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不登校の「こころ」

「~したくない」こんな気持ちが心にポップアップして来た時、皆さんならどうしますか?

「仕事に行きたくないなぁ」思ったことがある人は沢山いると思います。仕事となるとどうしても休む訳には行かず。何とか自分の気持ちをごまかしながらやっとこさっとこ職場に向かう。

私は自分の気持ちをごまかすのが得意です。
『過剰適応』
自分が無理していることすら気づかない程に適応している。
自分が「嫌だな」と思った気持ちすら気づかないように蓋をして。

私は以前は建設コンサルタントで土木の技術職として働いていました。
現代よりもっと男性の職場。例えば現場に女性用の仮設トイレすらない時代。過酷な状況でも頑張れたのは、良く言えば『頑張り屋さん』、悪く言えば『過剰適応』

私が『過剰適応』を身に付けたのは、恐らく幼少期の虐待環境。子どもの私にとって辛い状況を感じないよう、自分の心を察知せず、心が壊れないようにやり過ごす技を身に付けた。。。自分の心に蓋をする。

私は不登校の子ども達と関わるお仕事をしています。
きちんと学校や社会に対する違和感を、行動で表す事が出来ているのです。
その違和感をごまかさず、違和感を察知して「行かない」を選択できる力。

彼らはその違和感を「言葉」で表現するのは難しい。だって、大人ですら「言葉」に出来ないのに、子ども達が「言葉」に出来る訳がないと私は思うのです。

でも彼らはわたし達にヒントをくれる。漫画やアニメ、スマホやYouTubeや音楽、ゲームだって、そう。彼らが現実から目を背け浸っている世界に、彼らを「言葉」のヒントが隠れている。

以前関わっていた何年も不登校だった子から「先生この曲聴いて」と教えてもらった曲。
その子はいつも笑っていました。いつもスマホの世界でゲームやSNSを楽しんでいるように笑っていました。

WANTED! WANTED!
僕らは逃げている
WANTED! WANTED!
自分の弱さから
お馬鹿なふりをして
ゆらゆら生きている

WanteD! WanteD! Mrs. GREEN APPLE

その子の笑顔。うわべだけしか見えていなかった私。
「おバカ」におどけて見せることで何とか世の中と繋がっていた。そんなその子の本心に気づいてやれなかった自分が不甲斐なく、自分自身が腹立たしく。。。楽しい曲調のこの曲を聞きながら、「何でだろう」涙が込み上げてきた瞬間。

WANTED! WANTED!
僕らは逃げている
WANTED! WANTED!
間違いながらも
逃げるのに慣れて
【愛】に気づけなくなっている
いつか綺麗な
大人になれるかな

WanteD! WanteD! Mrs. GREEN APPLE

私は子ども達のお手本になれる「大人」になっているんだろうか。


こんな大きな社会の波。「(学校に行くのは)当たり前」を跳ねのけて「行かない」を選択できる子ども達。私には出来なかったことをやってのけている子ども達。
そんな風に子ども達を肯定的な眼差しで関わっていくことが皮肉な話、不登校の改善、自分らしく登校出来る足掛かりを作っていった。そんな子ども達に沢山出会いました。

私の『過剰適応』気が付いたら以前より、何だか薄らいでいた。
自分の気持ちを置いてけぼりにして、周囲に合わせて動いて来た私が、その癖を克服して自分の心も大切に出来るようになってきたのは、関わった子ども達のおかげ様。

子ども達を通して見えた自分の「こころ」
子ども達に大切にしてもらった私の「こころ」

WANTED!WANTED!『お尋ね者』の自分の「こころ」を安心して探せる大切な時間を子ども達に・・・。

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