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ライターの仕事を得る方法、教えます。相撲ライターが行う3つのことは?

ライターとしての仕事はゼロを1にするのが難しい

冒頭からどうでもいい話。私はこのイラストの人にかなり似ています。

さておき。

私は2015年から相撲ライター・スポーツライターとして活動している。

何度か話しているように、私はもともと2011年に無料ブログ「スポーツナビブログ」で幕下の相撲の面白さを書き連ねることからキャリアがスタートしている。

仕事として相撲記事を書けたらどれだけ楽しいかと考えながら、常に人の目に付くような企画を考え、アポなしで稽古見学をしたり、両国国技館で酷い土産物を買い漁ったり、幕下の力士のために応援Tシャツを作ったり、相撲アイドルに取材したりと手を変え品を変えとにかく様々なことをし続けた。

すると、2015年の浜松巡業の特集記事を作成するために静岡新聞から初めてのオファーが来た。

後にとある雑誌の編集者の方から聞いた話だと「ライターとしての仕事はゼロを1にするのが難しい」そうなのである。考えてみると私の場合もPVが1日に少なくても20000程度、多いと200000に到達する日もあったわけだが、注目度の割にそのような話は浜松巡業特集記事以前に無かったように思う。

ただゼロが1になり編集者の方の話だと仕事が来やすい状況ではあるのだが、私に限って言えば正直なところそれほど仕事がある状況とは言い難い。

稀勢の里が横綱になった2017年当時は本当に入れ食いのような状態で、相撲ライターを名乗って活動していると様々なところからお声掛けをいただけていた。「貴の乱」の当時も相撲に対する注目度が高かったので、裏話を求めて各種メディアから声が掛かっていた。

今はもうそのような状況にはない。誰かが大関昇進しても、不祥事が起きても声はそれほどかからない。

しかしこの看板を出している以上仕事が無い状態が続くと発信も途絶えるし、ライターとして忘れられた状態になってしまう。このような状況にあるライターの方も多いのではないかと思う。

そこで今回は、私が現在ライターとしての仕事をどのようにして得ているかを紹介したい。ライターとして起業したものの、手詰まりになっているという方は何かの参考にしていただければ幸いである。

その1:メディアからオファーを受ける

最も気楽で、ライター冥利に尽きるのはこのパターンだ。

メディアとしては旬のトピックについて深堀りできるライターを探している。恐らく「相撲」「ライター」辺りで検索をしているのだろう。

そうするとTwitterでは4000人程度フォロワーが居る私が引っかかってくるのは必然的なことだと思う。

ある力士が大関や横綱に昇進したというニュースがあれば、どんなキャリアの力士で、どんな相撲を取るのか。プライベートのこぼれ話に話が膨らむこともある。

また、スキャンダル報道であれば私のところに世に出ていない情報を求めてメッセージが飛んでくる。話が「八百長はどうなのか」「不倫報道は事実か」といったきわどい質問に及ぶこともある。

私が兼業ライターとはいえ、情報ソースの問題で公開できないこともある。私がどのように情報を得たのか容易に想像がつくこともあるからだ。私はともかく、別の方に迷惑が及んではさすがに困るので、言えることと言えないことの線引きは行っている。

私がライターとしてある程度知名度が高まったのは2017年辺りの相撲ブームの時にこのパターンで取材依頼をいただいたことがかなり大きい。そこで得た繋がりがこの後の話に繋がってくる。

その2:繋がりのあるメディアにライター側から提案を行う

ここから難易度がぐっと上がる。
相撲ブーム以降、2019年以降の私の主な仕事を得るための方法はこれである。

相撲が来ているときは待っていれば勝手に仕事が貰えるが、世の中の興味は常に相撲にあるとは言い難い。他の競技に関してはもっと悲惨で、オリンピックの年以外はメディアから見向きもされないものも多い。相撲はマシなのだ。

ただ、メディアが見向きもしないだけであって実は世間の需要が顕在化していることもあるし、潜在的な需要が顕在化しつつあるというケースもある。

メディアが追いかけているのは、旬なトピックに過ぎない。だから、一般的に需要があってもメディアがそこに気付いていないという可能性もある訳だ。

このような時、私たちライターがメディアに提案をすると通ることもある。ただ、これにはスキルが必要だ。

メディアは基本的に旬なトピックは目に入っているし、何故それが世の中から求められているかは理解している。ただ、メディアがそれを理解していないケースに関してはこちらが「何故世間がそのトピックを求めているか?」を端的に提示せねばならない。

これが実に難しい。

旬な時は相撲を取り上げてくれるメディアも、旬ではなくなった瞬間一気に興味を失うこともある。どれだけこちらの提案の筋が通っていても、彼らがそこに需要が無い、取り扱う価値がないと考えていれば却下されてしまう。

2017年の相撲ブームの頃に出来た関係性の中で今も生きているのは本当に僅かだ。こちらから粘り強く提案をしても毎回のように却下されてしまうメディアもあるし、提案を続けても気が付いたら担当者が退職していて繋がりがプッツリと途切れてしまうこともある。

仮に却下を続けられたとしても、こちらの立場としては世に伝えた方が良いこともある。メディアに繋がりがあるならば可能性を信じて提示し続けることがプロとして在るべき姿だと私は思っている。

その3:繋がりのないメディアに売り込みを掛ける

これは本当に難しい。
殆ど成功しないという意識で良いと思う。

今の世の中、主要メディアは連絡先をネット上に公開している。だからどんなメディアに対しても売り込みを行うこと自体はそれほど難しいことではない。

ただ、覚えておいてほしいことがある。

それはメディアが公開しているのはメディアの代表となる連絡先であり、こちらが本当にコンタクトを取りたい相撲担当者のものではないからだ。

私がどんなに「こんな相撲の需要があります」「こんなデータ記事が御社には不足しているのでこちらで代行します」と言ったところで最初に見るのは代表連絡先の方だ。この方たちが内容を一読して担当者に繋げてくれなければ話は進まない。

これが郵送であれば「大相撲ご担当者様」と書いておけば回してくれる可能性もある。ただこのような提案は日頃から多く行われているからなのかもしれないが、返事はほぼ返ってこない。

それでも驚くような方から返事が来ることもあるし、想像よりも大きな提案として返ってくることもある。だからこれは頻繁に行うことではないが、たまに勝負を賭けるときに一気に行っておきたいことだと個人的には思っている。

私の場合は昨年本を出版しているので、これを郵送すると本気度が伝わるのか、そのまま捨てるのも忍びないと思っていただけるのか反応が返ってくることも少なくはない。ただこれをするにはかなり出費が嵩んでしまう。経費だと思ってこれは割り切っているが、やはり痛いのは痛いのである。

大事なのは「相手にとって良い話を提示することに徹する」こと

ここまで読んでいただいて、どのように感じられただろうか?

反応としてまず思うのは「そもそも仕事がゼロなのだがどうするか?」という方の質問だ。この時点では最初のオファーをもらうためにアマチュアとして実績を重ねるか、メディア側に魅力的な提案を断続的に行っていくことが求められるだろう。

やはりゼロを1にするのは本当に難しいことだと私も思っている。実は私は2014年くらいから提案は行ってはいた。この頃から主要メディアからTwitterはフォローいただいてはいたので注目はされていたと思う。

ただそれでも元々がゼロというのはそれだけで難しい部分もある。だからひたすらアマチュアとしての実績を積み重ねて誰かから声をかけていただく準備を絶えず行っていた。

そのため、もしゼロを1にしたいのであればアマチュアとして尖りを強化していくことと提案を行うことを両にらみで行っていくのが良いと私は思っている。

「繋がりのあるメディアへの提案はやってみたいけど、難しいのでは?」と考えられている方も居ると思う。刺さらなかった時に自分に対する評価が下がってしまう可能性もあるからだ。

私も実際そのように考えていた時期もあったが、相撲ライターとして世の中に提示したら刺さるかもしれないという一つの確固たる仮説があるのであり、提案に筋が通っているのであれば仮に却下されても特に問題は無いと思う。

提案というのは受ける側のタイミングの問題もあるので、たとえ良いプレゼンを行えたとしても最終的に通らないことなどザラだ。

あくまでも大事なのは自分がお金が欲しい、記事を掲載してほしいということではなく、そのメディアが記事を掲載することがどれだけのメリットになるか?という点を訴求することにある。

裏の意図として自己顕示欲や金銭的な欲求があるにしても、相手にとって良い話を提示することに徹する必要があるというのは忘れてはならないと思う。

ということで、もし機会があれば今度は実際にどのような形で提案しているか?ということについてもお話していきたい。何かライターとしての仕事について質問があればコメント欄、メッセージ何でもいただければ可能な限り回答するのでお待ちしております。

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