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サンタの秘密を子供が暴こうとするのは仕方がないと感じた話

クリスマスが近づいてきましたね。


リレーエッセイというか、テーマブログというのか、クリスマスの思い出について募集したら結構皆さん書いてくださって。非常にありがたいことです。

で。

結構出てきたテーマは「サンタは居ないのか」問題。子供の頃にどう向き合っていたのか?というエピソードが結構あったんですよ。


なるほどなぁ。

そんなもんか。


複数の方から出てきたのが、サンタが居ないということを子供の頃に疑い始めて、何とかしてその正体を暴こうとした、そしてその結果翌年からサンタが降臨しなくなったというエピソードなんです。


これはねぇ…

親の立場からすると困っちゃいますよね。


良かれと思って1年に一度クリスマスにプレゼントしたり、そういうムードを作っているのに、子供の方がそれを壊しちゃうんですから。流石にサンタなんて居ないモードに入っているのに枕元にプレゼント置いたらお前が置いたんだろ!になっちゃいますからね。


これを言われた時点で、サンタはおしまいです。

残念ですけど、仕方がない。


まぁ考えてみると、サンタという存在を疑ったり阿吽の呼吸が成り立たなくなったところでサンタシステムは終了なんですよ。それが早いか遅いかの違いであって。親の立場からすると複雑ですけど、それもまた成長なのかなって。


じゃあ自分に関してはどうだったか?

かなり早い段階で、ネタバレがあったんだと思います。


いや、別に親から「サンタは実在しない」「枕元にプレゼントを置いているのは私達である」みたいな直接的なカミングアウトは無かったんですよ。


ただ、サンタクロースというのは北欧の方で存在はしている。そして、枕元にプレゼントを置いているのはそのサンタクロースが一人でやっている訳ではないし、家庭によっては親がそれを代行しているみたいなことは、情報源がテレビしかない時代でも目にするんです。


まぁそらそうだろうよ。


登戸のマンションなんて煙突ないし、サンタが全部配ってたらすげえ大変だし、そんなこと全部やってたらファンタジーだよ。


って理解したうえで、枕元にプレゼントが置かれるこのイベントを喜んでいました。


これって、私に言わせたらプレゼントをくれるのが「サンタ」なのか「サンタ(両親)」なのかって違いでしかない訳ですよ。カッコが付いているかどうかだけじゃないですか。


いい子にしていたら、年に一度、プレゼントをくれる。

要は(両親)が代行しているだけなんですよ。


で、両親はちゃんと見てくれていて、クリスマスに私と兄をもてなしてくれる。私たちはお客様なんです。もうそれだけで十分です。年に一度ハッピーな日があって、両親も子供も幸せなんですから、イベントの趣旨に基づいてもてなされる。楽しむ。それだけだったんですよね。


世の中にそういう形式的なことってありふれているじゃないですか。例えばお墓には物理的にご先祖様は存在しないけど私たちは手を合わせているし、行事の大半ってそれ自体に意味がないことだと私は思うんです。


当時はこんな感じで言語化は出来なかったけど、でもあの感覚を文字に起こすとこんな感じだったと思うんですよね。まぁもっと表面的なところで言えば、みすみすプレゼントを得られる機会を逸したくないというのと、楽しいイベントに冷や水をぶっかけるようなことをしたくないっていうことではあるんですけどね。


ただ。

だからと言って別に当時の自分は色々分かっていていい子供じゃないか!とか褒められたいわけでもないし、サンタの秘密を暴こうとする子供が悪いって言いたいわけじゃないんですよ。


これはね。

仕方ないんですよ。


というのも「サンタクロースが年に一度、いい子にしているとプレゼントをくれる」というシステムが、子供にすら疑問を抱かれるストーリーだからです。


考えてみてくださいよ。

noteのこんなに狭い世界の中ですら、サンタクロースシステムに目を付けて、実際に暴こうと行動した人が結構いる。それって絶対偶然じゃない訳です。


黙ってプレゼントをもらっている側からしても、私みたいに声には出さないけど当然「サンタ(両親)」であることを理解している、うすうす気づいているなんて子は星の数ほど居る訳で、実際に行動に移しているかいないかだけの違いでしかないんですよ。


つまりサンタシステムは、子供の大半を信じ込ませるには無理がある。


だから本当は、ファンタジーの筋書きを用意するにしても、もうちょっと子供の大半を信じさせられる何かだったらいいんですけど、今更ストーリーを書き換えられないですからね。


サンタクロースと両親は実は繋がっていて、いい子にしているとサンタクロースから両親にプレゼントをあげるように指令が下される。しかも寝ている間に、じゃなくて12月25日の朝に渡せるように準備している、くらいの改変をしてもいいんですけどね。


考えてみると、この穴のあるシステムがあまりに市民権を得すぎちゃったんですよね。


どこの家でもやっている以上システムやストーリーを改変できないし、子供のことは喜ばせたいし、だったらどうするか?っていったらもうこのシステムに乗っかるしかない訳ですよ。


クリスマスって素晴らしいイベントだと思うんです。

親からしても、子供からしても。


私には子供が居ませんけど、仮に子供が居たら結構頑張ると思うんですよ。ファンタジーとか全然不似合いなうちの両親でも私たちが子供の頃のクリスマスってこりゃ頑張ってるなぁっていうくらい色々していましたから。大人も楽しいんでしょうね。


だからトータルで考えると、サンタクロースというシステムは子供の大半を信じ込ませるのは難しいけど、でもやり方を変える訳にはいかないからそこに乗っかり続けるしかない。ネタバレしちゃったらその年で終了する。


もうそうするしかないのかなと思います。


個人的に興味があるのは、暴いた翌年以降にサンタが降臨しなくなって、暴いちゃった人はどう思ったか?ってことです。これはねぇ…多分後味悪いと思うなぁ。プレゼント貰えないわ、両親に気まずい思いさせるわで。


小学校とか幼稚園で、プレゼントをくれるのは実は両親だけど、でもそのことを絶対に言っちゃダメですからね。翌年からもらえなくなりますよ!とか義務教育として教えられないのかな。あでもそれだと却ってこじれそうだし、まぁ今くらいが丁度いいんですかね。

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