、知りたくもなると思う。大事なことは損をしないこと。株価は変動するものだから、下がったり上がったりで一喜一憂するのではなく、株価ってこんな風に変わるのかと観察する。そうこうするうちに、配当金が入金される。銀行預金よりずっと多くて驚くと思う。
ちなみに先ほどの三菱UFJ銀行。昨日なら投資額は62200円。この金額を三菱UFJ銀行の普通預金(年利0.001%)に預けていたら、1年では1円の金利にもならない。定期預金(年利0.002%)にしても年間で1円ちょっとで、しかも税金がかかるから、手元には何も残らない。が、1年間で得られる配当金は1株25円なので、単位株なら2500円。これはNISAが非課税だからで、NISAでなければ、税引後は1921円。コーヒー1杯分くらい違うだろうか。とにかく、62200円をNISAで投資したら、2500円が寝ている間に入ってくる。5年間同じ配当金の金額なら(つまり業績が安定して入れば)、12500円くらいが知らないうちに口座に入っている、という感じ。これを120万円枠内で19本の単位株を購入したら、年間の配当金は47500円。5年間なら237500円。そう考えると旨味があるのがわかるだろうか。しかも配当金がもっと高い企業もある。(この例は単純計算すぎるが、イメージがつかめるようにと思ったまで)
売り時買い時
底値で買って天井で売ることができたら、それは儲かる。でもそこを目指すと、株価が気になって仕方がないかも知れないし、いつまで経っても買えないかも知れない。余裕資金がある時が買い時で、使いたい、使う必要がある時が売り時だと私は思っている。株は流動性が高いから、定期預金のような期日はない。ただし、損をしないことが大事。そのために、時々株価をチェックする。例えば、2倍になったら売る、と決めておくのもいいかも知れない。成長している企業なら、2倍以上になることもあるが、それは1日では決して期待できないことで、何年か持ち続けてこそ、味わえる喜びだ。
長くなってしまった。以上は私見です。誤りのご指摘等、何かあればコメントください。推敲を重ねて書くような内容ですが、NISAに課税のニュースに、NISAが知られていない証拠ではないかと思ったので。
NISAから非課税をとったら、ただの株投資。おまけにチャーシューのつくラーメンと宣伝しておきながら、チャーシューとったら、それはただのラーメンだし、年間120万円で得られるキャピタルゲインもインカムゲインもそれほど大きな額ではなく、株でがっつり儲けている富裕層の課税と横並びで語るものでもない。NISAはそもそも少額投資の優遇措置だし、この制度をやめて多くの人が株の旨味を味わうことなく、定期やらタンス預金をし続けることは決して日本を豊かにしないと思う。
(最初の写真は我が家からの夕陽。今日も夕陽が綺麗だった。)
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