ゆっくり急ぐということ〜なめらかなつながりは緊張と弛緩のあいだにある〜
「ゆっくりと急ぐ」
毎日身体を動かしている、それも無意識的に。頭、首、胴体、手足、筋肉、骨…。瞬間的になめらかに協調させて、スムーズに動いているわけですが、ではいざゆっくり動こうと思うとなかなか難しい。
たとえば、流れるような歩みを極めて遅く、ゆっくりと一歩、一歩踏み出すように動いてみると、左右のバランスが上手く取れず不安定になって上手く歩くことが難しいのです。
身体の中心軸が大きく変わらないように動くためには、足一つとっても内側の筋肉(内体重)、外側の筋肉(外体重)のどちらに重きを置くかによってバランスの取り方が変わります。
もちろん、身体のバランスを取るのに必要なのは足の筋肉の使い方だけではありませんが、ゆっくりと身体を動かすと日常生活の中で身体をじつに「なんとなく動かしている」ことに気付きます。ヨガや楽器を練習していても同様の感覚を覚えます。
一つひとつの動作をゆっくりと正確に、適度にリラックスしている状態で。一つひとつの動作がゆっくりと正確に反復できるようになってきたら一連の動作をつなげてゆく。すると、緊張しすぎても弛緩しすぎてもつながらないことに気が付きます。
動いても止まっていても。「なめらかなつながり」は緊張と弛緩がバランス(均衡)するところに存在していると「からだ」が教えてくれるのです。
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