タイトルコールをしてみたい
3月22日日曜日、初めて「Stand by me」を見た。
ちょうどこの日の朝に見た夢で、昔の会いたくない人に会って、ひたすらおっかけられるなんていう、あるあるの悪夢を見て、
(人間関係めんどくせぇな)
なんて闇オチをしかけてたところだった(こんなこと考えてるから、ジョーカーになりそうだとか言われんだけど)。
そんな朝にふと、部活の先輩が、人間関係に疲れたときに見るといいよと言っていたのを思い出し、ちょうどその日は母親が来ていて一緒にご飯を食べることになっていたので、時間のある夜中に見ようと決めていた。
夜になり、母が電車で群馬に帰った後、いつもより早めにやることを済ませ、部屋を暗くしてから、一人の部屋には明るすぎる画面を視界に入れた。
さっそく映画を見始めたが、引き込むような映像美もなければ、劇的な世界観もない、普通の光景があって、正直退屈してた。しかもそのときは、友達とのラインが盛り上がってる途中だったので、ちょいちょいスマホを見たりなんかもしていた。一応途中からちゃんと見ようと思って、スマホの電源を落としたけど、最後までおれの中から退屈の二文字が消えることはなかった。
このままモニターの電源を落としてベッドにもぐりこんでもいいかなとは思ったけど、なんかモヤモヤしたものが残ってたから、少しだけ、考えるとまではいかないけど、映画のシーンを思い出してみた。秘密基地に集まってカードをしているシーン、いたずら(のレベルではなかったけど)をして急いで逃げるシーン、最近見たテレビの話をしているシーン、皆でバカやってるシーン...。意外と出てきたのは、本筋とはなんの関係もない、本当にただの余興のようなシーンばかりだった。でも違った。その「ただの余興」も本筋だったのだ。
この映画を見て、登場人物と同じ12才の頃を思い出していた。
ちょうど自分にも、いつも集まる5人組がいた。塾で一緒で、授業中バカみたいに話をして怒られて、授業が終われば、夜の10時過ぎなのに、帰りにPSP持ち寄ってゲームして。休みの日も、誰かの家に行って朝から晩まで遊んで、自転車で学区外まで出てみたりなんかもして、ただ楽しかった。
今では、一人としかちゃんと連絡とってなくて、他の三人はLINEも持ってるし、なんならグループも作ってあるけど、全然会えてない。
たぶん、この映画は“思い出させるため”に作られたんだろうなと、見て30分以上経ってから思えるようになった。心が温まるような感覚はなく、むしろ虚しさというか、寂寥感を覚えているのだが、それでも見て良かったと思えてくる。
最近の自分は、無意識に人を信用しておらず、それを人に言われるまで気づかず、おまけに自分も嫌いという、ハエも寄り付かないような腐った人間になっていた。もうあの頃のような友達は二度とできないかもしれないが、それでも面と向かって「Stand by me」と言えるような自分には、まだ戻れる...かも?
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