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10年前フロンターレサポーターに感銘を受けた相撲ライターが、地域密着に関する報道を考えた


今日も同じ内容をVoicyでも行っております。
noteでもVoicyでもいただいたコメントには次回放送の時にVoicy上でコメント返ししていますので、そちらもお聴きいただけると嬉しいです!

川崎フロンターレに関するニュースが気になる

Voicyの今日のテーマが「ニュースまとめ」ということなので、気になるニュースを探してみました。っていうか、今週は私の思い入れ的にこれ一択かなというのがありまして。

それは、「川崎フロンターレ、サポーターから『地域密着は後回し』との横断幕」というニュースです。

私は川崎の登戸という小田急線の急行が停車する町で育ったことから、登戸という町は結構ネタにしていますし、Voicyではまだそんなにしゃべっていないですけどnoteでは結構この町でのエピソードはガンガン語っていますからね。濃い町なんですけど、まぁ想い入れもありまして。

その登戸のある川崎市が誇るサッカークラブであるフロンターレでちょっと気がかりな報じられ方をしていたので取り上げてみようかと。

Jリーグは地域密着を理念に掲げてきた

サッカーというか、Jリーグに興味がある方には結構有名な話なんですけど、川崎フロンターレというサッカークラブは地域密着を相当密に行っているんですよ。

プロ野球が「読売ジャイアンツ」みたいな感じで球団名に親会社の名前が付くくらい80年代までは企業色をかなり強く出していて、それと対極と言える方針としてJリーグ自体がスタート当初から地域密着を掲げていました。企業色を出したいとある会社が離れることになりましたし、その概念が根付くまでの間は苦戦することもありました。

で、川崎フロンターレというのが本当にJリーグの理念から考えると優等生みたいなクラブで、ヴェルディ川崎との対立とか色々ある中で難しい土地柄ではあったんですけど、地道に長い時間を掛けて地域との信頼関係を結んで、2010年代からは強豪チームにのし上がったという歴史があるんです。

サッカーに興味が無くてもフロンターレの試みは目に留まる

地域のファンに楽しんでもらうための施策っていうのが凄くて、何故かバナナを売ってみたりとか、川崎の至る所の商店街に選手が顔を出してファンの方と交流したり、教育委員会とタイアップして算数ドリルを作ったりと、あんまり聞いたことの無いようなことを企画して、楽しんでもらっているんです。

これに関しては川崎という町に住んでいるとフロンターレがいかに力を入れているか?っていうのが本当によく分かるんですよ。私は相撲の方が好きなのでフロンターレって今年は強いのかな?ってな感じで結果をみたりとかどんな選手が居るかを多少知っていたりとか、まぁそんな程度の興味だったんですけど、でも何かをするたびにニュースになって、フロンターレっていうのはいい意味で地域にとって目に留まることをしているクラブなんですね。

だから、地域住民としてはすごく親しみのあるクラブで。

地域の少年たちがフロンターレから世界に羽ばたいていく

こういうクラブ運営をしていると、ファンも付いてきますけど地域の子供がユースに入って、そこから成長した選手が中心選手になって、海外に羽ばたいていくんですよ。

三笘選手と田中碧選手のエピソードもありましたけど、川崎フロンターレって川崎出身の選手が本当に多いんですよ。私が子供の頃って100万都市の割にスポーツエリートってなかなか出てこない土地柄で、なんでかな?って思っていたんですけど、スポーツ熱と育成環境っていう二つが整うとちゃんと出てくるんですね。

本当に私の実家の近所のエリアからサッカーで有名人がポコポコ出てくるんですよ。そんなことってフロンターレがこれだけ愛されるようになったからこそのもので、すごいなぁっていう目で見てきたんです。

相撲部屋とのコラボまで行っていた

で。
相撲ファンの私もその試みに驚いたことがありまして。
実は、相撲部屋とのコラボもしていたんですよ。

春日山部屋っていう相撲部屋がかつて川崎に存在していまして、試合前になるとスタジアムの外でちゃんこを振る舞ったりとか、「イッツアスモウワールド」っていう冗談みたいなタイトルのコラボ企画をして力士が登場したりとか、相撲ファンの私でもちょっと身を乗り出したくらいなんですよ。

結局春日山部屋はなくなり、中川部屋になりましたが、その中川部屋も閉鎖となり、今は相撲部屋との交流ってどうなっているのかはちょっとわかりませんが、ただ、サッカーに対する興味がまぁちょっとはあるっていう程度の私も気にせざるを得ないところまでは行ったんですよ。この時期にね。

フロンターレサポーターが国技館に相撲観戦に来た時に感銘を受けた

特にこの、相撲部屋とのコラボで印象深い出来事がありまして。

というのも、フロンターレのサポーターの方が春日山部屋を応援するために集団で両国国技館に来られていたことがあったんですね。

当時の春日山部屋って十両以上の力士が居なかったんで、15時までにすべての力士の登場が終わっちゃうんですよ。そうすると、春日山部屋には興味があっても相撲はそうでもないみたいな人からすると退屈じゃないかと思うんですけど、最後まで皆さんすごく楽しまれていて。

後で聞いたらバスを貸し切ってのツアーだったらしいんで相当な人数だったんですけど、フロンターレのユニフォームを着た集団が皆さん相撲にも愛があって、真剣に見守っている。ああ、フロンターレっていうクラブが素晴らしいんだなっていうのをその時に感じて感銘を受けたっていう記事を書いたらそれも多くの方が拡散してくれて。

その時の記事です。
これは当時スポーツナビブログで書いたもので、閉鎖に伴いワードプレスのサイトに移行したものです。

だから、単に相撲愛があるっていうだけじゃなくて、私自身もとても恩があるんですよ。

私自身、その後何度か等々力に足を運んだ

国技館でサポーターの方と出会ってから私もこれはフロンターレの皆さんにお返しせねばってことで、等々力競技場に足を運んだこともありました。

相撲のブロガーが来たっていうのを一目で認識してもらうために、ゴール裏に1人で着物を着て行ったんですよ。当時の私はどうかしていると思うんですけど、よりによって一番盛り上がっているところにこの出でたちで行けば目立ちますよね。

でも、あーこの前スポーツナビブログでフロンターレのことを書いてくれた相撲のブログの人だ!ってことで皆さんご存じだったみたいで、この珍妙なブロガーを喜んで迎え入れてくれて。

そして、その時の記事です。

応援の仕方とかチラシとか渡してくれて、で、いろんな選手のことも教えてくれて、気づかずにやってしまったことも窘めてくれたりしてくれて。しかも試合も勝って。それから両国に引っ越しまではちょくちょく等々力競技場にも足を運んでいたんですね。

素晴らしいクラブ、サポーターの存在と、今回のニュース。

だから、私にとっては川崎フロンターレっていうのは本当に素晴らしいクラブ運営をしていて、そして素晴らしきサポーターの方にも恵まれていて。理想的なクラブ運営をしているJリーグチームっていうイメージしかなかったし、実感もあったんですよ。

近年川崎フロンターレが強豪クラブとして君臨していることが誇らしくもあったし、足を運べては居ないんですけど、心の中には川崎フロンターレっていうクラブが自分の中で生きていて、絶対どこかで気に掛けているんです。

地域で横目に見ているだけでも楽しいし、実際に潜入してみてもいい思い出しかない。そういう意味で、私の実感とは真逆のニュースが今回いきなり出てきてしまったので驚いているんです。

素晴らしいサポーターに恵まれているからこそ、指摘には向き合わねばならない

実態はよく分からないですし、フラットに見た時の評価ってどんなものなのかはここ数年川崎フロンターレを応援してきた人、川崎に住んでいる人にしか分からないことではあると思うんですよ。地域密着がかつてほど出来ていないというサポーターの指摘については。

ただね。私には根も葉もないことだとは思えないんですよ。あのサポーターの方達が単なる思い込みだけで、逆恨みのようなことをしているっていう訳ではなくて、全て正しくはない可能性はありますけど、でも一定の信頼性はあることだけは想像できるんです。

勿論これは、ちゃんと実態を調べてみないといけないし、妥当かどうかは検証が必要ですけど、あのサポーターの方達に納得していただくだけのことはしなくちゃいけないかなとは思うんですね。それだけの価値のある皆さんであることはよく知っていますので。

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