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配属先が希望と違って悩む貴方へ

日本では4月1日から新社会人生活を始められる方が大多数かと思います。

皆さん、改めてご入社・ご入職おめでとうございます。

今日は「やりたいことの希望を持って入社したにも関わらず、希望とは全く違う配属になってしまった皆さん」に読んでもらえたら良いな、と書きました。

でも、普通にこれからキャリアを紡ぐ皆さんにも、役立つかもしれません。

最初に結論を述べますが、
「キャリア上で点と点はどこで繋がるかわからないので、悲観しすぎないでね」
ということです。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、臨床開発及び再生医療の界隈で仕事を行っております。
私のキャリアにおけるコアは「治療法を待つ患者へ新しい治療を届ける」ことです。

でも、最初は全く違う事を考えておりましたし、違う専門フィールドからのスタートでした。

このような経緯に至った過程や、そこで私が考えたことを共有できればと思います。

母子保健しか考えなかった入職まで

私個人の話ですが、7年前に中核市の公務員「行政的保健師」として入職しました。

中学生くらいから子どもに携わる仕事がしたくて、職業体験は保育園を選択、大学は小児看護以外に家族看護も勉強できるところを選択してきました。

大学入学後も思いは変わらず、一時期は助産師になることも考えていました。
結局、紆余曲折あって自分で保育士免許を取得し、実習中に保健師就職へ方向転換をしたわけですが・・・

保健師の役割から、子どもが健やかに育つ支援をしたい。
と、ゼミやボランティア関係が全て小児関係だった私の中には「母子保健」という文字しかなく、母子保健に携わるイメージしか湧いていませんでした。

なんなら、保育士の資格も持っているのだから母子保健に一番向いているのは私だ!と根拠のない自信もあったり、面接で保育園等の配属も示唆されていたから、そこに行くんだとばかり思っていました。笑


全く想像しなかった配属先


当日辞令交付の列に並んだ際に気づきます。

私ともう一人の保健師以外、他の保健師は違う列に並んでいます。

「あれ、彼女たちとなぜ並ぶ場所が違うの…?」

何だか心がざわつき始めます。

そして、市長から自分が辞令を貰う番。

「~、保健所〇〇課配属を命じる」


・・・保健所?

あれ、保健所って母子保健扱っていたかしら?(保健所は小児慢性特定疾病や未熟児療育を扱うので、少しだけあるけども…そのときはわかっていませんでした)


続いて、違う列にいた保健師の彼女たち。

「~、保健センター〇〇課配属を命じる」


😱😱😱

がーん。やっぱり、私は保健所配属なのか・・・


正直、想像していなかった配属先で、数日悩みました。

自分は、母子保健のために保健師を選んだのに、子どもとは無縁な部署に来てしまった。


来たからにはがんばる


そんなわけで、私は保健所で難病担当としてスタートしたのでした。

毎日、健診をやって…と夢見ていた私の心はボキボキに折れます。


難病担当は5人で、私ともうひとりの保健師が新卒であとは20年以上のベテラン。

難病なんて、保健師実習で一番時間を割いていなかった分野。
全然知識もなく、大丈夫だろうか…

いえいえ、大丈夫か?なんて誰も聞いておりません、やるしかないんです。笑

当時、保健所本当に忙しくて、あまり手をかけてもらえなかったけど、その分トライ・アンド・エラーに挑戦させてくださってました。

上司は「まずは、訪問してお話きいたらいいんだよ。聞かれてもわからなかったら、持ち帰って改めて電話で折り返すようにしてみて。新人の特権だよ、大丈夫」と言ってくれていて、その言葉に安心して本当によく訪問に出かけたもんです。

入れば、そこの面白さもわかってくるもんで、
気がつけば、3年。難病分野で突き抜けてました。

退職し、台湾に渡る

点と点が繋がるということに気づいたのは、台湾に渡ったあとでした。

転職活動したいのに、最初は何をするかわからなかった私。

声をかけてくれたのは、CROでした。
なんと、私の難病分野での経験を買ってくれたのです。

運とはどこでめぐり合わせが起こるかわからないというのはこのことです。

私が母子保健一筋であれば、この道に手繰り寄せられることもなかったと思います。新薬開発というフィールドからほど遠い状況だったのですから。

入社して、様々なプロジェクトに関わりましたが、浮かぶのは担当患者さんの姿です。

新薬がどのように臨床試験(治験)が進んで患者のもとに届くのか全く知りませんでしたし、患者さんが治験に希望を託している姿を見てきていたので、この経験は絶対今後へつなげていきたいと思ったのでした。

自分が関わるプロジェクトの製造販売承認が下りたニュースの不思議な気分は今でも忘れられません。

新たなステージでも最初の経験が生きる

今回、また転職することになりました。今回は臨床開発ではないけど、再生医療の分野。医薬品よりも新しい分野です。

転職にあたって
「患者さんと接した経験」と「英語、中国語が話せる」と言う点を評価してくださりました。

ここが母子保健に関わっていたら、患者と接した経験もないので、今の転職もなかったと思うと、本当に全く違うキャリア形成になっていたんですよね。

難病患者の方々と関わっていなければ、再生医療の分野も「興味」はあれど、「選択肢」として入らず、ご縁はなかったかもしれません。

点がつながるって、面白い…

あと、保健所で働いていた経験やツテが不思議なもので、沢山業務に役立っております。


ちなみに、私と一緒に入職したニコイチだった同期。

彼女は、2年難病分野で働いたのち、保健センターへ異動になりました。そのため、保健所も保健センターもわかる経験を持ち合わせて他の自治体に無事に転職していきました。

私に私のストーリーがあったように、彼女も彼女のストーリーを紡いでいったわけです。

結論

いかがでしたか。

「自分が思っていたものと違うし、辞めちゃおう」
と思うことも1つの選択肢です。

一方で、希望外の配属だったばかりに別のキャリアアップが現れるパターンもあることを皆さんに知ってもらえたならば幸いです。


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