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【読書日記】「心のクセ」に気づくには

これはレビューした「親は選べないが人生は選べる」と一緒に買った社会心理学の本です。

本棚


このちくまプリマー新書ってのは優しいね。もう、すんごく優しい感じがする。
勉強ができる中高生向けの新書なのだと思いますが、わたしのような勉強のできない大人にもやさしく教えてくれるのです。
同じ理由で岩波ジュニア新書もたまに読みます。でもあっちのほうが厳しめ。わからないと置いて行かれてしまいます。待って。

で、この本は、原因帰属について説明してくれる本でした。自分や誰かに何かが起こった時、どうしてこういうことが起こったんだろうと思い、ああ、ああいうことがあったからだなと結びつける、これが原因帰属。でも、風が吹けば桶屋が儲かる並にあれがこーなってそーなってどーなってって深く考えるのめんどくさいし、すぐ納得したいからけっこうこじつけちゃう。雨降ったの行い悪いからだよ、とか、間違えたの気合いが足りないからだよ、とか、うまくいったの特別な才能あるからだよ、とか、けっこうクオリティの低い要因こじつけて納得しちゃう。そういうクセあるよ〜ってはなしです。
で、このクセも方向性あって、それが誰に起きたか、ポジティブな事案かネガティブな事案かなどによってまたいろんな傾向あるってのを説明してくれている。わかりやすく。優しく。

ようは、安心したいということらしい。
安心したいから、原因帰属によって、いやいやそんなはずない、美人なあの子は絶対性格悪いはずだし、ストーカー被害に遭ったあの子は思わせぶりな態度とってるからだし、ジャイアンに殴られるのはのび太が生意気な口きくからである。そういうことには然るべき理由があって、ちゃんとしている私たちとは無関係だし、だから大丈夫なんです。もし、何もしてないのに被害に遭うような不確実な世界だったら怖いから、そうじゃない、被害にあったのは原因があるからと考えなければ安心して暮らせないということなんだそうです。不確実はこわい。

いやまじで。そうだったん。
もうわたしはこういうことを一つ知るたびに、一つ上の階層に行ける感じがする。目の前で自論と愚痴をぶちまけているひとがいても、「そっか、安心したいんだね、人間だもんね!」って温かい目見守ってさしあげることができるんです!

温かい目

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