マイケルジャクソンが好き
そろそろ歯磨きして寝るか、と思ったタイミングで夫がBSでマイケルジャクソンの"This is it"をやっていることを発見してしまい、寝られなくなった。
子どもの頃、近所の毎日のように遊んでいた友達のお母さんがマイケルジャクソンのファンで、その子の家であらゆる曲のミュージックビデオを何度も見た。
スリラー、ブラックオアホワイト、バッド、スムースクリミナル、などなどなどなど。
ムーンウォークという言葉を知るよりもずっと前にムーンウォークを見ていたし、マイケルジャクソン的な特徴のあるダンスも、ほかの人のダンスと比較する以前に刷り込まれていた。CDも、遊びの間のBGMのようにかかっていた。それで、大きくなってもうその子と遊ばなくなってからも私の中にマイケルジャクソンのダンスや音楽が染みついていて、曲を聴くと自然と血が騒ぎ、心がうきうきするようになっていた。
マイケルジャクソンが亡くなる前、世間では整形のこととか家に子どもたちを集めていることとかが度々話題になり、ネガティブな印象で語られることが多く、音楽やダンスのことなんてほとんど取り上げられていなかったように思う。
マイケルジャクソンが好き、と言うとたいていの場合、へぇ…っていう感じで、なんとなく好きって言うのが憚られるような雰囲気だった。共感できる友人はとても限られていた。
ところが、マイケルが亡くなると世間は急に"キング・オブ・ポップ"をもてはやし始めた。こんなに変わることってある?とびっくりするくらいに急にみんながマイケルジャクソンを褒めたたえ始めた。(ように見えた。)整形のことも子どもたちとの疑惑のこともほとんど話題にならなくなった。亡くなった人の素敵だったことを讃えるのは素晴らしいことだと思う。でも、そのあまりの変わりように私はついていけず、なんとなく"This is it”も見ないままになってしまった。
「亡くなるまではマイケルジャクソンになんて興味もなかったのに、亡くなったとたんに好きとか言い出すなんて。私はもともと好きだったのに。」って思った人が世界中に何万人もいたかもしれない。私も見事にそのひとりだった。もっと素直に「やっとみんなマイケルの魅力に気づいたのね、これで共感できる人が増えて嬉しい!」って思えればよかったのに。
久しぶりに映像で見たマイケルジャクソンは、本当にかっこよかった。どの曲を聴いても私の中に刻み込まれたなにかが共鳴するし、リハーサルだから軽く身体を動かして踊っている仕草のひとつひとつがもうマイケルジャクソン。動きのひとつひとつが音にはまって、目が離せなくなってしまう。私が一番好きなのはダンサーの人たちと一緒に踊るシーンで、スリラーやビートイットのダンスは何回だって見られる。
子どもの頃にたくさん見たり聴いたりして刷り込まれたものだから、もはや曲がいいのか何なのかわからないけれど、とにかくマイケルジャクソンが好きだということは再確認できた夜だった。今度は久しぶりにあの頃何度も見ていたミュージックビデオが見たくてたまらない。
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