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Thinking Botanically.

今日は『植物は<未来>を知っている 9つの能力から芽生えるテクノロジー革命』(著:ステファノ・マンクーゾ 他)から「《葉序タワー》」を読みました。

毎朝のルーティーンで、花の写真を観察しています。本当は実物の花を観察したいのですけれど。花を観察しては、受ける印象、その印象はどのような特徴に由来するのかを、直観にしたがって手短にサッと書き留めています。

根、茎、葉、花弁。どれも個性的で、受ける印象も様々です。かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチは植物を観察する能力にも長けていたようです。樹木の年輪の形成の仕方、年輪の数、幅、経験してきた気候…。

いったい何が葉序を正確に定めているのか? さまざまな植物の枝についた葉の並び方を注意深く観察してみると、一定のルールにしたがって並んでいることに気づくだろう。きちんとした螺旋状に配置されているものもあれば、幹から分かれている分枝に対して垂直に配置されているものもある…….。ようするに、どんな植物も葉の配列については独自のルールをもっている。

植物の構造に内在するパターン。そのパターンにはどのような意味があるのでしょうか。あるいは明確な意味などないのでしょうか。

葉の並び方を《葉序》と呼ぶそうです。葉の順序(配列)を短く表現したものですね。「葉に並び方が決まっている」こと、今までに考えたことがありませんでした。

葉は二・三枚が左右対称に、あるいは密集して生えている印象があるからです。そもそも並んでいるという感覚がありませんでした。

植物は、進化の過程で何かしらの目的を達成するために「葉序」を変化させていった。それは何かしらの機能が「パターン・並び方」に内包されていて、その機能の必要性は「植物が置かれた環境」に依存している。つまり、意味は「環境と機能の組み合わせ」として立ち現れてくる。

葉序には一体どのような意味があるのでしょうか?

葉序は、葉が影をつくらず、光が植物にできるだけ当たるように工夫された並び方だ。この配列は植物の何億年もの進化の賜物であり、応用するだけの価値がある。実際、建築家サレハ・マスーミが設計した《葉序タワー》というプロジェクトはその好例だ。

サレハ・マスーミが建築した葉序タワー。実際に植物の葉の並び、葉序を模したその構造は、見事にどの居住スペース(葉)も等しく太陽の光を浴びることができると一目でわかります。

そして何より美しく調和している。分かちあいがあります。葉を模倣した居住スペースが分散・独立しているけれど、それらは茎や幹を模倣した共用部によって連結している。ヒエラルキー構造の建築物とは対照的に、秩序と無秩序が有機的に折り合いをつけている。

毎朝のルーティーンの中で、植物に内在する印象・パターンの関係を見つけるだけでなく、その意味や機能にまで意識を配ってみようと思ったのでした。Thinking Botanically.


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