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無関心がレジリエンスを弱める〜フィードバックの重要性〜
「復元力」を意味するレジリエンスという概念を構成する要素の一つとして
「密接なフィードバック」が挙げられています。
フィードバックとは、自らを取り巻く環境に働きかけ、環境から反応・応答を受け取ること。つまり、フィードバックは円環的構造(フィードバック・サイクル)を取ります。
外部からの撹乱がもたらされた際に回復・再生してゆくためには、自らの力だけでなく周囲とのコミュニケーション・協調が必要になります。そのためには、自らの現在の状態を適切に対外発信し「協力を得られるか」を確かめ合い、環境に適応する形で回復・再生を図ってゆく。
とすると、個々が独立した(モジュール性)中での多様なつながり(多様性)がどの程度の速さ・情報の質で応答するのか、ということもレジリエンスを考える上で重要であるということになります。
身近な人間関係でいえば、「どれだけの人が挨拶を返してくれるだろうか」「どれだけの人に悩みを聞いてもらえるだろうか」「どれだけの人から支援を受けることができるだろうか」などの問いが浮かんできます。
「無関心がレジリエンスを弱める」と言えるのではないでしょうか。互いに関心を持ちながら、相手を理解し、(相手が求めている意味で)適時適切な支援を届けてゆくことの大切さを再認識しました。
一般的に、生態系などの分野でレジリエンスの要素としてよく挙げられるのは、「多様性」「モジュール性」「密接なフィードバック」です。
「密接なフィードバック」とは、システムのある部分に起こる変化を、他の部分が感じて反応する速さと強さのことです。「変化が起きつつある」という情報が伝わる、つまり、フィードバックが来るのに時間がかかったり、場合によっては、フィードバックが来なかったり、間違っていたりすると、手を打つべきタイミングに気がつかなかったり、必要な対応をすることができず、外的な衝撃がやってきたときには手遅れになっていて、大きな被害を受けてしまうかもしれません。
さて、相互作用する要素が集まってできている複雑系の核心とは何だろうか。それは、情報がストレスを通じて(ストレスを利用して)構成要素へと運ばれるということだ。人間の身体は、論理的なシステムや知能、推論能力や計算能力ではなく、ストレスやホルモン、または何らかの未知のメッセンジャーを通じて、周囲の環境についての情報を得ている。(中略)さらに、失敗やその影響も情報になる。幼い子どもの場合、論理能力が未発達なので、痛みが唯一のリスク管理情報となる。複雑系では、情報がすべてなのだ。
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