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いのちの作文

ふくしとぼうさい日記300日目。
日々の活動であったことから、思ったことを綴っています。

Noteをはじめて300日目となりました。
毎日投稿することができ、見返してみると毎日の様々なことが記録されており、稚拙な文章ながら継続ができていることを嬉しく思います。
何より読んでくださる皆様、誠にありがとうございます。

一緒に活動している小学6年生の山崎康平くんという子がいます。みんなはジェフくんと呼んでいます。
認知症の方を中心とするフレンドリー楽団のメンバーでもあり、ボランティア活動や様々な取組に積極的に参加してくれる子です。
以前、7月に行ったすこやかいきいき協議会「インクルーシブ防災入門講座」に参加され、その内容を小学校で書いた「第9回いのちの授業大賞作文」で書いて応募したところ、約10,000人の応募数の中から県内で10人に選ばれ「優秀賞」を受賞したと嬉しいお知らせをいただきました。
その賞は書いた本人とあわせて、その授業(今回は講座ですが)をされた側も受賞されるということで、今日のお昼休みに学校で授賞のインタビュー撮影があるとのことで、お伺いをしてきました。

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インクルーシブ防災入門講座については、以前のnoteでもまとめていますので、是非ご覧ください。

インクルーシブ防災 はじまりました|服部誠 #note https://note.com/makotohattori/n/n23ba8bbf17de

まざりあう一日|服部誠 #note https://note.com/makotohattori/n/n118f2120c8a6

その素晴らしい作文について、保護者の山崎さんより公表してよいとのご了承をいただきましたので、まずはお読みください。


第9回「いのちの授業」大賞作文 優秀賞

「インクルーシブ防災」
逗子市立逗子小学校 6年山崎康平

「インクルーシブ防災に参加してみない?」とある日母から提案されました。僕は「防災」は知っていますが「インクルーシブ防災」って何だろう?と思いました。そして僕は「インクルーシブ」という言葉にひかれて参加してみることにしました。「インクルーシブ防災」とは、災害時に障害者や高齢者を含め誰も取り残さず、あらゆる人を受け入れる、ということだそうです。
 地域で行われた「インクルーシブ防災」は「避難編」と「避難行動編」の2回に分けて開催されました。まずそこで僕は衝撃を受けました。僕は災害が起こったらまず逃げる、と言うことを想像します。そればかりが頭にあって、避難所で数日過ごす、と言うことがすっかり抜け落ちていました。大きな災害になると「避難編」「避難所編」だけでなく、「復興編」も視野に入れて行動しなければならないそうです。
 日本は災害大国と言われています。僕が生まれた後に起こった災害だけを考えても、東日本大震災や度重なる台風被害や豪雨災害などがあります。その中で障害者や高齢者の方の死亡率は一般的な死亡率の二倍になっているそうです。また災害関連死における割合は二十四%にもなるそうです。僕はとてもショックを受けました。同じく大切な命なのになぜそのような差が出るのかと。どんな人にも愛する家族や友人、知人がいます。もしも助かる命や知識やサポートがないために助けられなかったら、どんなに無念だろうと思います。このような事態を防ぐためには障害者や高齢者、乳幼児や健常者など、世の中には多様な人が存在し、その人それぞれの適切な防災の方法があることをみんなで考えて行かなければならないと思います。
 自治体には「福祉避難所」と言うバリアフリー機能を持った避難所があるそうです。災害時に近くにあればとても有効的だと思います。ですが非常時に避難する場合、果たしてそこまでたどり着けるのか?近くの避難所の方が早く安全にたどり着けるのではないか?地域の人ならば誰でも地域の避難所で受け入れることが出来れば、被害を最小限に抑えることが出来ると思います。避難行動で配慮が必要な人は地域のどこにいるのか、彼らは災害時にどのように避難し、どうやって情報共有して行くのかをみんなで考え、地域の防災訓練で実践していくことが大切だと思います。
 この「インクルーシブ防災」に参加して僕の心に一番響いたことは、僕の大好きな全盲のおっちゃんや車いすユーザーのお姉さん、若年性認知症のギタリストのおじさんが言った言葉です。全盲のおっちゃんは「僕は目が見えないけれど、車イスに乗っている人が目になってくれれば、車イスを押して避難所に行くことはできるよ」、車いすユーザーのお姉さんは「避難所で受付係くらいだったら私は出来ます」、若年性認知症のギタリストのおじさんは「避難所で個室があっても、自分よりもっと配慮が必要としている人に使ってもらいたいです」と。この感動をどのように伝えたら良いのかわかりません。ただ一言言えるのは「命は平等であり、とても大切なもの」であると言うことです。
 緊急時に誰一人取り残すことなく行動するためには、個人や地域社会の防災意識が大切である、と言うことを今回の「インクルーシブ防災」で学びました。


本当に素晴らしい作文です。
小学校6年生で、ここまできちんと理解をして作文を作っていること、そして大切な点をきちんと感じてくれて自分で考えていること、何より普段から様々な方々と一緒にいるから感じられる混ざり合うことがあたりまえの感覚を持っていることが素晴らしいと感じます。

文中に出てくる全盲のおっちゃんこと荒木俊彦さん。(写真中央)

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同じく車いすユーザーのお姉さんこと田村直美さん。

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同じく若年性認知症のギタリストのおじさんこと近藤英男さん。

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みんなジェフと仲間で、普段から一緒に過ごしています。
一緒にいるから紡ぎ出された「命は平等であり、とても大切なもの」という言葉が、私は胸にとても刺さりました。

インクルーシブ教育は、色々な手法があると思いますが、混ざり合って一緒に楽しみ友達になることが自然な理解を促すのだと感じます。

今日のインタビューでも堂々と答えていたジェフくん。この表彰式は後日、県知事から直接賞状をもらう場が設定されるとのことです。


素晴らしい「いのちの作文」を、より多くの人に見てもらって、インクルーシブ防災の輪がもっと広がると良いと感じます。

ジェフ、本当におめでとう!
そして素晴らしい作文をありがとう!

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