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川崎市民は皆知っている「ゴミ収集車の歌」のちょっと悲しい話

地域特有の歌ってありますよね

皆さんの地域でしか聞かない、ちょっと変わった曲ってありますか?

地域のコミュニティで継承されている曲でもいいし、こんなCMソングがある!とか、様々なパターンがあると思うんですよね。

例えば私だと、地方に住んでいたのは福島県福島市に居た1年だけなんですけど、ヨークベニマルってスーパーのCMが絶えず流れているんで、嫌でも覚えるんですよ。

「ヨーックベニマル いっちにっさんの市~」

って。
覚えたくもないのに。

今もこの歌なのかな?

で、当時東北大進学会という学習塾の社員(講師)だったもので、生徒が問題解いてる間にふと口ずさんじゃったんですよ。そしたらすげえ笑われまして。なんでそんなもん大人が歌うんだよ、って。

多分中学生くらいになるともうそういうの一通り通過しちゃうんでしょうね。あんまりいじられてムカついたので、こっちも東京伝来のやつを教えてやりましたよ。

「ビ~~ック ビックビック ビックカメラ♪」

って。

福島の子たちだから当然ビックカメラとか知らんわけですよ。何だよ「ビック」って話になりますよね。人類が初めて火を見た時みたいなリアクションですよ。いやー、あれ教えた日はまるで授業にならなかった。上司が見学に来なくて本当に良かった。

川崎には「ゴミ収集車の歌」がある

でね。

じゃあこの「ちょっと変わった歌」ってだいぶ変わってる町である我が地元:登戸にもなんかあるの?って話です。

まぁだいぶ変わっていて、ショボくて、稲田中学校略して「稲中」に大概進学する町:登戸ですけど、私がショボいショボいって啓蒙(もとい罵詈雑言)しておきながらアレなんですが、一応立地的には相当都会なので地域伝来の何かとかは無い訳です。

そもそもベッドタウンとして発展している地域で、元々そこに住んでいた方が3割、高度経済成長期以降に移り住んできた方が7割くらいの町なので当然っちゃあ当然なんですけどね。

そんな町の成り立ちもあって伝来の歌は無いんですけど、これを知らない奴は絶対モグリっていう歌が一つだけ、でも一つしかないんです。

元川崎市民のゆゆんゆさん、絶対知っていますよね?

そうです。
ごみ収集車の歌です。

今日の記事は、だいなさんのこの記事からの着想です。

川崎って20年くらい前まで殆ど毎日ごみ収集があって、しかも分別を何もしなくても全て回収してくれるという、エコをガン無視しているけど利便性は最高っていう奇妙なゴミ政策がありまして、一日中その辺をゴミ収集車がブリブリ回っているんです。

で、そこら辺を徘徊する青いゴミ収集車が来ることを、私たちはこのゴミ収集車の歌で知る訳です。このメロディが聞こえると「やべえ!まだゴミ出してねえぞ!」って言ってごみ処理場にマンションの住人がダッシュで駆けつけるみたいな感じ。

このメロディがちょい哀愁あるんですよ。哀愁を匂わせながら、ごみ収集のおっちゃんが猛ダッシュしている。そしてごみを出す方も猛ダッシュしている。

傍から見るとすげえ変なんですよ。でも、これが登戸、というか川崎の伝統なんです。

「ゴミ収集車の歌」は正しくは「川崎市民の歌」

ただね。
じゃあこの歌ってなんなの?
って話で。

確かに哀愁を帯びた曲を何の理由もなく選ばないじゃないですか。軽快ではありますけど、あと慣れた側からするとあんまり違和感は無いですけど、独特の光景ではある。

結論言っちゃうと、その哀愁を帯びた軽快な曲は川崎市の歌なんです。

ただ、歌う機会って無いんですよ。だから地域住民的にごみ収集車の歌と化しているんです。だから誰でも口ずさめるんですよ。

あ、えっと、「フフーンフフフーン♪」みたいなのって音楽用語で何っていうんでしたっけ?ハミング?サミング?洗濯用洗剤みてえな名前なのか、それともプロレス的には目に指を突っ込む反則みたいな名前なのか、ちょっと微妙だけどまぁいいや。

もとい。

地域住民が殆ど歌えないこの「川崎市民の歌」。だけど、最後の歌詞だけは大体みんな知っています。

「好きです。川崎。愛の町。」

でね。

公立の小学校とか中学校に通っていると、忘れたころにこの歌を歌うってことがあるんです。本当に数年に一度レベルですけどね。

ただ、こっちは歌詞知らんのですよ。
だから、歌ってるフリするんです。

フフーンフフフーン、フフンフフーンフフフーン♪

ハミングの大合唱ですよ。

周囲からはまるで歌詞が聞こえてこない中で、みんな川崎市民だからゴミ収集車のことがあってメロディは口ずさめる。だから、ハミングするんですよ。

ハミングで誤魔化して、繋いで。そして最後だけは歌えるから「好きです。川崎。愛の町。」はフルパワーで行く。

先生たちもさすがにこれは怒れないです。
俺たちも歌詞知らねえよ!ってなるんで。

そんな不遇の歌であり「ごみ収集車の歌」こと、川崎市民の歌。

「ごみ収集車の歌」を2万人で合唱する日が来た

でも。
この川崎市の歌が遂に、みんなで大合唱される日が来たんです。

私もそんな風習があるとは知らなかったのですが、大相撲の春日山部屋と川崎フロンターレの密なつながりについて10年近く前にブログに書いた時に「是非等々力競技場に来てくれ!」とフロンターレのサポーターの方から大勢コメントをいただいたことがありまして、相撲流儀で着物を着て等々力のゴール裏に単身乗り込んだことがあったんです。

その時も結構大変なことになったのでまた記事にしますが、ゴール裏って一番熱狂的なサポーターが居るところなんですよ。だから、「幕下相撲の知られざる世界の人が着物着てきてくれたぞ!」って、大歓待を受けまして。

なかばもみくちゃになりながら、ゴール裏の最前列に招かれて、色々と応援のしきたりを教えてもらうんです。

試合前からアンパンマンの替歌で小林悠の歌とか、オリジナルは知らないけど「かわさーきのーよしとー」っていう大久保嘉人の歌とかみんなで歌ってテンション高めて。

で、試合が始まる直前に、仕上げにみんなで合唱するんですよ。
「川崎市民の歌」を。

え!?
あれ歌うの??

私は当然ながらハミングです。

でもね。ゴール裏のちょい怖そうなお兄さんお姉さん方はみんな歌えるんですよ。小学校や中学校で同級生に居たら絶対歌えないような風体の人たちがですよ。

すげえ!!
この歌ちゃんと歌える人たち初めて見た!!

等々力の2万人がみんなでごみ収集車の歌を熱唱ですよ。こりゃもうビックリですよね。

そして私も最後だけはみんなと一緒に「好きです。川崎。愛の町。」を決めてハイタッチです。ああこの人マジで川崎市民なんだ!って理解してもらえた、と。

このフレーズ、合言葉みたいなもんです。


川崎市民の歌

川崎でゴミ収集車している光景

等々力競技場で2万人に歌われる「川崎市民の歌」

川崎版「六甲おろし」ですよ。すげえいい感じだ。ちなみに勝ちそうなゲームの終盤ではtrf「Crazy gonna crazy」の替歌を大合唱します。

という訳で、いかがだったでしょうか?

皆さんの町にある歌やごみ収集車のメロディ、あとショボい町登戸や川崎に関する感想はコメント欄でお待ちしています!


■挨拶・自己紹介・雑談用の記事も作りました。

■共同マガジン作りました。

これはヤバい。全部面白い。初めからこれは凄いことになってる。

完全体になるにはとりあえず7人くらいで、毎日1本(一人が週一くらいのペースですが、そこは無理せず)上がるのが良いかなと思っています。

笑点で言えば歌丸(さぼてんさん)、楽太郎(リトさん)、こん平(ががさん)、圓楽(西尾)が埋まったので、好楽、小遊三、木久蔵のヘッドハントを進めます。


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