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シアトルからフェアバンクスへ アラスカ旅行記2

2018年12月24日、バックパックに荷物を詰め込んで、アラスカに向けて出発した。

空港で荷物を預けてからラウンジやカフェで過ごす時間も楽しみのひとつ。空港にいる間に宿周辺の地図とか、必要そうなものは調べてスクリーンショットしておく。旅行中はフリーWi-Fiに頼るので、インターネットが使えないところでも困らないようにしておくのだ。


まずはシアトルへ。

アラスカ行きの飛行機までたっぷり時間があったので、電車で街に出てみることにした。

私はアメリカ初上陸。乗り継ぎの空港で時間を過ごしたことはあったけれど、外に出るのは初めてだった。ちょっとドキドキした。電車から見える家々はカラフルで、煙突がついていて、可愛らしかった。大きな倉庫にはスプレーアートが描かれていて、アメリカだ、と思った。

電車はすいていた。それもそのはず、クリスマスだもの。街に出てみても、お店はどこも閉まっていた。Starbucksさえお休み。パイクプレイスにある中華のテイクアウトのお店が唯一開いていて、行列ができていた。お腹が空いていた私もそこに並んで肉まんを買い、近くの広場で食べた。満たされた。どんより曇った広場からは、海と観覧車とたくさんのカモメが見えた。


電車で空港に戻り、いよいよフェアバンクスに向かって出発。


フェアバンクスの空港に着いたのは、夜だった。荷物を取ってロビーに出ると、昔の飛行機と大きな熊の剥製が飾ってあって、ああ、アラスカに来たんだな、と思った。飛行機は、黄色くて小さくて、プロペラがついている。紅の豚を思い出させるようなかたちだ。建物の中は当然暖かいので、外の寒さがまだ想像できない。レンタカーのカウンターが混んでいたので、待っている間に一度外に出てみた。

しん、と冷たい空気。

寒い!凍える!という寒さを想像していたけど、少し違った。風がなく、ただただ気温が低い。鼻やまつ毛が凍るというのもよく聞く話だけれど、凍る、というより乾く、という感覚だった。身体の芯まで冷える前に、建物の中に戻った。

カウンターはまだ列ができている。夫が並んでいる間に、観光パンフレットをいくつか選んだ。

やっと手続きが終わり、車を借りた。夫の運転で宿泊先のロッジに向かう。もう夜が更けていて、広い道にはほとんど車もいない。町らしきエリアを抜けて、郊外へ向かう幹線道路へ。そこからさらに、細い道を進む。スマホのスクリーンショットと、道に出ている標識を頼りに、真っ暗な道を進む。ここだと思うんだけど、合ってるかな、と恐る恐る進んでいった先に、ロッジの看板を見つけたときにはほっとした。

丸太小屋のロッジの外に何組かのお客さんが出ていて、オーロラを待っていた。私たちはチェックインをするため、中に入る。木の扉を開けるとスノーシューや靴を干すスペースと2階へ続く階段があり、その奥に広いワンルームがあった。

入ったところにあるカウンターでチェックインをすると、今日は他にも日本人のお客さんが来る予定だよ、と教えてくれた。後から見かけたその人たちは、シアトルの乗り継ぎでも見かけた家族だった。

階段を上って赤いライトの廊下(オーロラの光を邪魔しないようにしている)を通り、部屋に入った。荷物を置いてやっとひと休み。トイレとシャワーはリフォームしたばかりで木が新しく、とてもきれいだけれど、隣の部屋と共用。使っている間は反対の部屋へ続くドアに鍵をかけるので、鉢合わせることはない。滞在中は、一度反対側の人がこちら側の鍵をかけたまま外に出てしまって困ったけれど、それ以外に不便はなかった。ベッドは広くてくつろげる。


荷ほどきをしていると、廊下からオーロラ!オーロラ!と声がした。スタッフが空をチェックしていて、オーロラが出ると教えてくれるシステムなのだ。

あわてて靴をはき、外に出ると、みんな外に出て空を見ていた。






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