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#868 空中に浮かびたい自分と、空中に浮かべない自分と、その板挟みのジレンマ。。。っていう話です。

ドラえもんが実は地に足がついておらず、わずかだけ宙に浮いている、という驚愕の事実を知って、驚愕した小学2年の秋。

でもって。。。

イエスが世の終わりに再臨すると、携挙、すなわち、クリスチャンは生きたまま天に上げられる、というさらなる驚愕の事実を知って、さらに驚愕した中学2年の秋。

んでもって。。。

聖人、すなわち、神の恩寵により存命中にイエスに似た者になることができたセイントは、やっぱりその足がわずかだけ地面から浮いていて、だからドラえもん状態だという、もっと驚愕の事実を知って、もっと驚愕した大学2年の秋。。。

今日の聖書の言葉。

疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。
マタイによる福音書 11:28 新共同訳

そして、人生57年目の秋。

アマゾンプライムで9月2日から全世界同時配信が始まった『ロードオブザリング:力の指輪』のエピソード1の最後のシーンを見ながら、空中に浮かびたい自分と、空中に浮かべない自分と、その板挟みのジレンマについて考えさせられちゃった。。。

主人公のガラドリエルは、ハイエルフ(上のエルフ)の貴婦人で、ネアウェン(男まさりの乙女)という別名を持っていた。

ピーター・ジャクソン版『ロードオブザリング』(指輪物語)では残念ながら彼女の「男まさり要素」を感じさせるシーンは無かったんだけど。。。

でも、指輪物語から三千年以上前の前史を描いた今回のアマゾン版では、ガラドリエルがネアウェンのネアウェンたるゆえんを本領発揮して、バッタバッタと敵をなぎ倒す。胸熱。。。

エピソード1では、冥王サウロンの残党討伐に走り回るガラドリエルが、志半ばにして帰還を命じられてしまう。

サウロンを滅ぼした確証を得ていないのにもかかわらず、えらい人から「もうたくさんだ!」と言われて、一方的に論功行賞されてしまうのだ。

その結果彼女に与えられたご褒美は、永遠の至福の世界「ヴァリノール」に行く船の乗船キップだった。

実は、ガラドリエルはもともとヴァリノールの住人だったんだけど、えらい人の許可なく勝手に「中つ国」に移住したので、すっごく怒られて、ヴァリノールへの帰還を禁止されていたんだ。

その禁が解かれて、やっと故郷に帰れる! ここは、ほんとなら喜ぶべきところなんだけど。。。

でも、ガラドリエルの心は晴れなかった。だって、まだ地上で果たすべき自分の務めが残っている、って感じていたから。

彼女と同僚たちを乗せてヴァリノールに戻る船が、いよいよ光のゲートをくぐるとき、エルフたちは身に着けていた「地上のもの」をぜんぶ外して、身軽になって、天に上る備えをした。

つまり、重たいと飛べない、っていうわけ。

で、いよいよハイパージャンプする!っていう瞬間、ガラドリエルは床に置いてあった剣に手を触れた。

そのとたん彼女の存在は重たくなって、だから、ひとり下界に取り残されてしまうんだ。

なんかなー。。。考えさせられるシーンだったよ。。。

自分が天国に行くときは、たしかに身軽になって、この地上に思い残すモノやコトはなんにもなくなって、空を飛ぶように上って行くんじゃないか。。。いや、ほんとに文字通りかるーく宙を舞って行くんじゃないかって、期待もし、切望もするんだけれど。。。

でも、残念ながら「今日の自分」は、そこまで軽くなっていない。

ガラドリエルの場合の剣じゃないけれど、自分にも気がかりなこと、心配なこと、忘れようとしても忘れられないこと、どうしてもあきらめられないことが、あれこれあるもん。

それらをしっかり握りしめていて、だから、自分の存在は重たくなっていて、ゆえに、飛べない。。。

この手に握りしめている、手放せないと思っているものを、手放してしまえれば、この世界とはオサラバさ! って思えるんだろうけど。。。

まだそれができない自分がいる。

なので、どうすることもできないから、イエスのもとに行くしかないよね。

疲れた者、重荷を負う者は
だれでもわたしのもとに来なさい
休ませてあげよう

重荷のために地上に縛り付けられている自分だけれど、イエスのところに行って、休ませてもらおう。

そして、どうやったら、重荷に固くこびりついて一体化してしまったみたいな指を一本一本引きはがして、手放してしまえるのかを、時間をかけて教えてもらおう。

その間に聖書と共に『聖人伝』も読んで、先に重荷から解かれてドラえもんみたいに浮いているひとたちの身の振り方を勉強させてもらおう。

幸いにも自分もドラえもんみたいになれたら。。。

浮いているようには全然見えないのに、実は軽々と浮いているという気分を、心ゆくまでエンジョイすることにしよう。。。

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