自治体は、DX改革以前に《アナログ改革》が必要!

こんにちは。
株式会社MAKOTO WILL代表の菅野です。

今回は、かれこれ10年間自治体の現状を目の当たりにしてきた人間として、自治体に対して感じることを綴っていこうと思います。

1.DX改革以前に《アナログ改革》が必要!

これが私の意見です。

日本では2018年ころからDX化(デジタルトランスフォーメーション)への転換が叫ばれており、2020年ころからは自治体においてもDX化への対応が求められるようになってきました。

現在ではDX化へ対応するための様々なソリューションが開発されており、全国の自治体でもこの種のサービスや施策を導入する動きが散見されます。
しかし、私はDXに取り組む前にアナログの業務改革により職員の皆さんの余裕を生み出すことがなによりも重要だと考えています。

ではなぜ、今さら《アナログ改革》が必要なのか?
そもそも、《アナログ改革》とは何か?

私が実際に目の当たりにしてきた2つのエピソードをもとにご説明します。

ケース1.外部に出すメールはすべて係長決済が必要
私が公務員時代に勤めていた部署では外部に送るメールはすべて係長決済となっていました。著しく業務のスピードが落ちるばかりでなく、自分に与えられた権限が制限されている感じがあり、モチベーションも棄損したのを覚えています。

ケース2.ミスを防ぐための三重チェック
以前お話をお聞きしたある自治体では、窓口業務のオペレーションの中で三重チェック体制を敷いている事例がありました。ミスを防ぐための体制は重要ですが、業務負荷が高すぎる場合は見直しも必要となることでしょう。

アナログ改革とは、上記のような、高度なデジタルが必要となる以前の、ルールや仕組みで改善できる改革を指します。

2.過剰品質になりやすい組織体質

なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。
私は、一つには自治体特有の「過剰品質になりやすい組織体質」が起因していると考えています。
たった一度のミス等の出来事により、ミスを防止するための過剰なルールや決まりごとが増え、結果全体的にはミスを防ぐメリットよりも業務負荷が増えるデメリットの方が大きくなってしまうのです。
常日頃住民の声を意識して業務を行うあまり、こうした過剰な対応がとられてしまうことが要因であると考えています。

3.アナログ改革とは、「過剰品質の是正」から

アナログ改革を具体的に進める際、上述の過剰品質の是正から取り組むことをお勧めします。なぜなら、コストを最小限に抑えて実施できるからです。必要なのは業務を見直し、大胆に取捨選択をすることのみです。
では、やらない業務の意思決定はどのようにすれば行うことができるのでしょうか?始めること以上にやめる意思決定は「理由付け」をうまくできないと組織としての意思決定にたどり着けません。
カギとなるのは自組織の状況を他と比較して相対化することです。他の自治体と比べてどうか、民間企業の常識と比べてどうか、といった目線で比較することで自分たちの業務を客観視することができ、やめる意思決定に近づくことができます。

4.皆さんの職場に、過剰品質はありませんか?

ここまで述べてきた通り、私は行政DXの一丁目一番地はアナログ改革からだと考えておりますし、元自治体職員として、自治体の業務改革には大変関心があります。そこで、私と同じ課題感を共有できる自治体職員の方を探しています。現場で働かれる皆さんとの課題感共有を通じて「私たちにできることは何か?」を、是非考えさせていただければと思います。

皆さんの職場に、過剰品質はありませんか?

心当たりのある方で、課題感を共有していただける方はお問合せください。
お問合せページ:https://mkto-will.jp/contact/

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