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枕五味 makuragomi
2021年1月4日 01:57
10年前。この日からその日は俺の誕生日になった。空はどんよりとした重苦しい雲に覆われ、ちらちらと雪が静かに地上に降り注がれていた。虚ろな目でその時の俺はその光景を眺めていた。この身を包むのはゴミ捨て場で拾った厚手の大人用のコートだ。身長が大の大人の半分くらいしかなく、骨に皮が付いた程度の身体を持つ当時の俺にはこの環境は厳しすぎる。何処ぞの使われてない納屋でこそこそ隠れて過ごしていたが、納