マガジンのカバー画像

対岸の鐘【創作大賞2023】

7
ボスニア・ヘルツェゴビナを旅する春彦。そこで偶然出逢った日本人女性・真結(まゆ)から、かつてこの地で起きた惨状を聞く。何気なく訪れただけだったが、彼はこの旅、そして出逢いを通して… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

「対岸の鐘」第1話【創作大賞2023】

あらすじ 「僕たち、これからサラエヴォに行くんだ」 社会人になったばかりの8年前、クロア…

mallowska
10か月前
8

「対岸の鐘」第2話【創作大賞2023】

彼女にリードされて、観光客で賑わうレストランへ入った。 広いテラス席があり、吹き抜けるで…

mallowska
10か月前
6

「対岸の鐘」第3話【創作大賞2023】

Mostarのバスターミナルへは15時には着いていた。 僕はちょっと期待をして周辺を気にしながら…

mallowska
10か月前
4

「対岸の鐘」第4話【創作大賞2023】

夕暮れ。 観光スポットにもなっているバルチャルシア広場の水飲み場で真結さんと待ち合わせた…

mallowska
10か月前
5

「対岸の鐘」第5話【創作大賞2023】

翌日午前中、僕と真結さんはサラエヴォの中心にあるヴィエチュナ・ヴァトラ(永遠の炎)と呼ば…

mallowska
10か月前
6

「対岸の鐘」第6話【創作大賞2023】

「真結さんがそこまで言い切れるのは、なにか理由があるの? そういう思いにさせてる根本には…

mallowska
10か月前
7

「対岸の鐘」最終話【創作大賞2023】

真結さんは「やっぱり少し腹ごしらえさせて」と、パン屋さんでソーセージの入ったパンを買い、かじりながら僕と並んで歩いた。 少し距離があるけれど、話しながらオリンピックスタジアムへ向かうことにした。 大きな通り沿いにあるモスクを右に曲がり少し進むと、右手に墓地が見えてくる。十字架が見えるから、東方正教の墓地なんだろう。 更に進むと、右手奥にアイススケートなどで使用されたというゼトラ・オリンピックホール、その奥に見えるのがサッカーなどを開催するアシム・フェルハトヴィッチ・ハセ・