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まずはここから レガシーな抗がん剤から、最近の免疫チェックポイント阻害薬までを簡単にまとめ

こんにちは。がん患者さんの日常生活を豊かにしたい会社PEERの創業者さとうです。私は主にがん患者さんのお話しを聞く仕事をしています。ここでは、普段がん患者さんとお話ししながら、よく話題にのぼることを解説しています。今日は、「最近の薬のカテゴリーの話」です。

がんを薬で治療することを「がん薬物療法」と言います

がん、薬、というと、抗がん剤とイメージしますが、抗がん剤以外にもがん治療に使う薬があります。抗がん剤も薬物療法の一つです。

がん薬物療法のカテゴリー

薬物療法は、大きく分けるとこの4つに分けられます。

  • 抗がん剤:細胞を直接やっつけに行く薬です。がん以外の似ていると正常細胞もやっつけてしまうことがあり、脱毛などの副作用が出ることがあります。

  • 分子標的薬:がん細胞が増えるときに必要な特定の成分(分子)を邪魔して、がん細胞が増えないようにします。

  • 免疫チェックポイント阻害薬:がん細胞は免疫細胞に見つからないようにウソの信号を出しています。免疫細胞がその信号に騙されないようにする薬です。

  • ホルモン療法:ホルモンを栄養にして育つがんに対して、ホルモンを出さなくすることで栄養がなくなって育たなくなるようにする薬です。

免疫チェックポイント阻害薬(保険診療)と、免疫をアップさせる免疫療法(自費)は全く違うもの

同じ免疫とついていますが、この二つは全く違うものです。自費の免疫療法でよく見かける「免疫をアップさせる」「自分の免疫細胞を増やして体内に戻す」という免疫の方法は、効果が証明されていないのです。

免疫チェックポイント阻害薬についてのメカニズムについては、こちらをご覧ください。

自費診療が効くかもしれないというギャンブルの前に。

効果はわからないけれども、効くひともいる。だからやってみたい。この気持ちはめちゃくちゃわかります。テレビやネットで有名人が自由診療で未承認の治療をして効果があった、楽になった、といった話も目にします。でも、これは、結構なギャンブルです。もし効果のある免疫治療ならば、副作用も予想されます。例えば、免疫チェックポイント阻害薬という薬は、免疫をストップさせる機能を一時的に止めて、隠れているがん細胞を攻撃させます。その副作用として、自分の正常な細胞も攻撃してしまうことで起こる免疫関連有害事象(irAE)もあります。これはすぐに発症するものもあれば、数ヶ月後に出るものもあります。日帰りで治療を受けて、その病院は夜中にこの副作用が出たら、助けてくれますか。

免疫は自分を守る仕組みです。体に害のあるものから自分を守ってくれる、なのに自分のことは攻撃しない。すごい仕組みです。免疫チェックポイント阻害薬などは、その免疫の仕組みを一時的に壊して治療する、とも言えます。そのくらいに強い作用の薬を使うのですから、研究の不十分な治療を受けることについてよく考え欲しいのです。

その段階になってから何を言われても、でもやっぱりやりたい!となると思います。でも、そのチャレンジであなたの時間を減らしてしまわないように、しつこいですが、何卒、主治医に相談してくださいね。もし、主治医に言いにくいなぁ、、、とお悩みでしたら、がん相談支援センターもおすすめですよ。匿名、無料で、誰でも相談できます。家族でもOKです。

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