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おじさん叩きされると、関係なくても41歳の私も傷つくという話

おじさんが叩かれるのは仕方がない部分もある

自分が「おじさん」と呼ばれる年齢になって感じること。

それは世の中がおじさんを嫌っていて、何を言っても許される風潮が日増しに強くなってきているということです。

いやーしかし皆さんおじさん叩き好きですよね。まぁ仕方ない部分もあるんですよ。叩かれている部分を考えると仕方ないとも思います。

臭い。
ダサい。
時代錯誤な価値観。
その癖にモテようとする。
つまんねーものが好き。
氷河期自慢がうざい。
そのうえ説教したがる。

うん。
この部分を切り出されたら反論のしようがありません。

だって、臭いままでいいはずないじゃないですか。服装がダサいのだって直せますよね?おじさん構文とか本当に気持ち悪いじゃないですか。

その辺はまだ(?)笑ってられますけど、ハラスメント系になるとさすがに笑えなくなってきて、そのあたりは世の中から排除されなきゃいけない部分だと思っています。

おじさん的には自分が若いころになかった概念だし、日々考え方をアップデートしていかなければならないから難しいところはあると思うんですよ。

ただ世の中が急速に変わってきている中で時代に取り残される人を許容する余裕が失われていることと、一度世の中の見方が変わってしまうとそこから外れた考え方をする人は誰もが簡単に叩ける存在になっちゃう。

そして、その世の中についていけない存在で悪目立ちしている上に反論できないサンドバッグみたいな存在がおじさんってことになります。

おじさん叩きはおじさんの立場からするとしんどい

で、最近しんどいなぁと思うのが、おじさんが叩かれているのを見るとなんだか自分が否定されているような気持になることなのです。

私もおじさんと呼ばれる年齢だし「まだまだ若い!」みたいな感じでLEONとか読んでイタリアの遊び人みたいな雰囲気を作って若い子をナンパするような痛いことをする気は無いです。そもそも私は既婚者ですしね。

映画を倍速で見たり、短いダンス動画を好んで見たり、マッシュルームヘアにしたりという趣味は無いですし、確実に自分の感覚はトレンドから離れてきている自覚もあります。おじさんが飯食ったり街を歩いたりする映像が何より落ち着きます。

要は、自分がおじさんである自覚が日増しに強くなってきている。そして、おじさんという概念が嫌われ叩かれている。

ちょっとこれ、笑えないんですよ。
いや本当に、笑えない。

おじさんであることを自覚し、ネタにして対外的には笑っていますけど、老いていく立場であり感覚がズレてきている旧世代であり、しかも自民党と公務員とおじさん(15年前ならここに朝青龍が加わる)って誰もが気軽にフルスイングで叩ける格好の素材なわけで、何も言えずに作り笑いしているしかない。

わかります?

おじさんは分かると思いますが、そうじゃない人は絶対わかんないですよ。

最近「おばさん」という言葉を見なくなった背景

多分ね、そういう辛さに配慮する形で最近使われなくなった言葉って「おばさん」なんだと思います。近頃本当に見なくなりましたよ。「おばさん」って表現。

あれは多分、そのカテゴライズがしんどいんですよ。老いゆく現実をのど元に突きつけるし、確実に魅力のない表現ですしね。

「おばさん」っていうと大仏パーマの大阪のおかあちゃん思い浮かべるじゃないですか。休日にごろごろしてるお父さんに「ちょっとあんたぁ!」とか言いながら掃除機掛けてるみたいな。

だから本当に私は嫌いな表現なんですけど「~女子」とか「美魔女」なんていう言葉が作られて「おばさん」という誰もが嫌う表現をしないように配慮されてきているってことではないかと思うんですね。

まぁ「おばさん」という言葉には「おじさん」ほどの臭いだのダサいみたいな家庭内や世の中に対してマイナスなニュアンスってそこまで無いと思うんです。

だとするとより「おじさん」っていうマイナスのニュアンスをおばさん以上にてんこ盛りの言葉でくくられて、しかもその「おじさん」が安易にぶっ叩かれている状況ってしんどいことが分かってもらえるんじゃないかと思います。「おばさん」って言われなくない人からすると特に。

「おじさん」という属性で叩くのではなく、叩かれる行為をしている人を批判すべき

何が言いたいかっていうと、何故か人は属性で人を括り叩きたがる性質があるということ。

「オタク」って一くくりにしてオーバーサイズのネルシャツにダンロップのスニーカー履いて、アニメのポスターを聖剣のようにリュックに突き刺してるテンプレート通りの人を想起して「オタクはダセえ」って言ってるみたいなもんで。

ただこれって、あくまでもそいつが悪いわけで属性が悪いわけじゃない。

平たく言うとおじさんが悪いんじゃないんですよ。臭くてダサくてハラスメントしている奴が悪いんです。そしてその代表格がおじさんだから、その割合が多いからおじさんを叩いている。そういう構図になっているという話です。

例えば反町隆史はおじさんですけど別に臭くないし、ダサくもない。でも「おじさんが臭い!」て言っちゃうと反町隆史も巻き込んじゃうんですよ。全然悪くない人を巻き込んでるっていうことなんすよね。

ちなみに反町隆史についてネタにしていいのは歌唱力のことだけですからね。あと「反町さんの『ロイヤルミルクティ』の歌詞は俺では書けない」(押尾学談)もか。

ハラスメントしている奴の中にはおばさん(敢えてこの表現をします)だって居るし、若い人だって居る。ダサくて臭い奴だって同じことです。

ただ悲しいことに、嫌われる特徴を多く持っているのがおじさんっていうのは否定できないことです。だからおじさん叩きっていうのはおじさんではない立場で疑問視する人が少ないと思うんですね。

そしてその嫌われる「おじさん」という属性を持つ立場から声を上げにくいという面もおじさん叩きを助長する結果になっていると思います。

例えば私が「おじさん叩きにNoを!」なんて幟を掲げて渋谷をデモ行進なんかしたらぶっ叩かれちゃいますよ。ふざけんなよ、普段こんなに迷惑なことしているクセに。反省が足りねえんだよ!そういうところだよ!って。

だから私が言いたいのはそういうことじゃないんです。行いが悪いのは仕方がない。それは社会として問題提起して、該当する人たちは直していかねばならない。

とにかく言いたいこと。
「『おじさん』という属性を叩くんじゃねえよ」ってこと。

だからあんたの家のお父さんが臭かったら、お父さんにそれを直してもらってください。職場のセクハラ上司が居たら、社内のハラスメント窓口に相談してください。

属性がわるいんじゃなくて、そいつが悪いんです。

だからね、せめておじさん叩くときは「おじさん(西尾克洋さんと反町隆史さんを除く)」とかしてもらえないかなぁ。違うって分かってるけど辛いんすよ。

叩く前に「臭くないおじさんって居なかったけな?」とか「これをおじさんってカテゴライズでくくって叩いたらそうじゃない西尾克洋さんは傷つかないかな?」って一度踏み止まってほしいんです。

あと、叩かれる要素持っている人をひたすら叩き続けるの、もうやめにしませんか?せめてこの記事を読んでくださっている方は、そういう余裕を見せてほしいと祈っています。

叩ける奴を叩いても、あなたの生活は何も変わらないのですから。

という訳で、おじさん叩きに傷ついている西尾克洋さん(8月29日で42歳になるおじさん)に優しい言葉をコメント欄でお待ちしております。

追記

相撲関係でヤフーニュースに公式コメンテーターとしてコメントするとこんな感じになります。


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