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探求のススメ

今日は『ソーシャル物理学 - 「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』(著:アレックス・ペントランド)より「探求も可視化で改善できる」を読みました。

情報やアイデアの流れを変えることで、集団としての意思決定や行動をより望ましいものとすることができる。何を伝えるのかよりも、どのように交流しているのか。「交流のパターン」が重要なのでした。

第5章で解説したように、作業のアウトプットが創造的なものになるかどうかは、探求行為にかかっている。残念ながら、チーム内でどのような探求パターンが実現されているかを把握することは難しい。その理由のひとつは、探求は通常、グループ単位ではなく個人ごとに行われる活動だからである。把握することが難しいため、それを後押しするような習慣を組織内に定着させることも難しい。したがって良いアイデアの流れを実現するためには、グループが行なっている探求のパターンを可視化する方法を見つけることが、極めて重要になる。

「作業のアウトプットが創造的なものになるかどうかは、探求行為にかかっている」とのことですが、探求にも「外側に向かう探求」と「内面を深掘る探求」の2種類があるように思います。

著者が言及しているのは「外側に向かう探求」であり、自分が所属しているチームやコミュニティを超えて、新しい情報を見つけること。それをチーム内で還元することで、チーム全体が新しい情報にふれることができます。

また、「残念ながら、チーム内でどのような探求パターンが実現されているかを把握することは難しい」とありますが、たとえばオフィスで周囲を観察していると、全体の会話の流れ、誰と誰がどれぐらいの頻度で会話している様子がおぼろげながら見えてきた感覚があります。

あるグループと、その外部にいる人々との間で起きているアイデアの流れを数値として計測することが、探求の測定方法としておそらく最も適切なものだろう。その一方で私たちは、多くの場合、単に外部との流れが行われた数をカウントするだけでも十分であることを発見した。言い換えれば、ソーシャルネットワーク内のフィードバックループや構造的空隙のような複雑性を考察に組み込むことが必要なのは、そうした構造が問題を引き起こす可能性がある、特定のケースの場合だけであるということだ。

「多くの場合、単に外部との流れが行われた数をカウントするだけでも十分である」という発見は興味深いです。会話の内容よりも、誰とどのぐらいの頻度でつながっているかが重要になってくる。

つまり、チームや組織の規模が大きくなったとしても、「回数」という同じモノサシで測り続けることができるわけです。とにかく思い思いに外へ出ていくこと。一人ひとりが越境していくこと。

その意味では、本を読むこともまた、気軽にできる越境なのかもしれない。そのようなことを思ったのでした。

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