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たまには「ムカつく」のも、悪くないね。

少し濃いめのコーヒーで作ったソイラテを一気に流し込む。
よし、もう大丈夫。イライラしてない。

***

昨日の深夜。久々に理不尽なことで叱られてずっとイライラしていた。やってしまったことは、確かに私に落ち度があった。けど、言われてもいないことを「言ったはず」と言われたことがどうしても納得できなかった。

たぶん、LINEじゃなかったら爆発していたと思う。

反論したい気持ちをグッと抑え、ひとまず謝罪と指摘への感謝をゆっくりと打ち込む。明らかに温度差のある「すみません」と「ありがとうございました」という2つの言葉は、同じ無機質な文字になった。

この温度差に気付くかどうかはわからない。けれど、とにかく私は、一刻も早くこのやりとりを終わらせたかった。

怒りだろうと、悔しさだろうと、ネガティブな感情はまず自分の中できちんと整理したい。じゃないと上手く処理ができずにくすぶってしまうから。時間が遅かったこともあってか、連絡がLINEで、明日が休みで本当によかった。


LINEを送信した後、浮かんでくるまま、荒ぶった感情をノートに書き殴る。そうやって書いているうちに、少しずつ気持ちが落ち着いてくる。

今回の件だけじゃなく、本当は最近ずっと気になっていたことがあった。それを放置してきたから、こんなにイライラしてしまっているということ。上司や会社に対しての自分の想いも再確認できた。そして、私がどうしていきたいかも。

気が付けばノートは5ページにわたっていた。ようやく落ち着きを取り戻した私はノートを閉じる。ベッドに入り、目を閉じて、大きく深呼吸をした。

***

なんとか眠ることができた。
カーテンの隙間からきらきらと朝日が差し込んでいる。清々しい青空が広がる休日の朝。

窓から青空を眺めながら大きく伸びをする。ふっと「やっぱり理不尽だ」と、また昨夜の怒りを思い出す。

けど、それでいいんだと思う。

しっかりとした怒りなんてそんな頻繁に感じるものじゃない。だからこそ、簡単に忘れられる感情じゃない。だから、大切にすればいいと思う。

買い物に行ったり、洗濯物を干したり。ゆっくりと流れる休日の時間を味わいながら、時々またふと怒りを思い出す。そして、その度にこれから、自分がどうしたいのかをアップデートしていった。


怒りに任せて、誰かを悪者にするのは簡単。
それは他人かもしれないし、自分かもしれない。

けど、私はどっちも大切にできる人でありたい。

怒りの対象と極端に距離をとることだってできる。正直、叱られた直後はそれを考えていた。またそれとは逆に、そんな状況を生んでしまった自分を責めて、萎縮することだってできる。

今まではよくそのどちらかを選んだ。
でも、本当はそのどっちも選びたくないものだった。


怒りとちゃんと向き合ったら、自分のありたい姿に出逢えた。それだけで今日はきっと「ああ、今日もよかった」とベッドの上で思える。

うん。いいじゃん。
たまには「ムカつく」のも、悪くないね。

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