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介護人材不足をなんとかしたい その1

ふくしとぼうさい日記476日目。
日々の活動から、街の課題解決のチャレンジをしています。

今日午前中は、訪問介護をしているとある事業所でお話をさせていただきました。
今、介護保険事業所は、厳しい現状にさらされています。
慢性的な人材不足が一番の課題です。
とくに小規模の事業所は、厳しい状態がずっと続いています。

まず、介護の資格を取った人のうち、訪問介護の仕事にヘルパーとして来てくれる人が少ないという現状があります。
福祉施設に勤めると固定給の仕事が多いですが、訪問介護の仕事は時給での仕事で且つ時間も不定期だったり希望する時間数が入れなかったりなど流動的などで、比較的敬遠されがちでもあります。

新しく入ってくれるヘルパーが少ないということは、現在やっている人がずっとやらなくてはならなくなり、おのずとヘルパーの平均年齢がどんどん上がっている状態です。
ヘルパーの平均年齢が60代以上の事業所もあるとのことです。

また、介護保険の報酬単価についても、厳しい現状があります。
ここ数年、サービスの単価はほとんど変わっていません。
一方、介護職員の処遇改善のための費用(加算と言います)は、事業所に応じて県からだされており、その分は介護職員の処遇改善として直に給与に上乗せされます。
一方、管理者や事務スタッフ分の費用はそこから出ないので、サービス単価があがらない現状では、そこも事業所に重くのしかっている現状があります。

また介護の資格制度についても、課題があります。
まず基本となる「介護職員初任者研修」という約120時間の研修を受けるとすべての介護の仕事ができます。
逗子市においては、受講修了すると5万円、介護の仕事にあらたについて一定の期間を従事すると5万円の補助がでる制度があります。
この研修は、逗子では逗子市社会福祉協議会で受けることができ、地域で行う介護資格研修として、大切な取組だと思っています。

介護の資格の最上位は、「介護福祉士」です。
これを受験するためには、「介護職員実務者研修」という「初任者研修」よりも上位の資格「介護職員実務者研修」を取る必要があり、約350時間という長丁場の受講が必要となります。
「実務者研修」を取ってかつ、3年以上の実務経験を経て、ようやく「介護福祉士」の受験資格を得ることができます。
(それ以外は、介護福祉士養成施設や、福祉系大学卒で養成施設の一定のカリキュラムを卒業すると受験資格を得ることができます。)

介護の仕事は、基本的には「初任者研修」をもっていることが前提ですので、その資格を取得している人材が地域にいるか、というのが大きな課題です。
「初任者研修」も「実務者研修」もそれ相応の金額がかかり、そのため受ける人も限られてくる、そんな現状です。
ましてや、資格を持っている方は、固定給の施設に目が向きがちで、地域の訪問介護に来てくださる方が非常に少ないもしくはまったくいないという現状があります。

さらに介護の事業所では、サービスを管理する責任者は「介護福祉士」である必要があることから、少ない「介護福祉士」が、募集してもなかなか来ないという現状がずっと続いています。

多くの人が働いてほしいのに、資格が必要なのでなかなか充足しない、そのような状況です。

このような連鎖の状態があり、介護人材不足が続いています。
ましてや、今後の後期高齢者(75歳以上)の方が増える予測で、一層訪問介護の必要性が高まってくることは明白です。

この介護人材不足の状況を改善していくためには、いかに「初任者研修」や「実務者研修」を受けてくれる人を増やすかという点が重要になってきます。資格のための研修を受ける前に、介護に興味がある人のすそ野を広げる取り組みです。

今日、そのすそ野を広げるための小さいですが新たなアイデアが出ました。
実現に向けて今日から動き出しになります。

「介護人材不足をなんとかしたい」と考えています。

またしっかりと企画を立て、皆様にもお知らせできるように頑張りたいと思います。

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