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調べ抜いているか?

中山マコトです。
僕は書くことをメインの生業にしていますが、実は「聞く=聴くこと」も重要な仕事です。

そんな中で、聴くための準備に関して、調べること、情報を持つことの大切さを教えるエピソードを紹介しましょう。

僕の知り合いのライターが、ある雑誌の「社長インタビュー」を依頼されました。

インタビュー相手は大手化粧品メーカーの社長。
有名人です。

彼は必死になって、時間の無い中、その社長にまつわる情報を集めました。
図書館までも出向き、過去の雑誌での社長の発言や対談などもすべてチェックしました。
膨大な量の情報を事前に手に入れたのです。
まさに相手を丸裸にしたんですね。

で、インタビューが始まってからしばらくしてある話題に入ったとき、ライターはこう言いました。
「〇年〇月の雑誌××のインタビューで社長はこう話されていますよね?」と。

社長は驚きました。

「あんな古い記事を良く知っているね~。僕も忘れていたことをどうやって調べたの?」」と。

そのフレーズは社長がとても大事にしているフレーズで、座右の銘の元になった言葉なんですが最近はまったく使っていない言葉でした。

本人すら忘れていたフレーズをライターが知っていたことに社長は大いに感激していました。

それから数カ月。

ある会社の社内報担当者からライターに電話が来ました。
「新しくスタートする社内報のメインライターを彼にお願いしたい」と言うのです。
過日のインタビューで感激した社長が、ぜひ彼を使いなさい!と現場に指示を出したのです。

以降、社内報に活躍の場を得た彼は、そこを経由して多くの仕事を手に入れることになりました。

まさに「情報」がチャンスを生み出したのです。

真の情報を得ることは正直面倒です。
ネットでちょこちょこっと探せばそれなりの情報は集まるでしょう。
ですがそれでは相手の胸は撃てません。
感激を呼ぶことは無理です。

このひと手間が実はとても重要で、社会的に評価の高い人は例外なく情報を沢山持っています。
しかも上質の情報、他では手に入らない情報です。

あなたもこのひと手間、意識してみてはいかがでしょうか。

で、話は変わりますが、本を書く行為って、ほぼこの情報収集です。
先ほど話した社長が、読者に置き換わるだけ。
できるだけ、詳細で、具体的で有益な情報を読者は望みます。
小手先だけで、チョコチョコッと手に入れたネタなんて欲しくは無いんです。
じっくりと時間をかけ、選び、捨て、吟味し、精査し、その上で載せる、書く。
これが本を書くという行為の根幹です。
是非意識してください。

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