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「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を読んで。

こんにちは。

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を読んで心に残ったところを書き出してみたいと思います。

変えたのは1つだけ

しかし、変えたことそれぞれの根っこには共通点があります。究極的には、変えたのはこの1つだけと答えてもいいでしょう。それは「消費者視点(CustomerDriven)」という価値観と仕組みにUSJを変えたことです。USJが消費者視点の会社に変わったということが、V字回復の最大の原動力だと思います。

もうこれが結論でいいよね、、という言葉「消費者視点」

この視点を持てるかどうかが事業成功のドライバーだと思っています。「自社視点」だけでは手前都合になるし、「競合視点」だけでは競合からシェアはとれるかもしれないですが、消費者が満足するかどうかわかりません。

シンプルに、消費者が満足してもらう商品・サービスを提供し続けることが、自社にとってメリットになるし、結果競合との差別化につながると考えています。


なぜ「消費者視点」は簡単にできないのか?

会社という組織が消費者視点で一致団結することは、自然状態では困難だと私は考えています。大きな組織になればなるほどそれは難しい。その理由は、会社というたくさんの人が集まっている集団の中では、会社の利害と個人の利害が必ずしも一致しないからです。

会社の意向と個人の意向のどちらをとるか?となれば、ほとんどの人は「個人の意向」をとると思います。なぜなら、人は自分以上に大切なものはないからです。

中には貢献主義(他者に貢献することが自分のやりがい)の人がいて、その人にとっては「他者がいるから自分がいる」というスタンスを持っているケースもありますが、あまり多くはありません。

多くは自分の役職・給与・関係性を気にして、「自分はどう見られているか?」「良く映っているか?」と考えています。

最近思うのが「それは自信のなさの表れだな」と思います。

自信がないから役職や給与や関係性に固執するということです。そしてそれらを手にして自信という鎧を身に着けた方が、努力せず楽だから、とも感じます。

本当に自信がある人なら役職も給与も関係性も後から勝手に付いてきます。だから、他人目は気にならないんです。

私は自分に自信があるわけではないけれど、職能・魅力で勝負したい。そこに肩書きがなくても魅力的な人になっていたい。そう思って生きています。


企業の上層部がマーケティング力の強化に本腰を入れない理由

1つは「どうしたらいいかわからない」というもの。自分達がマーケティングを知らないままずっとやってきた世代なので、果たしてどうやって組織を作って、誰を雇って、どうやって社内運用すれば良いのか見当がつかない。

更には自分達(社長や幹部)も「正直言ってマーケティングの言っていることがどう正しいかわからないので、組織を変革するのが不安だ」というパターン。

最近、ツイートした内容でエンゲージメントが高かった内容とリンクしているので、↓に埋め込んでおきます。

「上層部はわからないけど聞けない」。だからそれとなくマーケティングっぽい組織をつくり、それっぽく運用する、という悪循環が起こっています。

もう1つは「己を凌ぐものを嫌がる」というパターン。これは創業者や中興の祖がまだ顕在なワンマン企業に多いパターンです。突出したリーダーの直感と判断によって成功してきた成功体験が、違うやり方への変更の必要性を薄めています。

また少なからずこの絶対権力者の「エゴ」がバリアになる場合もあり得ます。「マーケターだかなんだか知らんが、自分以外の人間が重要な方針を決めていくのは面白くない」というケース。

己を凌ぐものを嫌がる、というのは先ほどの「役職・肩書き」にこだわる人にとって最も嫌がるパターンだと思います。

なぜなら役職や肩書がなくなったら、「自分が必要とされていない」「自分の能力が足りていない」ということが分かってしまうからです。

だから出る杭を打つ。自分のことしか考えていない人が考えつきそうな思考回路です。


良い戦略と悪い戦略をどう見分けるのか?

セレクティブ:選択的かどうか?
やることとやらないことを明確に区別できているか

サフィシエント:十分かどうか?
経営資源がその戦局での勝利に十分であるかどうか

サステイナブル:継続可能かどうか?
短期ではなく中長期で維持継続できるか

シンクロナイズド:自社の特徴との整合性は?
自社の特徴(強みと弱み、あるいは経営資源の特徴)を有利に活用できているか

よく、戦略とは「やることを決める」のではなく「やらないことを決める」と言われることがあります。

限られたリソース(=ヒト・モノ・カネ・情報など)をどこに割くのか?短期的ではなく、中長期的な視点で会社に利益のあるものなのか?自社の強みが活かせるものなのか?

を考え抜き、選択することが良い戦略づくりの基本であると考えています。

単純な価格施策、芸能人・タレントを使ったインフルエンス、他者の二番煎じを行うことに何の意味も意義もない、と考えています。


有効なコアターゲットを発見する6つの切り口

ペネトレーション:
カテゴリーの中で自ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはいないか?

ロイヤルティ:
既存の使用者の中で「SOR(Share of Repuirements)」を伸ばせるグループはないか?

コンサルプション:
既存の使用者の中で1回あたりの「消費量」を増やせるグループはいないか?

システム:
既存の使用者の中で使用商品の種類(SKU数)を増やせるグループはいないか?

パーチェス・サイクル:
既存の使用者の中で購入頻度を上げる(購入サイクルを短くする)理由を作れるグループはいないか?

ブランド・スイッチ:
競合ブランド使用者の中にブランド変更の可能性の高いグループはないか?

↑は「既存顧客」を増やす活動の際に考えるべき視点だと思います。

西口さんの9セグマップでいうところの「①積極ロイヤル顧客」を獲得するための切り口(手法)、と言うイメージです。

9セグマップ

このような具体的なフレームワークは世の中になかなか出てこないため、貴重。実戦的で勉強になります。


マーケターに向いている4つの適正

①リーダーシップの強い人
人を動かすことで結果を出す、個人技としての統率力

②考える力(戦略的思考の素養)が強い人
高い知性を戦略的に活用できる人

③EQ(人の心を読み解く)の高い人
「空気」も「行間」も抜群に読める人

④精神的にタフ(挫折経験がある)な人
ストレスを栄養に変え、さらに前を向いて歩き続けられる人

インターンや就活生の話を聞いていると、企画職やマーケティング職に興味を持っている人が多い気がします。

マーケティングはおもしろいので、ウェルカムなのですが、実の仕事はというと、ファクトを整理して仮説を立てて、検証する、というサイエンス要素が高いとても地味な仕事です。笑

「企画やキャンペーンを考え、Web広告やイベントを実施する」というのは戦術(施策)が世に出てからの話なので、それまでにはリサーチ・課題発見・仮説構築・企画提案・組織内の根回し・・・と、とても地味で長いトンネルを通る必要があるのです。

気が遠くなるほど長く、心が折れそうなときもあるわけなので、、、

やっぱり強いリーダーシップと聡明な知能をあわせ持ち、何よりもタフであること(ここがめちゃくちゃ重要)が求められるんだと思います。


なかなか変われないのはなぜか?

人は変われない。なぜなら人間の行動は「価値観→意志・心構え→技術→行動」の順で変わっていくため、時間がかかるからだと思っています。

まずは価値観が変わり、次に意志・心構えが変わります。その後、技術が身に付き、最後に行動が変わるようになります。

今回のコロナによって、ビジネスは大きく変わりました。そして「人と会うことの価値」「自分にとって本当に大切なものはなにか?」といった価値観も変わりました。

私も1ヶ月、フルリモートにより自宅で働くことによって「家族の大切さ」「家族と一緒に過ごすことの楽しさ」「子育ての難しさ」を痛感しました。

普通に外に出て仕事をしている方が楽で効率的だな、とも思いました。一方で、常に家族がいて、会話できる尊さにも気が付きました。子どもの成長も毎日見守れる大切さにも。

だから、自分が何を大切にしているか?を考え、意志・心構えとし、そのために生き抜く技術を身に付けて、行動が変わっていく、ということなんだと思います。

いつまでも自分の価値観に正直に、そして正直に生きるための知恵・技術を手にできるよう、努力をし続けたいと強く感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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