身体で哲学するということ〜トップアスリートの身体を通して〜
先日、パリ2024夏季オリンピックが閉幕しました。
世界のトップアスリートが競い合う中において、人間の身体の極美の可能性を垣間見ました。個々に異なる競技の極限を目指すために、追求される身体の能力や性質も異なる。それはある意味で「身体のデザイン行為」と言っても過言ではないように思います。
身体を極限まで磨き上げてゆく。そして、磨き抜かれた身体を極限の緊張の中で繊細に操作する。そこには「形」としての身体と、「運動」としての身体の美しさがあります。身体において静と動が調和した美しさがあります。
トップアスリートの方々の言葉からには、各人が自分の身体をどのように捉えているのか、その解像度の高さが伺えます。どのような動きが、身体要素がどのように協調して、連動することで実現するのか言葉で的確に表現している。そこには身体がどのように動くのか、動かすのかという問いがあり、その問いを追求することはすなわち、各人の哲学に他ならないと思います。
そして、言葉で表現するだけでなく、その言葉で紡がれたイメージを実際に身体で表現している。身体という言葉にしにくいものを言葉で解き明かし、それでいて身体を身体それ自身でも捉えている。
「身体で哲学する」
身体の尽きることのない神秘性、美しさを見出し続けていきたい。そのようなことを思ったのでした。
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