ひら〆

東京が住まいのバカ

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最近の記事

『ある女』を読む

※ネタバレ含みます 4月8日、『ある女』を友人から手渡された。岸田戯曲賞を受賞しているらしい。戯曲というとシェイクスピアくらいしか思い浮かばないし、現代でも戯曲という枠が存在してることに「へぇ~」ってなった。その中で岸田戯曲賞というのは、友人曰く、戯曲界の芥川賞なのだそうだ。へぇ~。 「不倫してる女の人の話だから、たぶん気に入ると思うよ。」思わず、うるさいよ、とわかってんじゃん、の入り混じった笑いが出た。1ページ目を開くと台詞と状況説明がわかれていて台本のようだった。見慣れ

    • 真造圭伍さんへ

      今、家で独りで飲みながらこの文章を書いています。 飲んでいるのはコンビニで買ったアルパカのメルローです。クソまずいと思って炭酸で割りながら飲んでます。酔うには悪くないです。 僕は荻窪に住んでもうすぐ4年になります。いや5年か?いややっぱ4年か。 そんでもって近所の飲み屋で3年くらいアルバイトをして、それなりにこの街に愛着も湧いてきました。生まれたところは1年と住んでおらず、一家全員一人が好きなんで、長く住んだ街にも実家はないです。そんな僕でも多少はこの街に愛着が湧けました。

      • 「私に故郷はないです。」

         私に故郷はない。これは別に焼き払われたりダムや海によって沈められたりしたわけではない。ただ帰る場所がないだけだ。 「実家はないです」 私の父はいわゆる転勤族で、私が生まれてから2回転勤した。1度目は私が静岡で生まれた直後千葉へ、2度目は小学校三年生の頃栃木へ、といった感じだ。その後、私が高校入学のタイミングで関西へ転勤が決まった。しかし、私は志望校への入学も決まっており、仲のいい友人もいたので栃木に残りたいと言い、結果単身赴任という形で父一人が京都へといった。そして3年経

        • 男二人で『花束みたいな恋をした』を見てきた話

          どうも。この前久々に新宿のTOHOシネマズに行ってきました。『花束みたいな恋をした』という恋愛映画を見てきました。 男二人で。 始まり:男子大学生、希望を買う 始まりは2月に入ってすぐ、緊急事態宣言の延長が決まり、世間に暗い雰囲気が漂っていた頃、僕は時短で開店の早まったバイト先のワインバーで、客のいないカウンターを前に口を半開きにしてグラスを拭いていた。ただでさえシフトが減って金がないのに、お客さんもいなければやる気も何もあったものではなかった。あらかたグラスを拭き終え、社

        『ある女』を読む

          汚れのない悲しみに

          9/27、本当は宇都宮に行く予定だった。 久々に母と姉に会い、一緒にご飯を食べていろいろ話す予定だった。 たぶん、私のことを心配して設けてくれたのだろう。忙しい合間を縫って月の初めに予定を入れて、ようやく手に入れた休みを使ってくれたのだろう。 そんな大事な予定を、すっぽかした。 正直、大した理由はなかった。ただなんだかわからなかったが、すごく精神的に病んでいた。 頑張れば行けただろうと、今になって思う。無理やり体を起こし、昨晩入り忘れた風呂に入り、雑な格好でもいいから身支度

          汚れのない悲しみに

          タイトルコールをしてみたい

          3月22日日曜日、初めて「Stand by me」を見た。 ちょうどこの日の朝に見た夢で、昔の会いたくない人に会って、ひたすらおっかけられるなんていう、あるあるの悪夢を見て、 (人間関係めんどくせぇな) なんて闇オチをしかけてたところだった(こんなこと考えてるから、ジョーカーになりそうだとか言われんだけど)。 そんな朝にふと、部活の先輩が、人間関係に疲れたときに見るといいよと言っていたのを思い出し、ちょうどその日は母親が来ていて一緒にご飯を食べることになっていたので、時間のあ

          タイトルコールをしてみたい

          孟母に三遷させるなかれ

          視聴映画:「12か月の未来図」 どうも。(令和になってからは)初投稿です。 というわけで、(初投稿なのに)ブログ第二本目は「12か月の未来図」です。第一本目と同様、教師の視点から現場で起こっている教育問題を取り上げた映画です。まあ、今度の舞台はフランスのパリ郊外なんですが。 **あらすじ**  フランスの名門、アンリ4世高校で国語の教師をしているフランソワ・フーコーはベテラン教師で、授業はかなり厳しく、できてない生徒には厳しくあたる人物であった。(???「誤訳ですね

          孟母に三遷させるなかれ

          学校は誰が為に鐘を鳴らす

          視聴映画:「デタッチメント~優しい無関心~」 どうも。そんなこんなでちゃんと初投稿です。 というわけで、「デタッチメント~優しい無関心~」 この映画はアメリカの教育現場で起きている問題を教師の視点から見つめ、また教師それぞれが抱える葛藤を鮮明に描いた作品。 この映画を見たきっかけとしては、教育問題に関心があったことと、もう一つは主演のエイドリアン・ブロディが好きだったからですね。ブロディが出てる作品は「戦場のピアニスト」ぐらいしか見たことがないんですが、それでも彼の孤独

          学校は誰が為に鐘を鳴らす