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マレーシア教育移住 2か月で「学校に行きたくなった」息子

マレーシアに教育移住、実際はどうなのか!?
9月から現地のインターナショナルスクールに通い始め、12月初旬に冬休みに入るまで、2か月の間に見られた息子の変化についてご紹介します。


初日のこと

普段は初めての場所でもあまり動じないタイプの息子ですが、
登校初日は朝から、びっくりするほどオドオド。

ほとんど英語を話せないので弱気になるのは当然も、
「こんな時はどうしたらいいの?」と直前になって色々聞いてきました。

私からは、
「トイレに行きたい」
「気分が悪い」
という緊急事態対応の2つの英語を書いたメモだけを渡し、
「あとはまあ雰囲気で!何とかなるよ、きっと」
などと無責任に伝えて送り出しました。

学校の受付に到着し、迎えに来た先生に連れられていく彼の姿は、情けないほど腰がひけておりました…..。

しかし数時間後の下校時に迎えに行くと、信じられない息子の姿が!!

3人のクライスメイトと共に出てきた彼は、とんでもなく笑顔で爽やか。(思春期男子があんなにニコニコしている姿を、久々に見て母は嬉しかった!!)
目がキラキラしてて、表情だけで「楽しい!」が伝わるほど。
何人もの生徒が名前を呼んでくれて、バーイ!と手を振られていました。

「もうあんなにお友だちできたの?」と尋ねると、
「いや、誰かわからないし、みんな同じ顔に見えるけどクラスにいたような気がする」と(笑)。
「友だちじゃなくても、みんなフレンドリー。知らなくても挨拶するし話かけてくるんだよここでは」と説明してくれご機嫌でした。

3日目の歓喜

さらに登校3日目の夕食でのこと。
日本では、学校でのことを聞いても多くは話してくれなくなった思春期男子が、珍しく自ら「今日さあ、学校ですごい事があった」と話はじめました。

「アートの先生が掲示するポスターを作っていたんだけど、その先生が『これどう思う?』ってデザインを聞いてきたんだよ、すごくない?」と。

何がそんなにすごいんだ?と一瞬思いつつ、反抗期男子がご機嫌で話をしているチャンスを逃さまいと、驚いた顔をして説明を求めてみました。

彼曰く、
・すごくカッコいいポスターを描いていた先生が、たまたま近くにいた入学直後の生徒の自分に、意見を求めてきた。
・「〜color、change」と思い切って言ったら、「good idea!」と言って先生が意見に賛同してくれた。
・しかも、絵の色をアドバイス通りに変えていた。
これに感激したと。

思わず「それって普通なやりとりじゃないの?」と本音を言うと、
「ママはわかってない、日本の学校では、先生が生徒に対等に意見を尋ねてくることなんかない、ありえない事なんだよ」と。

彼は歓喜し、私はハッとさせられた瞬間でした。

日本の学校で起きていたこと

日本で息子は、公立小学校に通っていました。
転校生も多く、多様性を重視する評判の校区を選んで通学。

子どもも保護者もわりとリベラルで、「社会学習(歴史的名所などを旅行)するので休みます〜」「家庭教育重視。体育だけ学校行きます〜」などと“積極的不登校”のご家庭もチラホラ。
家庭や塾で勉強する子が多いからと、夏休みの宿題もほとんどない状態で、柔軟に対応してくださるタイプの先生が多い学校でした。

そんな環境でも息子は行き渋り、
「授業がつまらない」
「教科書に書いてある内容なのになぜノートに板書しなきゃいけないんだ」
「わかってる漢字を何度も書く意味がわからない」
と毎日ぼやいていました。

ある日、先生に
「ノートを書け」と言われ、
「なぜですか?」と尋ねたそうです。
すると放課後、
息子が家に帰りつく前に、先生から電話がかかってきました。
「こんなことを言ってきたんです」と。

(どうにかしてください)と言う先生の心の声が聞こえるようで、
私も「何が悪いのですか?」とは聞けず、
「申し訳ありません」と謝りました。

ただ帰ってきた息子には、
・あなたの疑問は間違っていないと私は思う、
・でも先生はあなたが間違っていると思っている、
・これは、伝えても伝わらない考え方の違いで、
・先生には謝るけど、あなたの認識に間違いがあるとは思っていない
と伝えました。

二枚舌な自分が嫌でしたし、
ますます学校=楽しくない、学び=面白くない、と言う考えになっていく子どもを見ながら日々を送ることも嫌でした。

学校に行きたい

そんな状況もあってマレーシアへの教育移住を決めたのですが、
こちらに来てから息子は、少々体調が悪くても、
「絶対、学校行くからね」「休まないからね」
と言います。

日本では、あれだけ毎朝、玄関の前で
「今日、行かないとダメかな」
「行きたくない」
と何分も、何十分も言い、
私は仕事があるので、半ば無理やり、
玄関から追い出すように彼を見送っていたのにです。

この2か月、よく息子から、
「今、必死なの。英語も中国語もわからないし。だから一生懸命にしないと大変なんだ」と言う旨の発言があります。
言葉だけ聞くと大変そうなのに、その顔はすごく楽しそうでイキイキ、笑っていて前向きです。

想像でしかありませんが、
自分の意思や決断を尊重され、認められ、また認められるように頑張り、それを再び認めてもらえる状況にあるのでしょう。
加えて、
学びたい、頑張りたいと思う要素もきっと他にたくさんありそうです。
それらの環境が整った時、こんなにも学びたい意欲がわくものなんですね。

私は、子どもの様子から、教育のあるべき姿を学んでいるように思います。

※サムネイル画像は初めての保護者参観@息子の学校にて。
自分たちが興味のある国のことを調べて保護者にプレゼン。保護者に質問を求め、自分の好きな国のこと、調べたことを伝えたいパッションに溢れる子どもたちの様子が印象的でした。


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