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『サイバーエージェント流成長するしかけ』を読んで。

曽山哲人氏の『サイバーエージェント流成長するしかけ』を読んで、個人的に心に残ったことをここに書き残しておきたいと思います。

「一番大変だったのは?」『考えたことない』

(本書より抜粋)
取材していただいているときの質問で、何度か「一番苦労されたのは?」とか「一番大変だったのは?」とか聞かれましたが、普段そんなこと考えてもいないので返答に困りますが、思い起こしてみれば、今もそうですが、苦労や大変だったことを並べ立てればきりがありません。社員は採用できないし、資金は調達できないし、大手の壁は厚いし、立ち上げ当初は怪しがられて市民権さえ得ることができませんでした。できないことだらけでしたが、そんなことは大前提で、それでも結果を出すために必死にやってきました。

↑の言葉は藤田社長の言葉です。

私も少し前にインタビューを受ける機会があり、同様の質問(これまで大変だったことは?)を受けたとき、返答に困ってしまいました。というのも、そんなこと考えたことがなかったからです。辛い・大変・悔しいことなんて当たり前に起きていて、その感情を噛みしめる間もなく打ち手を考えていたので、振り返ったことがなかったのです。

仕事をしているので、そりゃー大変なこともありますが、大変であることで立ち止まっていては物事は進まない。だからそれを乗り越えるために一生懸命やるしかないんだと思います。

ビジョナリー・カンパニーとは?

(本書より抜粋)
・ビジョナリー・カンパニーは利益を超えて、基本的な価値観を守ることを最大の目的にしている。
・ビジョナリー・カンパニーの基本的価値観とは、「何を価値観とするべきか」ではなく、「実際に自分たちが大切にしているものは何か」である。それが正しいかどうかではなく、それを深く信じているかどうかが重要である。
・ビジョナリー・カンパニーは「社運を賭けた大胆な目標」に挑むことを恐れない。
・ビジョナリー・カンパニーは、その基本的理念にぴったり合う者にのみ、素晴らしい職場であって、合わない者は病原菌か何かのように追い払われる。その中間はない。
・大量のものを試し、うまくいったものを残す。綿密で複雑な戦略を立てて最善の動きを取っているかのように見えるのは、後から見ればそう見えるだけである。

こちらも藤田社長の言葉の抜粋です。

基本はビジョナリー・カンパニーの抜粋ですが、今この指針に従って経営している日本企業がどのくらいいるのでしょうか?海外ですが、個人的にはネットフリックスの人事戦略にすごく近いと感じました。理念に共感し、立ち返る場所がある。自由と自立が共存している組織、会社。それを目指したい。

オールウェイズ・ポジティブ、ネバー・ギブアップ。

(本書より抜粋)
始めから終わりまで順風満帆にことが運べばとても素晴らしいのですが、たいがいの仕事にピンチはつきものです。「もうダメだ」。「ぜったいうまくいきっこない」。弱音の虫が顔を出したら思い出してください。サイバーエージェントの過去には、今、あなたが直面しているよりも、もっときつ「もうダメだ」や「うまくいきっこない」があったということを。それを乗り越えたのは、「あと少しだけやってみよう」という粘りと「なんとかしてやろう」という前向きな楽観主義に他ならなかったことも。

これはホントにそうで、「タフであること」と「楽観主義」。これは間違いなくスタートアップで必要なマインド・スキルだと思います。タフだけでもダメ出し、楽観主義だけでもダメ(笑)。やることはやった!あとは何とかなるっしょ!を共有できる組織は強いと思います。

本音の対話なくして最高のチームなし。

(本書より抜粋)
チームワークや組織の和を重視する当社に起こりやすい問題です。ストレートに言う。率直に伝える。本音で話すことが大事。短絡的に、ただの仲良しにならないように。

これは私の信条でもありますが、攻殻機動隊の荒巻課長の言葉でこんなものがあります。

我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。

チームプレイなんて仲良しごっこだと思っています。不足は誰かが補う、補完し合う。その意味はわかります。でもその言葉には逃げや責任転嫁が含まれている場合があります。できないのなら寝る時間食う時間を惜しんでできるまでやればいい、というのが私の意見です。

だからそれぞれがスタンドプレーできれば結果それがチームワークになる。組織内で同じ志で仕事をし、それぞれが努力している。それ以上のチームワークは存在しないと思います。

※左ききのエレンでもこんな言葉が↓

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仕事に熱くなろうぜ。

(本書より抜粋)
お客さんのこと、仕事のこと、会社のことを飲みながらも熱く語る姿をよく目にしますが、「アフターファイブは仕事の話はするなよ」、といったような雰囲気はほとんど感じられません。人生のたくさんの時間を費やす自分の会社や自分の仕事に熱くなれないのは、本当に悲しいことです。私たちの会社のこういったカルチャーは、いつまでも大切にしていきたいですね。

もう書いてあること全てに共感しているのですが(笑)、やっぱり1日の大半を過ごす仕事に本気で打ち込めない人ってかわいそう、と思ってしまいます。そして私は男なので仕事は生きる糧です。せっかく大半を過ごしている仕事。せっかくなら熱く本気で取り組みたいものです。

マネージャーの仕事は「組織の成果を出すこと」

(本書より抜粋)
モチベーションを上げることも、盛り上げることも、褒めることも、叱ることも、それは手段でしかない。これを間違えると、盛り上げたり活性化をしているように見えながらも、成果が出せないマネージャーになる危険性がある。あくまで「組織の成果を出す」ために必要なことを実行して、実際に「成果を出す」のがマネージャーの仕事である。

面喰らいました。成果を出すことが責務と分かっていたつもりでしたが、改めて言われると「おぉ」という感じです。マネージャーってモチベーションの維持、上昇や部下の成長に重きを置きがちなのですが、それは本当に手段でしかなく、大事なのは成果であることを改めて認識させられました。どんなに周りからの信頼があっても結果を出せないマネージャーは選ばれない。会社に属している以上、結果を出してナンボです。

人事制度は「流行らないと意味がない」

(本書より抜粋)
退職率が高かった部署や人事施策がなかなか浸透しない部署について、その原因がどこにあるのかを分析したことがあります。その結果、簡単に言えば「メンバーが白けている」状態にあることがわかりました。いくら人事や上司が旗を振っても、個々のメンバーが白けていては、思うような成果は生まれません。

昨年の暮れにサイボウズに会社見学に行ったときにも、社員の方が全く同じことを言っていました。流行って、盛り上がって、巻き込んではじめて活用される。だから活用側のことをもっと理解して、良いものをつくる、というサイクルはどの取組においても不変だと思います。社内でも社外でも流行りを創るにはそこにいる「ヒト」に寄り添うことが大事だと改めて感じました。

以上です。

自分自身がまず楽しく働けて、周りの社員も楽しく、そして自立している。結果、成果を出せている、そんな組織、会社を創っていきたい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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